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「探偵! ナイトスクープ」放送作家が語る、平均視聴率20%の秘密 (1/2)

「テレビが面白くなくなった」と言われて久しいが、大阪には在阪テレビ局が制作して大ヒットした番組がいくつもある。そのひとつ、平均視聴率20%というお化け番組「探偵! ナイトスクープ」はなぜ人気を集めているのか。放送作家の百田尚樹さんに聞いた。

[産経新聞]
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 「テレビが面白くなくなった」と言われて久しい。だが、大阪には在阪テレビ局が制作して大ヒットした番組がいくつもある。そのひとつ、平均視聴率20%というお化け番組「探偵! ナイトスクープ」(ABCテレビ系)の構成を25年務める作家、百田尚樹さんは、人気番組を作り出す秘訣は「タレント頼みでなく企画こそ命」と言い切る。このほど、在阪局の制作担当者を前に講演した百田さんは、「紳助さんも上岡龍太郎さんもいなくても、企画さえよければ視聴率は取れる」と訴えた。(豊田昌継)

金がないなら知恵を出せ

 百田さんは同志社大学在学中から人気バラエティー番組「ラブアタック!」に常連として出場、学生の間ではよく知られた存在だった。大学中退後は、放送作家となり、昭和63年の番組開始当初から「探偵! ナイトスクープ」の構成を担当している。

 1月、大阪市内で、BPO(放送倫理・番組向上機構)青少年委員会からの依頼で、「大阪の番組作りの秘密」と題して同委員や在阪テレビ局の制作担当者を前に講演。百田さんがまず口にしたのが、在阪テレビ局が抱える共通の悩み、「お金がない」ことだった。「大阪のテレビ局はお金がない。在京局と予算が1桁違う中で対抗しないといけないのです」。だが、それは必然的にアイデア勝負になる、という。「例えば、演出方法。今では当たり前になった、セリフを字幕にして画面に出す方法。あれは『ナイトスクープ』が最初だと思います」。

 「テレビは企画が命」と言う百田さん。ところがここ15年ほど、日本全体が、企画よりタレントの力を借りた番組が多くなったと嘆く。「企画会議では『どういう企画か』よりも『どのタレントをブッキングできるか』が優先することもある。大物タレントを抱える制作プロダクションが『この時間帯をくれたら、このタレントを出す』と局側に言うと、企画もない状態でもOKを出しているんです」。

 大阪も同様の流れが漂う。タレントを組み合わせるだけで、楽屋トークを延々しゃべらせて、面白い場面をつまんで流す。「タレントによりかかってばかりで、モノを作る姿勢がどんどん抜けていくような気がして悲しかった」

yd_tv.jpg 百田氏が構成を務めるABCテレビ系「探偵!ナイトスクープ」。家族が楽しめる番組の代表格と自負している
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