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事件
【PCなりすまし 翻弄された警察】(中)補足1カ月、直接証拠捜す 「まだ、逮捕はできない」
2013.2.13 00:08
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今年1月18日午後5時過ぎ、東京・秋葉原のインターネットカフェに、片山祐輔容疑者(30)の姿があった。
産経新聞記者らに最後のメールを送りつけてから、まだ2週間もたっていなかったが、片山容疑者が入店した数分後、遠隔操作ウイルス事件を捜査する警視庁と大阪府警、神奈川、三重両県警の合同捜査本部の刑事が、店を訪れた。
「片山(容疑者)が使用したパソコン(PC)を押収したい。もしかしたら、いまも店に来ていますか」
刑事は店員に、こう述べた。エレベーターの前に立つ片山容疑者は、受付にいる男が刑事だとは気付く様子もなく、刑事も片山容疑者をちらっと見ただけで、視線をそらした。「まだ、逮捕はできない」。刑事は、そうつぶやいたという。予想外の“ニアミス”は、捜査の照準が既に片山容疑者にロックオンされていた事実を物語っていた。
片山容疑者は、このネットカフェの会員で、逮捕されるまで7回にわたって店を利用していた。2回目の利用は昨年7月29日。大阪市や首相官邸のホームページ(HP)に対し、アニメ演出家のPCを遠隔操作して無差別大量殺人を予告するメールを送りつけた、まさに犯行当日だった。
「東京近郊の30歳」
「ぼくが中学校生活の中で一番思い出に残ったのは夏に行われた遊泳です」
有名私立中学校の卒業文集に、こんな月並みな感想をつづっていた片山容疑者。元同級生は「ごく普通の人。まさかこんな事件を起こすとは思いもよらなかった」と驚きを隠さない。
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