ロンドン五輪で3連覇を達成した吉田沙保里。レスリングは日本のメダル量産競技だった【拡大】
IOCからは除外について明確な理由は示されず、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(65)も「古代五輪からやっているスポーツで、理由がわからない」と驚きを隠さなかった。JOCのトップでさえ予想できなかった波乱の展開だった。
沈んでいるひまはない。5月のIOC理事会で2020年五輪で新採用する候補を8競技から1競技に絞り込み、9月の総会で決定する。ライバルは五輪復帰を目指して統合した野球とソフトボール、空手、武術太極拳、スカッシュ、ローラースポーツ、スポーツクライミング、水上スキーのウエークボード。この総会では20年五輪の開催地も決定する。日本スポーツ界にとっては、運命の“2大決戦”となる。
「自分としては世界選手権、リオデジャネイロ五輪を目指してがんばるしかない」
吉田が悲壮な決意を掲げた2つの大会は、レスリングの運命が決まる9月のIOC総会(ブエノスアイレス)後に行われる。いまは笑顔でマットの上に立てることを祈るしかない。
(紙面から)