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「奇跡の一本松」元の場所に戻す作業
2月12日 12時7分

東日本大震災の津波に流されずに残り、モニュメントとして保存するためいったん切り倒された岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」を、元の場所に戻す作業が、12日から本格的に始まりました。

陸前高田市の奇跡の一本松は、7万本の松が立ち並んでいた「高田松原」で津波に耐えて唯一残りましたが、その後、枯れていることが分かり、モニュメントとして保存するため去年9月に切り倒されました。
復元に向け、県外の工場で芯をくりぬきカーボン製の棒を通すなどの保存処理が行われていましたが、12日から、処理が終わった幹を元の場所に戻す作業が本格的に始まりました。
12日は、午前9時半から高さ4.5メートルほどある幹の根元部分の設置作業が始まり、幹をクレーン車でつり上げたあと、コンクリートの土台に慎重にはめ込んでいきました。
作業の様子を見守った、地元の保存会「高田松原を守る会」の鈴木善久会長は「一本松が人工のモニュメントになって帰ってきたのを見ると、少し複雑な気持ちがします。被災者に勇気や希望を与える存在になってほしい」と話していました。
奇跡の一本松は来月、幹の残りの部分と特殊な樹脂で再現した枝葉をつなぐ作業が行われ、震災発生から2年になる来月11日までには元どおりの姿に復元される予定です。

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