ネット殺人予告:PC遠隔操作、容疑者逮捕 05年にも殺害予告 「慎重に捜査を」(その1)

毎日新聞 2013年02月11日 東京朝刊

 ◇もの静か、目立たず 元同級生ら「印象ない」

 クラスでは目立たない「秀才」、仕事仲間とは仲良く穏便に。パソコンの遠隔操作事件で逮捕された片山祐輔容疑者(30)は、周囲にそんな印象を抱かれていた。一方、8年前にインターネットを利用した殺害予告事件で逮捕、有罪判決も受けている。誤認逮捕を誘った「真犯人」に振り回されてきた警察には、今後、慎重な裏付け捜査が必要となる。ネット時代の「劇場型犯罪」はどこまで解明されるのか。

 片山容疑者は東京都江東区のマンションで母親と2人暮らし。マンション住民の一人は「あいさつをすると会釈を返してくれたし、エレベーターで一緒になると『何階ですか』と尋ねてくれた。でも近年は下を向く姿ばかり見るようになり、ひっそりと暮らしているようだった」と話す。

 近所の人によると、幼い頃は「秀才」とうわさされたという。都内の私立中高に通ったが、同級生らは「あまり印象がない」と口をそろえる。同級生の一人は「いじめられっ子のイメージだった。物をとられたり、隠されたりといういじめがあった」と話す。高校卒業後に都内の私立大に進んだが、4年目の05年春に中退した。

 その後、コンピューター関連専門学校に入学。仙台市の小学生女児の殺害予告や、猫のキャラクター「のまネコ」の使用を巡り著名レコード会社の社員殺害予告をインターネット掲示板に書き込んだとして、同年10〜12月に警視庁と宮城県警に逮捕された。

 「自分の書き込みが盛り上がるのが楽しみでやった。もっと騒げばいいと思っていた」。当時の調べに動機をそう語り、「自宅でインターネットゲームをしている時しか、生きがいを感じられない」とも供述したという。脅迫罪に問われ、06年3月、懲役1年6月の判決を受け、確定した。

 その後、08年2月に品川区のIT関連会社に中途採用された。昨年11月、「スランプで、うつ病になった。仕事ができない」と申し出て12月1日から休職扱いに。今月8日に上司と話し合い、12日から復帰する予定だったという。

 趣味はパソコンの製作で、入社後に経済産業省認定の「応用情報技術者」試験に合格した。同社幹部は「(遠隔操作の技術は)会社の業務とは関係ない。私的に身につけたものだろう。同僚と仲が良く、こんな事件を起こす人とは思わなかった」と困惑した様子で話した。【黒田阿紗子、中川聡子、池田知広】

 ◇秋葉原、猫カフェ常連

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