ウチの奥さんのことを僕は佳子(よしこ)ちゃんと呼んでるんですけど、結婚して13年になります。知り合ったのは、俳優を始めてからで、僕のことは全然知らんかった。
仕事で東京に来ているときに、たまたま1日休みになった。ホテルにおって、冷蔵庫のビールを飲んでたんやけど、それにしても暇やなと。そのとき、友達のタナカさんが出張で東京に来てることを思い出して、呼び出したんです。そんときタナカさんに一緒についてきたのが佳子ちゃんやった。
2人がホテルに来たときには、僕はもうベロンベロンに酔っ払って寝とって、ピンポン鳴らされても全く気がつかへんかった。2人はフロントに言って開けてもらったらしいんやけど、佳子ちゃんにしてみれば、そんな人、信じられなかったみたいです。
しかも、出てきた僕は、髪はぐしゃぐしゃ、浴衣はベローン、パンツ丸出し。ビールの空き瓶がそこら中に転がってる始末。でも、佳子ちゃんは、それを見て、どうも「かっこいい」って思ったらしいですわ(笑)。
それから、ずっと彼女に支えてもらっています。子供が3人おるんで、彼女は毎日忙しい人やけど、僕の本読みの相手もしてくれるし、いろいろアドバイスもしてくれる。取材や番組の衣装を考えてくれるのも佳子ちゃん。彼女がいてるから仕事ができます。
佳子ちゃんは、僕の出てる作品は全部見てます。その佳子ちゃんが、僕が主演した25日公開の映画「ありがとう」を見て、「役者として、いい歳のとり方をしてきたね。間違いなく、これはあんたの代表作や」と言ってくれました。
誰に言われるよりうれしかったですね。(つづく)
ZAKZAK 2006/11/22