2012年03月13日
【人】人を動かす言葉と気持ち――中田英寿と宮本恒靖。
スポーツを観戦している時、僕は必ずしもプレーばかりを目に追っていない。 ふと、勝負の行方ではなくて、人間を観ているんじゃないか、と思う時がある。 昨シーズンをもって、元日本代表の宮本恒靖が引退した。 所属先のヴィッセル神戸からは、契約の延長を打診されたみたいだが、本人は潔く引退を決意した。 経験が重要視されるディフェンダーなら、まだ、現役でもやれると思っていたが、彼自身、きちんと決めているみたいで、その顔はとてもすっきりしているように見えた。 記者から次の道は? と聞かれると、宮本はFIFAマスターという単語を口にした。 FIFAマスターとは「スポーツに関する組織論、歴史・哲学、法律についての国際修士」と言うことで、一般的にサッカーの大学院と言われている。 なるほど、彼らしい、と感心してしまった。 ヨーロッパでの指導者のライセンスも取得したいと言っていたので、将来的にサッカーのプロコーチ、そして、クラブ経営、さらには協会に関わる人間になるのかもしれない。 そんな彼が『サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』に自身が一緒にプレーした選手のベストイレブンを選んでいた。 FW アラウージョ、二川孝広、大久保嘉人、MF 中村俊輔、遠藤保仁、福西崇史、DF 中田浩二、宮本恒靖、中澤佑二、橋本英郎。 その中に、ある人物の名前が無かった。 ああ、やっぱりな、と思った。 現時点で引退した日本人選手の中で、一番の実力とキャリアを誇る人物でも、宮本は一緒にプレーしたいとは思わなかったんだ。 その人物の名は、中田英寿。 言わずと知れた、日本サッカー史において一時代を築いたプレイヤーだ。 そして、宮本恒靖とは同い年で、アンダーの世代から日本代表を背負ってきた仲間のはずだった。 もう、記憶も薄れ掛けている2006年のドイツワールドカップ。 グループリーグ敗退のあと、中田英寿は突然の現役引退を表明した。 その引退特別番組の中で敗因について語っていて、宮本や三都主を半ば名指しで指摘していた。 当時、僕もテレビで観ていて、なるほど、そうだったんだ、と感心する点もあったが、この時期にこういう発言を公にする必要があったのかな、とも思った。 言うにしても、相手の立場や伝える場所をもっと考えた方が良いのではないか、と。 そして、中田英寿は旅立ち――今なお、それは続いている。 確かに引退時は英雄扱いだったものの、目的地の見えない旅は次第に進路を曲げていく。 マスコミに登場する時も、代表復帰ネタ、海外の有名女優とのスキャンダルネタ、セレブネタ、それらがスポーツ紙の紙面を賑わすと、大抵、数日後に新しい本や新しいCMが発表された。 かつての中田のファンは、過去のヒデメールでマスコミとの確執を知っていて、引退したのにまだ追っかけ回すのかよ、とマスコミ批判をしている人もいたが、あまりのタイミングの良さに『サニーサイドアップの仕事術』や『NAKATAビジネス』に書いてあったPR戦略ではないかと疑う人もいた。 他にもホワイトバンドの活動についての批判や、TAKE ACTIONの興行がチャリティマッチでは無いのでないかとの批判、朝青龍のサッカー疑惑など、どこかすっきり応援できない方向に向かっていく。 僕も現役時代のヒデについては、毎週CXのセリエA中継を楽しみに観ていた。(今と比較するなら、ドルトムントの香川やインテルの長友を楽しみにしている感覚) しかし、現役時から、彼の言動はどこか鼻についてもいた。 過去にナンバーのウェブに掲載されたコラムにこんなのがあった。 コンフェデ杯のブラジル戦後、攻守の切り替えについて中田英寿にどうしても聞きたいことがあり、取材エリアで声をかけた。 「中田さん、お伺いしたいことがあります、よろしいですか」というのがその時の私の言葉だ。彼は30cm前にいる私に一瞥もくれずに歩き去った。気がつかないのかと思い、軽く肩を叩いてみたが、同じだった。そうこうしているうちに彼は、外国のメディア関係者に自分から笑顔で歩み寄り、長いインタビューに丁寧に応えた。 結局、彼は外国のメディア2社のインタビューに応えたが、私の他にも声をかけた日本人記者を無視し続け取材エリアを出ていった。 疲れているなら、「今日は疲れているので勘弁してください」と言ってくれればいい。また、取材を受けたくないなら、「取材は受けられません」と言ってくれればいい。当方もしつこく食い下がるような野暮な真似はせず、「お疲れさまでした」といって引き下がる。しかし彼は何の反応もせず、ただ無視し続けた。 一方で、外国人プレスには自分から笑顔で歩み寄って行った。 「日本人プレスは相手にしない」という中田の無言のメッセージなのだろうが、スター選手であるとか、プロスポーツマンであるとかいうレベル以前に人として失礼なことだと感じた。 (後略) 『Number Web掲載』 文=永井洋一 上記は日本のマスコミへの対応で、下記は日本のファンへの対応だ。 ドイツの日本料理屋『かみじょう』の店主の発言。 (前略) 上條は前園に訊いた。 「前園くんさあ、マスコミが報道する中田くんと、今の中田くんはどっちが本当なのよ」 実はこの日、上條は不思議な光景を目にしていた。 日本代表の大ファンで、今大会も日本戦を3試合とも観たという日本人の年配の夫婦がカウンターに座っていた。彼らは店に入ってきた中田一行に気がづき、「握手してください」と呼びかけた。 しかし、中田英寿は何も見えてないかのように無視をした。 上條はこれまでに中村や遠藤が快くサインに応じている姿を見ているだけに、驚かされた。あの冷たい彼と、自分の知っている明るい彼は、どっちが本当なのか? (後略) 『敗因と』 著=金子達仁 他 もちろん、こんな情報だけで一方的に中田英寿を批判するわけにはいかない。 中田側の立場や、過去のマスコミとの確執、ドイツ大会に何があったのかは『中田英寿 誇り』著=小松成美にまとめられてるので、是非、読んで欲しい。 単純にサッカービジネスの裏側を知れたり、かつてのヒデの活躍を思い出すことが出来る、なかなか面白い本。 しかし、こういう中田の一面が明るみになる中で、TAKE ACTIONのようなマスコミや一般客を巻き込むイベントが、ずっと盛り上がって続けられるのかが疑問だった。 人は自分にされたことを忘れない。 中でも、無視は、人を一番傷付け、悲しませる。 過去に邪険に扱われたマスコミが積極的に扱うだろうか? 無視されたファンがお金を払ってまで引退選手の試合を観るだろうか? 厳しい言葉を浴びせられた後輩の選手たちが、この先、イベントに参加するだろうか? まだ、現役の選手ならば、勝利に導くプレーで人を惹きつけることができるかもしれない。 日本を代表する選手ならば、一発のゴールで、一瞬にして批判を賞賛に変えることが出来るかもしれない。 でも、今の彼は――ただの旅人だ。 引退後のヒデメールなんて、悪いけど、読んでて何の面白みも感じられなかった。 そんなヒデに対して、宮本は母校の講演でこんなことを話していた。 ドイツW杯での苦労話では中田英寿氏との確執?の真相を披露。 「ヒデは言葉遣いが悪いから、イラっとすることもあるんです」 と話し、熱心に耳を傾けていた後輩から「オオーッ」という声が漏れた。 『スポニチ』 2006/12/14記事 現役中、きっと、いろんな選手をイラッとさせていたんだろう。 そんな宮本が、日本代表で一番の仕事をしたのは、2004年に中国で行われたAFCアジアカップ準々決勝、ヨルダン戦だ。 同点で迎えたPK戦。 ピッチの状態が悪く、日本は中村俊輔と三都主がPKを失敗してしまった。追い詰められる日本。 動画はこちら。 その時、キャプテンの宮本がレフェリーに向かって進言したのだ。 「Referee, this is not fair ! You must change the side. You can ask a commissioner. You should think about it.」 (レフェリー、これではフェアじゃない、サイドを変えないと。コミッショナーに言ってみてはどうだ) 『宮本恒靖というマネージメント』 サッカーの言葉オオウチコム 宮本の素晴らしい判断だったが、実は当時の監督、ジーコは宮本の行為に怒っていたらしい。 平田さん「せっかくの機会なので、以前から気になっていたことをお聞きしたいなと(笑)。 中国が開催国となった2004年のアジアカップの際、ヨルダン戦が1-1でPKになった時、審判に向かっていったでしょう? あれは何と言っていたのですか?」 宮本さん「あの時は日本が先行だったのですが、(中村)俊輔が外して、アレックス(アレサンドロ三都主)も外して……ところが遠くから見ても、向こうの右足の選手が蹴るピッチはOKで、こっちの左足で蹴るビッチは悪くて。明らかにピッチが動くのがわかったんですよ。 あの時は優勝しか考えてなかったこともあり、日本で一番PKの上手い左利きの2人がアンフェアな状況のためにPKを外すのが許せなかった。 それであの時点で審判に「今ならあなたの判断で逆サイドに変えられるはずだ」と言って。そうすればピッチの状況が良くなるという保証はなかったのですが。2人目の選手が蹴る前に時間を取ることで、ヨルダン側にプレッシャーをかけたいという気持ちもありました。 審判が僕の意見を取り入れてくれた、と思ったら今度はジーコが「何をしている」と怒り出したので、説明したら「そんなことあり得ないから、今の場所でやり続けろ」と(苦笑)。 審判に「ヨルダンの2人目の選手が蹴っていないから、彼が済んでから場所を移るのが当然だ」と主張したら、「そんなややこしいことを言うならこのままやるぞ」と審判が言って向こうに移したんですよ。」 『平田竹男さん×宮本恒靖選手』 普通に考えて、PK戦の途中でサイドを変えるよりも、変えない方が審判として変な批判に晒されないだろう。 それでも、審判を納得させて、ジャッジを変えさせた。 これが宮本のコミュニケーション能力。 ただ、英語に堪能なだけではなく、実はこんな気配りをしていたことに気づく。 宮本は低迷の要因を審判との関係にもあると分析。「主審に対し『レフェリー』と呼ぶのと『山本さん』と呼ぶのとでは印象も違う」と冷静に言った。 (中略) 「イエローやレッドカードをもらう理由は、まずは位置取りの悪さにある。そして、主審に尊敬の念を抱くことが大事。人間のやることなので、個人的な感情もある。できるだけ審判の名前を覚えて『さん付け』で呼びたい」 『日刊スポーツ』 2011/10/19記事 なるほど。 自分が思ってることを、ただ、ぶつけるだけではダメ。 相手に心に届かなければ、意味は無い。 ――そんなことを教わったような気がした。 その後、二人は南アフリカワールドカップでそれぞれテレビ中継の解説を務めた。 彼らが去った日本代表チームは、一体感を武器に、下馬評を覆してグループリーグを突破した。 かつて、中田英寿が涙を浮かべて寝転がったドルトムントのスタジアムは日本の新しいスターの場となり、注目されていた成田コレクションはMr.MINTIAが担い、イタリアの日本人の顔もインテルのサイドバックに取って変わられた。 そして、今や日本人選手が目標とする舞台は、ヒデが出場していないUEFAチャンピオンズリーグとなっている。 栄光も屈辱も、記憶と共に薄れ、また次のステージが始まる。 宮本恒靖はNHKのサッカー解説の他に、WOWOWサッカー リーガ・エスパニョーラの解説者に決まった。 中田英寿は東日本大震災の一周年に、イギリス『BBCワールドニュース』で生出演したらしい。 どちらも自分のやり方で――何かを伝えようとしている。 今後も、日本サッカーの発展と共に、彼らの活動を追っていきたい。
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posted by idealstamp |11:29 |
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【JFA】人を動かす言葉と気持ち――中田英寿と宮本恒靖。
コメント投稿者ID : ELG00034466
細川管理人様、こんばんは。初めて書き込みさせていただきます。
中田英寿選手の引退後の特別番組は、僕も見ていました。当時、僕は世間知らずの学生だったので、中田選手が他の選手を批判するコメントをした際、「よく言ってくれた」なんて思っていました。
ですが、社会人になり、もし中田選手のような人が先輩や上司だったらと考えるようになった時、「どうなのかな」と感じるようになりました。今では、ドイツW杯のチーム崩壊は、彼にも大きな責任があったと思っています。もちろん、中田選手の言動及び彼とチームメイトとの軋轢を放置した、ジーコ監督のリーダーシップの欠如は言うまでもないことですが。
僕はかつても今も、中田英寿選手のファンです。なので、あのような結末は本当に残念でした。
今更な話ですが、僕はドイツW杯が始まる前の一定期間、中田選手を代表から外すべきだったと思います。そうすれば、お互い少しは頭を冷やすことができたのではないかと思うのですが……細川様は、どう思われますか?
posted by ピッチの記憶 | 2012-03-13 19:22
【JFA】人を動かす言葉と気持ち――中田英寿と宮本恒靖。
コメント投稿者ID : OOH00003045
はじめまして。こんばんは。
いまいち分からないのですが、管理人さんは人は聖人君子でなければならないとでも仰りたいのですか?それとも宮本が中田よりコミュニケーション能力に長けていると言いたいのですか?もし後者を指してるのなら、それってただ単に宮本が相手の顔色を必要以上に伺う日本人を地で行っている、日本人ウケがいい謙るコミュニケーション能力に長けているというだけの話なだけで、中田よりコミュニケーション能力が高いということにはならないと思いますが。
あと、中田のやっていることは欧米でよくあるチャリティービジネスで何らおかしいことはないですよ。批判をしてる人はボランティアと混同してるお馬〇な人達。決して、チャリティー→慈善→無報酬ではないです。
posted by 山笠 | 2012-03-13 21:32
【JFA】人を動かす言葉と気持ち――中田英寿と宮本恒靖。
コメント投稿者ID : ELG00037705
はじめまして。
この記事を読んで単にコミュニケーション能力の違いを問うているとしか感じられないのはいささか残念でならない。
まずは、指揮官としてのジーコ監督の責任は重いと思っている。また、当時の時代背景、まだまだ欧州のサッカーが肌で感じられる時代ではなかったということ。先駆者である中田英が、「理解する能力が掛けている、あいつはダメだ」と恒や他のメンバーを批判するのではなく、イタリアの攻撃的サッカーを無知なる人間に対し謙虚さを持って接していたならと、彼には現在も少なからず反省の念は持って頂きたいと感じている。
従って、失敗から学んび、欧州サッカーの知識が溢れている時代の現代表と単純に比較してはならないと思っている。
印象深いオーストラリア戦。W杯後某番組で当時のヒディング監督の「日本は点を取れないと前掛かりになる。そこにロングボールを落としていけば、そのうち点は取れる。中田中村は怖くない。彼らは守備ができないからね」とのコメントは忘れられない。しかし、私は中田英は守備において充分貢献したという認識でいる。
そして、後半投入した小野へのメッセージは「中盤でボールを回して時間稼ぎしろ」とのジーコ監督の言葉も同様である。
中田英のプレーは好きであった。しかし、現在メディアに登場している、柔らかな言葉遣いと物腰は、些か違和感を感じる。
この記事を読み終え、理性を持つ人間という生き物。優しさ、心、人間性。そんな言葉が浮かんできた。
posted by komuたん | 2012-03-14 00:32
【JFA】人を動かす言葉と気持ち――中田英寿と宮本恒靖。
コメント投稿者ID : aritom
管理人さん、何だか懐かしい話題ですね。
中田が平塚にいた頃、まだ十代だった頃、NHKの内山さんが試合後のインタビューした際に何を訊かれてもまともに返事をせず夜のニュースの時になってもまだ内山さんが怒っていた事を思い出しました。
NHKのアナウンサーが放送中に怒りを露わにするなんて余程腹立たしかったのでしょう。
その後10年も経ってドイツで少しは成長した姿を見られるかと思ったら成長どころか、なまじサッカーの実力を身に着けた分悪影響だけが増幅した感がありました。
個人ではなくチーム全体に力を発揮させる人間性まで含めて選手の実力を測れば中田は本当にごく凡庸な選手だったのだろうなと思っています。
もっとも引退後はその事にちゃんと気付いて本当に成長してきたなと思っています。
50歳くらいになったら相当いい感じにこなれた人物になるんじゃないでしょうか。
posted by aritom | 2012-03-14 00:45
【JFA】人を動かす言葉と気持ち――中田英寿と宮本恒靖。
コメント投稿者ID : OOH00037276
今はいざ知らず、現役時代の中田の日本メディアと外国メディアに対する対応の違いには、見ていてこちらが恥ずかしさを感じることが多かったですね。
あと上の山笠さんの意見についてですが、経験上、外国人とのコミュニケーションは日本人とのそれ以上に、語学力を別にして、気配りの必要性を感じることが多々ありますね。実は、ストレートな物言いには、日本人以上に敏感なような気さえします。あと表情が重要ですね。
中田はそれをよく知っているからこそ、外国メディアに対するあの「謙った」態度なのでしょう。
実は、中田は宮本以上に、山笠さんの言う「日本人を地で行っている、日本人ウケがいい謙るコミュニケーション能力」に長けている人物だと思います(笑)
あと私は欧米のチャリティービジネスについての知識はありませんが、欧米ではよくあることだからという理由で、批判をしている人たちを一律に「お馬○」と決め付けていますが、それは単に山笠さんが欧米をあるべき規範として崇めているというだけの話ではないでしょうか。
まるで、かつての中田の国内外でのメディア対応の違いが、そう思わせてしまう部分が多々あったように。
まぁ、私の友人がスペインで中田とお酒を飲み、色々聞きましたが、彼は誤解を受けやすいタイプの人間だとは思いますね。
posted by ビビ | 2012-03-14 05:11
【JFA】人を動かす言葉と気持ち――中田英寿と宮本恒靖。
コメント投稿者ID : ELG00037705
先程コメントしたkomuたんと申します。
恒について、書き忘れた事がありますので、改めて。
ドイツW杯後の某番組での、監督ジーコの小野投入に関して選手達はどう理解していたか。中澤は「攻撃」と、その他の選手、数名のコメントしか取り上げられていなかったが、「中盤で回しとけ、ということだと思ういました」と答えたのは、たった一人であった。そう、宮本恒靖。曖昧でなくはっきりと瞬時にメッセージを理解できる。彼が日本代表として生き抜いてきた所以がそこには存在した。クレイバーという言葉を使い彼の事を表するが、ある意味天才であったのだなぁと。
協会の上層部の人間が、オーストラリア戦での敗因は、少なからず恒率いる消極的なDF陣にあったというニュアンスの発言を、某スポーツジャーナリストとの対談で語っていた。
天才ジーコ、天才中田英。天才には眩いばかりのオーラがあり視界が霞むのか、本質を見抜けない、そういうこともあるのかもしれないと感じた。
中田英の人気は衰えを知らない。堅実に生きてきた人間にも同じ光があたる世であって欲しいことを願う。
英も恒も、彼らの事を見続けてきた私の歴史である。だから、二人の事をこれからも応援する気持ちは変わらない。
posted by komuたん | 2012-03-14 05:24
【JFA】人を動かす言葉と気持ち――中田英寿と宮本恒靖。
コメント投稿者ID : idealstamp
>ピッチの記憶さま。
細川さん、でいいですよ。管理人は要りません。
ドイツワールドカップのことは“たられば”で、今さらどうしようもない気がします。ドイツの惨敗あったから、南アが勝利があったと思いますし。
結構、ジーコが悪かったと言う人が多いので、そういう意味では、今度の最終予選でジーコイラクとの対戦は面白いかもしれませんね。
>山笠さま。
僕は、二人の引退後の道がとても対照的だなと思ったので、この記事を書きました。
聖人君子ならば、つまらなくて書く必要ないと思います。
宮本はアジアカップの時に、自チームの外国人監督に反対されつつも、論理と駆け引きで外国人の審判を説得したので、日本人的ではないような気がします。
あと、宮本は優等生キャラでしたけど、案外、日本人受けするのは、ヒデの王様キャラだった思いますけどね。
実際、人気があったのはヒデの方だしね。
>komuたんさま。
単に二人のコミュニケーション能力の違い、ではなく、今までの、そして、これからの二人の生き方の違いを書こうと思ってました。
たぶん、また続きを書きます。
コメントを読んで、熱い気持ちが伝わってきました。
彼らの事を見続けてきた私の歴史である――のセンテンスがいいですね。
>aritomさま。
ホントに、今さら懐かしい話題を出して来やがってって感じですよね。
でも、僕は少し意地悪なので、今後の中田のポジションって難しいよな、とっくに賞味期限切れの引退選手を、いつまで一段上のセレブ扱いで売るんだろうか、サニーサイドアップはどう戦略を立てているのか、と考えるのが楽しかったりします。
ツネ様はそのまま王道を進むかと思います。
>ビビさま。
ああ、まさしくそのとおりだと思います。
最近、中田の活動がやたらと国内に向いているのは、海外でのセレブ的な知名度が下がってるからでしょうね。
語学が堪能で、有名人とも知り合いで、世界を股に掛けて活動する――が日本に受けるイメージなので。
彼は生涯、旅人らしいですけど、旅人は根を張らないので、本当の意味での力を持つことは出来ないと思います。
その間に、着実に根を張って、将来的に力を持つのは宮本のような人間ではないかと思います。
コメントどうもありがとうございました。
とても勉強になりますね。
posted by 細川 | 2012-03-14 19:09
【JFA】人を動かす言葉と気持ち――中田英寿と宮本恒靖。
コメント投稿者ID : OOH00003045
*komuたんさん
>この記事を読み終え、理性を持つ人間という生き物。優しさ、心、人間性。そんな言葉が浮かんできた
そうなんですか。恐れ入りました。
私は宮本の謙っていることと尊敬することが混同してる、敬意を表してるようで敬意を欠いているよく分からんコミュニケーション論?と中田のコミュニケーションに関連してるようで関連してない批判事例を集めてきて比較してる?比較してない??どっちなのと、よく分からんままに終わった記事だなと読み取ったのですよ。失礼しました。
*ビビさん
人としてダメなことですが、まったくチャリティーに興味がないので崇めているとかはありません。ただチャリティーは無報酬が当たり前とヒステリックに唱える方を揶揄するためにお馬〇という言葉を使っただけでして、思慮が足らなかったと思います。すみません。
>外国メディアに対するあの「謙った」態度なのでしょう
どうなのでしょう?謙った態度で日本メディアにまったく対応しないわけでもないですよね!?それに、彼も普通の人でしょうから、人の側面だけを捉えスター選手であるとかプロスポーツマンであるとかいうレベル以前に人として失礼なこととなんの思慮もなくペンの暴力を振るう聖人君子の記者様の顔を見たくない時もあると思いますけど。と、中田を愚直な人間と予想w
>彼は誤解を受けやすいタイプの人間だとは思いますね。
ですか。でもそうかもしれませんね。だからこそマスコミのいいおもちゃになる。。。
*管理人さん
生き方の違いを書かれたのですか。分かりました。
posted by 山笠 | 2012-03-14 23:40
【JFA】人を動かす言葉と気持ち――中田英寿と宮本恒靖。
コメント投稿者ID : ELG00037705
細川様ご丁寧に返信ありがとうございます。
前回の私が細川さまにコメントした「単にコミュニケーションの能力の違いを問うてるとしか思えないのは云々」
というのは、山笠さんに対してのコメントです。
勘違いされて当然です、、主語を入れるべきでしたね。
丁度3/8にNHK BS1で『W杯の歴史50年』というのを再放送していました。この記事を読んだ後だっただけに、今まさに、という感じでした。(笑
中田英は笑顔で小野投入の理解に関しては「あのメンバーだったら4点も5点もとってもおかしくない実力があった」「DFの交代ではないので、追加点を狙うという理解であった」等、終始余裕の表情でコメントを続け、自分が描いていた、描いてきたストーリを語っていました。
逆に恒は「一点を守り勝ち点一を取るので悪くないと思っていた」と語り中田英に比べ語気は弱く、同時に流れているのは、攻撃陣は前掛かりになりDFが思いっきり引いて守っている映像。ジーコの小野に託したメッセージが「ボールを回して時間を潰せ」だったとは一つも語られてはいなく、責任がすべて恒DF陣にあるかのような印象を受けてもおかしくない編集でした。
このままでは、3大会W杯出場してきた中田英の言葉が、すべて”正論”とされてしまい、「真実」であるかの如く歴史となって残っていく。
中田英は、メディアに対して、自分がどうアピールすれば有益か、それを年々心得てきているように感じます。これはビビさんのおっしゃってる事に通じますね。
メディアには、真実を伝えて欲しいと願っています。
それでは細川さま、「つづき」が読める日を心待ちにしております。
posted by komuたん | 2012-03-18 04:19
【人】人を動かす言葉と気持ち――中田英寿と宮本恒靖。
コメント投稿者ID : OOH00038045
はじめまして、よく勘違いされてる方がいるので言わせてもらうと中田という人間の本質は海外でも日本でも同じですよ。自分のことにしか興味が無い人です。代表で浮いてたんではなくてどこでも浮いてたんですよ。愛想をふりまくのは利用出来そうなスーパースターだけです。海外でも同じことを指摘しフロントからたびたび注意を受けています。
ソース置いておきます
ゼッタ・デロ・スポルトはナカタの私生活面にメスを入れた。
「中田はジャーナリストから逃げ、お城に引きこもり、
練習場でも浮いている。パルマで食事をすることはなく、
ミラノの高級すし店で食べている。チームの仲間と遊ぶこともなく1人で深夜までチャットざんまい。
パルマでは幽霊だ。
インターネットばかりしている」地元サポーターに反感を買う内容だった。
記者への対応にも批判は向けられた。日本人記者に、
イタリア語でしか質問を受け付けないことをはじめ、
「所属事務所はテレビのインタビューに2万5000ユーロ(約280万円)
を要求する。新聞は少し安く1万5000ユーロ(約170万円)だ」と書き立てた。
同紙は、中村俊輔の人気を引き合いに出し、
「一瞬にしてすべてを失うかもしれない。ジーコ(日本代表監督)
も中田をキーマンにはしていない」と結んだ。
中田1人部屋
中田が3チーム連続の1人部屋を確保だ。パルマは現在、モルジェックス市内のホテルで共同生活を続けているが、
中田は1人部屋の特権を手に入れている。
選手の部屋割りは基本的には2人1組。主将のF・カンナバーロはベナリーボ、ディバイオはP・カンナバーロ、ミロシェビッチはトリージ、
フレイはタフェレルとそれぞれ共同生活を送っている。しかし中田だけは別格。ASローマ時代も1人部屋で、こ
の優遇措置にチームメートのモンテッラらはしきりに首をかしげていたが、パルマでは今のところクレームは出ていないという。
契約書に1人部屋の条項が盛り込まれているとか、夜中にパソコンでメールを送信するため、ルームメートの迷惑になるとか、
いろいろなうわさが流れているが、中田がVIP待遇を受けているのは確かだ。
練習試合も控え
【パルマ(イタリア)16日=三宅篤】16日午後3時(日本時間同日午後11時)、サッキTDが視察する中、カルミニャーニ監督はピッチ中央に選手を集め、ゲキを飛ばした。
インテル戦が控えている。しかし、練習場に現れた中田は、その輪の中に入らず、数分後隣のピッチで寂しくボールを蹴り始めた。
15日の練習では5選手を横一線に並べる守備練習をしたが、ボランチに入ったのは、13日のレッチェ戦を背中痛で外れたアルメイダ。中田はその守備陣に攻撃を仕掛けるという“練習台”だった。
中田はまだボラーニョ、ボゴシアン、そしてアルメイダに次ぐ“第4ボランチ”。これで17日の練習試合でもスタメン組から外れるのは確実となった。
■ ラモス瑠偉・呂比須ワグナー・高橋陽一・小室哲哉の提言「日本代表に中田は必要ですか?」
呂比須
「平塚の頃から中田一人だけ違うことをやってて毎日ケンカばかりだった。これじゃ練習した意味がないよねって。
いろいろ教えてあげたいことがあったが自分も父親じゃないからここまでは言うけどこれ以上は言わないみたいな関係になった。」
アジアカップで優勝して、W杯一次予選を突破した、
このいい流れを大事にする意味でも、今後の予選でヒデを使うのは
ちょっと考えなければならないでしょう。
若いときにベルマーレ平塚で約2年間一緒にプレーしましたが、
ケンカばかりしていました(笑)。当時はチームの約束を守らないで、
自分のやりたいことだけをやる選手でしたから・・・。
何のためにみんな練習しているのかわからないでしょう。
イタリアに行って苦労して、活躍して、変わったと思いますが、
味方の気持ちも理解してくれないと、いいチームは作れない。
もっとコミュニケーションをとって、自分のやりたいことだけではなく
チームの約束事を守らないとチームにならない。
チームの中で自分の考え方、アイデアをしっかり伝えた上で、
プライドを捨てて、他の選手と同じレベルで一緒に頑張っていかないと、
監督もなかなか使いにくいと思うんです。ジーコもそう思っているはず。
ヒデとは代表でも一緒にやって、いろいろなことをもっと教えたかった。
でも、私もヒデのお父さんじゃないしね(笑)。ここまでは言うけど、
それ以上はもう言わないという感じになってしまった。
今の日本代表の場合、ヒデはリーダーとしてコミュニケーションを
しっかり取って周りの選手とコンビネーションを向上させていくか、
そうでなければ、使われないかどちらかでしょう。
監督のコンセプトを尊敬するか。もっとヒデとジーコの話し合いが
必要です。ブラジル代表のロマーリオと一緒。代表の中では特別扱い
しなければならないけれど、結果は出す。それを許すか許さないか・・・
日本のサッカーがブラジルと同じようなレベルに達しているか・・・に
ついては何とも言えないけれど、やっぱりチーム全体のことを
もっともっと大事にしていかないといけないと思う。
posted by a | 2012-04-10 17:21
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