PC遠隔操作事件・片山容疑者の逮捕で“のまネコ騒動”蒸し返しにエイベックスが戦々恐々

 急転直下の逮捕劇となった。パソコン遠隔操作事件で、東京都江東区在住の会社員・片山祐輔容疑者が警視庁合同捜査本部に威力業務妨害容疑で逮捕された。

 ウイルスに感染したパソコンなどが遠隔操作され、無差別殺人などの犯行予告が書き込まれた一連の事件では、4人の男性が誤認逮捕された。

 その後、真犯人とみられる人物は報道機関などに、警察や検察を挑発するかのような犯行声明メールを送信。メンツを潰された当局は総力を挙げて捜査を行い、先月5日に神奈川県・江の島の猫の首輪から遠隔操作ウイルスのプログラムなどが入った記憶媒体のマイクロSDカードを発見。猫のいた場所の近くにある防犯カメラの映像を解析したところ、片山容疑者の関与が浮上した。

 当局の取り調べに片山容疑者は否認しているというが、警視庁担当記者は「完全に詰んでいる。これから過去の余罪なども次々暴露されることになる」と断言する。

 すでにインターネットの接続記録などから、片山容疑者が去年8月、名古屋市にある会社の社員のパソコンを遠隔操作し、インターネットの掲示板に都内で開かれる漫画のイベントでの殺人予告を書き込んだ疑いも浮上している。

 また、2005年にネット掲示板「2ちゃんねる」に大手レコード会社社長らの殺害予告を書き込んだとして、脅迫容疑などで逮捕されていたことも判明。その社長とは、エイベックスの松浦勝人氏で、当時話題となった“のまネコ騒動”が原因とされる。

 これは、エイベックスがリリースした“空耳ソング”「恋のマイアヒ」に登場する「のまネコ」なるキャラクターが、アスキーアートで描かれた2ちゃんねるの象徴的キャラクター「モナー」に酷似していたことから、2ちゃん住民が「パクリだ!」と激怒。のまネコの商標登録を強行しようとするエイベックスに対し、抗議電話や不買運動を呼び掛ける騒動に発展した。

 捜査関係者は「ついには松浦社長以下、幹部の殺害予告にまで発展して逮捕者が出たが、それが片山容疑者だった。彼は猫に対する執着と、学生時代にいじめを受けていた過去もあり、“強い者が弱い者をいじめる構図”に異常な反応を見せていた。片山容疑者にとっては強者=エイベックス、弱者=2ちゃんねるという構図で、弱者に加勢したつもりなのだろう」と話す。

 とんだとばっちりを受けたのはエイベックスだ。

 当時の騒動を対応したベテラン社員は「このタイミングで“のまネコ騒動”が蒸し返されるのだけは勘弁。あの時は抗議電話が鳴り止まず、仕事にならなかった。すでにマスコミ数社から今回の件に関する取材の問い合わせが来ている。そっとしておいてほしい……」と泣きを入れる。

 2ちゃんユーザーの中には同社に批判的な者も多く、一部では片山容疑者を「あのエイベックスに自爆テロを行った英雄」と祭り上げる動きもある。

「片山容疑者は動機について『過去の逮捕で人生を狂わされた』という主旨の発言もしている。“のまネコ騒動”で被害届を出したのはエイベックス。今後、同容疑者の擁護派から同社に対して言いがかりのようなクレームが殺到する可能性もある」(週刊誌デスク)

 まさかの“流れ弾”に、エイベックスも頭を抱えるしかないようだ。

※画像は『DISCO-ZONE~恋のマイアヒ~』エイベックス・トラックス

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