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網走の断水復旧 導水管点検へ
網走市のおよそ1万1600世帯で11日午後から続いていた断水は、12日朝、復旧しました。
3年前にも同じ導水管が破損し、断水が起きていることから、市は、雪どけのあと、すべての導水管の点検を行うことにしています。
網走市では、水源から浄水場に水を送る鋼鉄製の導水管が破損したことから11日午後2時から水道水の供給が停止され、12日朝まで市内のおよそ60%にあたる、およそ1万1600世帯で断水しました。
網走市によりますと、破損した導水管は、本来は地中に設置されたものですが、周囲の土砂が崩れて10メートル近く、地上に露出した状態となり、管の継ぎ目の部分で下側の3分の2が断裂し、水が噴き出していました。
このため、鋼管を巻きつけて溶接するなど夜を徹して復旧作業を行い、水漏れを止めたというとです。網走市の水谷洋一市長は12日朝、記者会見し「多くの市民に苦労と迷惑をかけ、おわび申し上げます」と陳謝しました。
網走市では、3年前の平成22年2月にも、同じ導水管が今回より14キロ上流で破損し、およそ1万6000世帯が断水しています。このため、網走市では専門家による委員会を設けて、導水管が破損した原因を調査するとともに、雪どけを待って、すべての導水管の点検を行うことにしています。
材料工学が専門で、水道管の強度などを研究し、3年前に同じ導水管が破損した際に調査を行った北見工業大学の小林道明教授は、事故の原因について「経年劣化によって水が漏れ出ていて、管の下側の土台を掘り崩していた。そのため、管の上側の盛り土の重さで管が下側にたわんでできた小さな亀裂が一気に破断して、あふれ出た水により盛り土が流されたのではないか」と話しています。
また、小林教授は同じ導水管で再び破損が起きたことについては「この導水管が3年前と今回、事故を起こしたということは、メカニズムについては同じだったと予想される。こちらの導水管は、いろいろな場所が溶接不良を起こしているように見えた。ほかの部分に亀裂が入ることはおかしくないと思う。この問題が解決されないかぎり、同じようなことは、また起きるのではないか」と指摘しました。
02月12日 17時40分