黄金の馬
「黄金の馬」と呼ばれている品種の馬がいます。
アハルテケと呼ばれるその馬はトルクメニスタン原産の品種で、
エキゾチックな雰囲気やエピソードに富んだ魅力的な馬なのです。
その姿は光の当たり具合で金色や銀色の金属的な光沢を見せます。
皮膚が薄く、体毛も色素が濃くないために、そのような反射を見せるのです。
「黄金の馬」と呼ばれる所以でもあります。
また、外観でサラブレッドと大きく違うのは、たてがみや尾です。
サラブレッドは長いたてがみと尾がシンボルとなっていますが、
アハルテケはともにやや薄く、しかし美しくまとまっています。
体型はサラブレッドの中ではステイヤー体型に近く、
体の幅はやや薄いものの、長い胴さしとしなやかな筋肉を持っています。
ただし、サラブレッドよりも太く丈夫な脚を持っているのも特徴です。
その外観の通り、アハルテケは長距離を走ることを非常に得意とします。
MAXスピードはサラブレッドにはかないませんが、過酷な環境にも強いようです。
記録では235マイルの砂漠をたった3日間で横断し、
しかもその間水を全く飲んでいなかったそうです。
また、障害物の飛越も得意で、賢く1人の人間に特に懐くと言われます。
中国の三国志に出てくる「赤兎馬(せきとば)」という名馬は、
このアハルテケのルーツである汗血馬(かんけつば)ではないかと言われています。
明確な証拠があるわけでないのですが、赤兎馬は血のような汗を流して走るとされ、
アハルテケも皮膚が薄いために走ると体表の毛細血管が透けて見えるそうです。
中国の伝説の赤兎馬の子孫がアハルテケなのだとすれば、実にロマンのある話です。
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2012年2月21日