殺人:19歳男性死亡 おばの元交際相手捜査 長野・飯田
毎日新聞 2013年02月10日 22時23分(最終更新 02月10日 23時44分)
長野県飯田市毛賀の住宅でこの家に住む鹿島田(かしまだ)淳さん(19)が血を流して死んでいるのが9日見つかり、県警は10日、殺人事件として飯田署に捜査本部を設置した。同居している鹿島田さんの30代のおばが、元交際相手の男からストーカー行為を受けていると同署に相談しており、県警はこの男が事情を知っている可能性があるとみて捜している。
県警によると、鹿島田さんはおばとその子供と3人暮らし。鹿島田さんは1階台所で倒れていた。頭に刺されたような傷が複数あり、遺体に掛け布団が掛けられていた。
9日午後3時ごろ、おばから「元交際相手に子供と一緒に車で連れ回されている」と110番があり、間もなく飯田市内のコンビニエンスストア駐車場で、男から逃げてきたおばと子供を署員が保護した。おばは顔などに殴られたような痕があった。手当てを受け、同日午後6時45分ごろ署員とおばが自宅に戻ったところ、鹿島田さんが殺されていたという。
おばは5日午前4時ごろにも「元交際相手から『自宅に火を付ける』などと脅迫されている」と警察に相談。同署はストーカー規制法に基づき男に電話で警告し、おばの自宅などに署員を張り込ませて警戒に当たった。しかし、おばは鹿島田さんらとともに自宅から避難していたことなどから、約2時間半後に警戒を解除したという。
事件前におばがストーカー被害を同署に相談していたことについて、春日利巳署長は「届け出を受けた当時、警察として取り得る限りの対応を適正に行ったと考えている。事件の全容が分かればさらに検証したい」と話した。【石川宏、巽賢司、福富智】