グラミー賞:3冠のゴティエさん16年前に津で交換留学生
毎日新聞 2013年02月12日 22時19分(最終更新 02月12日 23時22分)
米音楽界最高の栄誉、グラミー賞で10日(日本時間11日)、最優秀レコード賞など3冠に輝いたシンガー・ソングライターのゴティエさんは97年、私立高田高校(津市)にオーストラリア・メルボルンからの交換留学生として来日した。「ウォーリーは即興で曲を作り、それをピアノで弾いてくれた。才能がある人だとは思っていたけれど、本当にすごい」。本名のウォルター・ド・バッカーから「ウォーリー」の愛称で親しまれたスターの当時の様子を、ホストファミリーの大西暁子さん(61)=津市藤方=は懐かしそうに振り返った。【大野友嘉子】
ゴティエさんは、大西さんの長男で当時高校1年だった陸登さん(31)と、交換留学した。滞在期間は約3週間。整った顔立ちから女子生徒に人気だったが、照れ屋だったという。流ちょうな日本語を話し、納豆やみそ汁を食べ、京都や奈良も訪れたことがある知日家だ。三重では、伊賀市の忍者屋敷を気に入っていたという。
ゴティエさんの印象を「頭が良くて、気さくでちゃめっ気がある」と大西さんは振り返る。陸登さんたちとカメラにほほ笑むゴティエさんの写真の入ったアルバムを広げ「当時は音楽の道に進むか、数学や物理を勉強するかで迷っていると言っていました。どちらを選んでも成功したのだろうけど……」と目を細めた。
ゴティエさんの活躍を知ったのは昨夏、レコード会社員からCDをもらった時。「ウォーリーが頼んで届けてくれた。CDはもったいなくて聴けないから、MDに録音して聴いています」。ジャケットの内側にサインペンで「大西さん! お久しぶり I hope you enjoy Wally(ウォーリー)」と書かれた宝物だ。「グラミー賞でも十分すごいけれど、ウォーリーのことだからもっと活躍するでしょうね」とエールを送った。