支局長からの手紙:広島駅について/上 /広島

毎日新聞 2013年02月11日 地方版

 この写真の建物をご存じでしょうか。北九州市にある小倉駅のターミナルビルです。建物を南側から見ると、まるで、モノレールがビルの中に吸い込まれていくようです。以前、出張で訪れた際、その近未来的な姿に驚き、用もないのにモノレールに乗車。駅ビルに到着する様を、その車内から見た記憶があります。そして何より印象に残ったのが、利用者の利便性を考えた駅のレイアウトでした。

 2階にJR在来線、4階に新幹線のホームがあり、北九州モノレールは4階に乗り入れます。駅南北を結ぶ連絡通路は3階部分を貫通。各路線の改札口はこの3階コンコースに集まっており、乗り換えにたいへん便利な構造となっているのです。今回なぜ、この駅ビルを紹介したかというと、近い将来、広島駅がこれと似た姿に生まれ変わる可能性が高くなってきたからです。

 今、広島市中心部の公共交通をめぐる焦点の一つは、紙屋町・八丁堀方面と広島駅南口を結ぶ広島電鉄の新線「駅前大橋線」がどのような形で広島駅に接続するのか、という点です。広電側は当初、「地下案」を支持していたはずですが、ご存じのように、社長が新年早々に交代。椋田昌夫・新社長は前社長の方針を転換し、「高架案」を推進する考えを示しました。高架案はJR西日本も支持しており、さらに、事業判断者である広島市の松井一実市長もつい先日、「高架案が有力」との見解を明らかにしました。ここにきて、「高架による広島駅乗り入れ」が現実味を帯びてきたのです。

 駅前大橋線は現在の稲荷町電停から駅前通りに入り、JRの線路に対しほぼ直角に入ってくる予定です。このコースを踏まえた上で高架案を採用するとなると−−。小倉駅ビルの写真のモノレールが広電の路面電車に変わる、そんなイメージになるわけです。

 しかし実現には、越えなければならない諸々のハードルがあります。島式ホーム1面2線のモノレールと違い、さまざまな路線・行き先を持つ広電では少なくとも4線程度が必要とされ、奥行きも確保しなければなりません。高架にした場合、そのスペースをどうするのか。また、既に工事が始まっているJR広島駅の改築工事はどうなるのか。駅ビル「アッセ」の将来は……。

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