PC遠隔操作:片山容疑者 犯罪予告13件に関与か
毎日新聞 2013年02月11日 02時30分
「真犯人」を名乗る人物が1月1日に報道関係者らに送信したメールのリンク先には、東京、埼玉、山梨の3都県にまたがる雲取山山頂付近に記憶媒体を埋めたとの記述があったが、片山容疑者が実際に昨年11月下旬、同山に車で向かっていたことも確認されている。【小泉大士、喜浦遊、松本惇】
◇派遣先のパソコン使い操作か
愛知県内の会社のパソコン(PC)が遠隔操作された事件で、片山祐輔容疑者(30)が技術者として派遣されていた東京都港区のIT関連会社のPCを使って遠隔操作した疑いの強いことが捜査関係者への取材でわかった。事件に関連するインターネットサイトに同社のPCからアクセスした痕跡があったほか、遠隔操作が行われた時間帯は片山容疑者の勤務中だったことも判明した。警視庁などの合同捜査本部は、同社のPCを押収し、サイトへの接続履歴を解析している。
片山容疑者は、08年2月から品川区のIT関連会社に勤務。同社によると、昨年春から秋ごろにかけて、港区の会社に派遣されていた。愛知県内の会社のPCから「コミケで大量殺人する」との書き込みが行われたのは昨年8月9日で、片山容疑者が港区の会社に派遣されていた時期と重なる。捜査関係者によると、遠隔操作が行われたとみられる同日午前10時40分ごろの時間帯も片山容疑者は同社で勤務中だった。
また、事件に利用されたとみられるサイトへの接続記録を合同捜査本部が分析したところ、同社のPCからアクセスした痕跡が見つかった。こうした状況から、合同捜査本部は、片山容疑者が同社のPCを遠隔操作に使った可能性が高いとみて調べている。
一方、片山容疑者が神奈川県・江の島で猫の首輪に付けたとされる記憶媒体に保存されていたソースコード(ウイルスの設計図)と、愛知県内の会社のPCから発見されたウイルスのバージョンが一致していることもわかった。