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こんな愚かな行為を、いつまで繰り返すのか。北朝鮮が3度目となる核実験を強行した。地域の平和と安定を乱す暴挙で、強く非難する。国連安全保障理事会は、[記事全文]
お年寄りが集まって暮らす施設でまた悲劇がおきた。長崎市にある認知症の高齢者向けグループホームの火事で、70〜80代の4人が命をおとした。高齢者は自力での避難が難しいだけ[記事全文]
こんな愚かな行為を、いつまで繰り返すのか。
北朝鮮が3度目となる核実験を強行した。地域の平和と安定を乱す暴挙で、強く非難する。
国連安全保障理事会は、北朝鮮が核実験をすれば「重大な行動を取る」と警告していた。追加制裁などの対応を速やかにまとめ、核実験を許さない強い意志を示すべきだ。
北朝鮮は今回、小型化、軽量化され、爆発力も大きい原子爆弾を使った、としている。
昨年12月には、長距離弾道ミサイルの発射実験を強行した。実用化にはまだ技術が足りないが、射程は米中西部まで届く1万キロ以上に及ぶ可能性がある。
日本のほぼ全域が射程に入る中距離弾道ミサイル・ノドンも大量に保有している。
これらのミサイルに核兵器を搭載できるようになれば、アジア太平洋地域の安全保障環境は一変する。
小型化がどこまで進んでいるのか。これまでと同じプルトニウム型なのか、製造を把握しにくい濃縮ウランを使ったものなのか。各国は情報収集・分析を急がなければならない。
北朝鮮のさらなる暴走を抑えるには、追加制裁などで十分な圧力をかけつつ、南北朝鮮に日米中ロを加えた6者協議を再開して、粘り強く打開を探るしかない。
日本は尖閣や竹島をめぐる中国や韓国との対立も抱えるが、ここは連携を強化すべきだ。
相次ぐミサイル発射や核実験には、発足1年の金正恩(キムジョンウン)体制を固める狙いがあると見られる。
米国では対話志向のオバマ大統領が2期目に入った。近く韓国大統領に就任する朴槿恵(パククネ)氏は、北朝鮮との関係改善をめざす考えを示していた。
それなのに、北朝鮮は自ら、関係を前進させる絶好の機会をつぶしてしまった。国際社会で孤立を深め、体制の安泰が図れるはずはない。
北朝鮮と関係の深い中国も、自制を働きかけていた。だが、実験を止められず、就任したばかりの習近平(シーチンピン)総書記にとって手痛い外交上の失点となった。
中国は、北朝鮮の安定のために過度に配慮する政策の限界を認め、姿勢を転換すべきときだ。中国からの食糧やエネルギーを止めれば、北朝鮮にとって大きな圧力になる。
北朝鮮は、核やミサイルの技術、資材を海外から入手した可能性もある。こうした移転を防ぐための国際的な監視態勢の強化も欠かせない。
この分野でも、中国の役割は大きい。
お年寄りが集まって暮らす施設でまた悲劇がおきた。長崎市にある認知症の高齢者向けグループホームの火事で、70〜80代の4人が命をおとした。
高齢者は自力での避難が難しいだけに、火災に見舞われれば犠牲者は多くなる。
06年1月には長崎県にある、やはり認知症グループホームで7人が亡くなっている。3年前の札幌市の施設の火災でも7人が犠牲になった。
なぜ、こうした惨事が繰り返されるのか。
共通するのは、夜勤職員が1人だったことと、大量の散水で一気に消火できるスプリンクラーを備えていなかったことだ。
夜勤職員が多く、スプリンクラーがあれば、命をもっと救えたかもしれない。
それを法律でもれなく義務づけられるなら、ことは簡単だ。
だが、あまり厳しい規制をかけるとグループホームの負担が重くなり、運営が立ちゆかなくなる。その結果、高齢者の行き場がなくなるという現実が、一方ではある。
厚生労働省の基準では、入所者9人までは夜間の職員は1人でいいことになっている。しかし火災がおきれば、認知症の高齢者を職員1人で素早く避難誘導するのは難しい。
今回の施設は延べ床面積270平方メートルで、スプリンクラー設置が義務づけられる275平方メートルに満たない。市から設置を促されたが、応じていなかった。建築基準法が求める防火扉の不備も指摘されている。
高齢者5〜9人が1グループとなり、家庭的な雰囲気のなかで暮らす認知症のグループホームは、認知症の重度化を防ぐ効果があるとされる。
13年前に約270だった施設は今や1万を超え、約16万人が利用する。ただ、夜間の職員を増やし、防火設備を強化したくても、現在の介護報酬では難しい。消防庁の10年時点の調べでは、スプリンクラーの設置に法的義務のないところは、9割以上がつけていない。補助金で設置費用は部分的に賄えても、残る自己負担が重いのだ。
認知症の高齢者は今後も増えると予測される。重要さを増す施設だからこそ、惨事が繰り返される現状は放置できない。
防火体制の充実のため、補助金に加え、長期・低利の公的な融資をもっと使いやすくすることも検討すべきだろう。
安全な施設にするには費用がかかる。命にはかえられない。介護保険料を上げるか、税金をまわすか。私たち国民みんなで考え、負担する覚悟が要る。