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最終更新:2013年2月11日(月) 20時12分

PC遠隔操作事件、「ネコに愛着」 片山容疑者とは?

PC遠隔操作事件、「ネコに愛着」 片山容疑者とは?

 ついに容疑者逮捕。急展開を迎えたパソコンの遠隔操作事件です。難航していたかに見えた捜査が動き出したきっかけは男が強い愛着を示す「ネコ」でした。

 威力業務妨害の疑いで、10日に逮捕された片山祐輔容疑者(30)。去年8月、愛知県内の会社にあるパソコンを遠隔操作して、インターネット掲示板「2ちゃんねる」にマンガに関するイベントの殺人予告を書き込んだ疑いが持たれています。

 片山容疑者は、おととしから去年にかけ、東京・港h$N2q2=%=%U%H$N!V#T#O#R!W$r;H$C$?7A@W$,$"$C$?$H$$$&$3$H$G$9!#

 このほかにも複数回の形跡があり、警視庁などは一連の書き込みの大半が、この会社のパソコンから行われた可能性があるとみています。

 「パソコン、自分で組み立てたりとか、そういうことが無性に(好きで)満足していた」(現在の勤務先の社長)

 「すごい頭良かった。学校の勉強はできた。(今回の事件について)驚きもなく」(小学校時代の同級生)

 東京で学生時代を過ごした片山容疑者。大学を中退後、コンピューター技術を学ぶ専門学校に通っていました。しかし、そのころ・・・

 東京のレコード会社が宣伝に使ったキャラクター「のまネコ」がネット掲示板で使われる猫に似ていたことから、「使用を即時中止しろ。さもなくば社員を殺害する」と書き込みをしたなどとして逮捕され、実刑判決を受けました。

 裁判ウォッチャーでタレントの阿曽山大噴火さんは当時、法廷を傍聴していました。

 「弁護人からの質問なんですけども、『中学時代のいじめは事実ですか?』って聞かれたら、ここには『はい、暴力です』と。『のこぎりで頭を切られたりしました』というくだりが、被告人質問で出てきたいじめのところです」(阿曽山大噴火さん)

 この時の事件の動機については、法廷で、こう話したということです。
 「人の反応を得ることがしたかったというのが理由です」

 今回の事件で江の島の猫の首につけられた記録媒体には「以前、事件に巻き込まれたせいで、無実にもかかわらず人生の大幅な軌道修正をさせられた」との記述がありました。8年前の事件を指しているのでしょうか。

 猫カフェの常連で、逮捕の前日も猫と戯れていたという片山容疑者。今回の逮捕につながったきっかけも、「猫」でした。匿名化ソフトを使って海外のサーバーを経由するなどの巧妙な手口から、捜査はこれまで、難航してきました。

 しかし、年明けに届いた4通目のメールを読み解くと、江の島の猫に記録媒体を取り付けたことが示されていました。真犯人がサイバー空間から現実社会に現れた瞬間でした。

 警視庁は付近の防犯カメラの解析などから、猫に首輪を取り付ける不審な男の姿を確認。当日、江の島からバイクで東京に向かった片山容疑者が捜査線上に浮上したのです。

 「こちらのインターネットカフェに先月、捜査員が訪れ、片山容疑者の利用したパソコン2台を押収していったということです」(記者)

 「押収するために警察の方が来て、その5分前に、この方(片山容疑者)が入店していた。『捕まえないんですか?』と聞いても、『泳がしている段階なので』っていうことで」(ネットカフェの店長)

 そして、10日・・・
 「午前8時35分です。男が今、警視庁の捜査員らに連れられて出てきました」(記者)

 なぜ、捕まるかもしれないという危険を冒し、現実の社会に出てきたのでしょうか。

 専門家は、こう分析します。

 「猫好きということで、猫を巻き込んだうえのシナリオを展開しようとしたのが落とし穴になった。自分の力を過信したために墓穴を掘った」(東工大[犯罪精神病理学] 影山任佐 名誉教授)

 「新しいゲームのご案内ですよ」(元日にTBSに送られたメール)

 「誤認逮捕」という失敗をした警察をあざ笑い、挑発する内容のメールを送りつけてきた「鬼殺銃蔵」。その正体は片山容疑者なのでしょうか。これまでの調べに、片山容疑者は容疑を否認しているということです。

 「物証というものが相当大事。サイバー世界の物証が大事」(元裁判官 山室 惠 弁護士)

 「誤認逮捕」をされた大阪の男性は「否認しているのであれば慎重に調べて下さい。同じ過ちを繰り返さないでください」とコメントしています。(11日19:20)

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