おはよう日本「首都圏」

2月6日放送
再生可能エネルギーへ 町工場の挑戦

問い合わせ先

ものづくりの新たな挑戦についてです。
原子力発電所関連の下請け会社などが集まる茨城県では、原発事故の影響や景気の低迷で受注が落ち込む中、水力やバイオマス燃料など、再生可能エネルギーの分野で商機をつかもうという町工場が現れてきています。

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中にプロペラが1つ入った、長さ1メートルほどの筒。
この小さなプロペラが、1分間に約600回 回ります。
回転で電気を生みだす、小型の発電機です。

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設置するのは、流れの緩やかな小川や用水路など。
持ち運びができるので、電源のないキャンプ場などでの需用を見込んでいます。

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小型の水力発電機を開発したのは、日立市にある町工場。
大手電機メーカーの下請けとして、原発で冷却水を汲み上げるための電動機などを作ってきました。
しかし、経営の柱の1つだった原発関連の受注は、震災後、ゼロ。
得意のエレベーター用のモーターは、中国に押され、最盛期の10分の1に落ち込んでいます。

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渡辺英俊社長は、
「なんとか自力で出来るものがないだろうかと、自前の製品開発に至った」と言います。

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今回、持ち前の技術を生かしたのが、プロペラの軸。
担当者は、
「1分間に600回も回るので、髪の毛1本のようなゆがみが製造上あると、振動とか騒音とか、壊れる原因になったりします」と言います。
これまで、発注元の厳しい要求に応え 磨いてきた、100分の1ミリ単位の技術を、初めての自社製品に転用しました。

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一方、町工場ならではの斬新な発想で、再生可能エネルギー分野への進出を図っているところもあります。
これまで、主にガスボンベを作って来た、かすみがうら市の鉄工所。

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社長の大和さんが今、注目しているのが、木くずを固めた固形燃料「ペレット」です。
大和さんが開発中のペレットの製造装置は、電気代が従来の3割で済むという、夢の機械です。

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その秘密は、ペレットの作り方の違いにあります。
従来のものは、いわばすりこぎの役割を果たす、ローラーが中に入っています。
ローラーが回り、ペレットの形をした穴に、木くずを押し込んでいきますが、摩擦で熱を持ったり、相当の電力がかかったりすることが課題と言われてきました。

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新しい装置は、2つの歯車のかみ合わせを利用します。
大和社長は、
「歯車のかみ合わせ部分で、木くずが圧縮される。今までの製造機だと、ローラー全体で力がかかっているが、新製品は、力を1か所に集中しているから省電力になった。エネルギーロスを少なくする形にしている」と言います。

開発から3年。
まだペレットが、目標より少し軟らかいという課題はありますが、独自のアイデアで勝負に挑みます。

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「オリジナリティーと独創性を持って、ものづくりをしていく。人に言われたものを作っていては、なかなか前に進んでいかない」という大和社長。
再生可能エネルギーで、商機をつかめるのか。
ピンチをチャンスに変えようと、ものづくりの現場で挑戦が続いています。

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問い合わせ先

◇小型の水力発電機を開発した町工場
「(株)茨城製作所」
 茨城県日立市神峰町4-7-10
 電話:0294−21−5135

◇ペレットの製造器を開発した町工場
「伸栄工業(株)」
 茨城県かすみがうら市稲吉1751
 電話:029−831−5315

◇茨城県庁の再生可能エネルギーの総合窓口
「科学技術振興課 新エネルギー対策室」
 電話:029−301−1111(代表)

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