告発の真相:女子柔道暴力問題 山口香・JOC理事に聞く/下 暴力撲滅の宣言を

毎日新聞 2013年02月11日 東京朝刊

 ◆欧州ではスポーツで何を学んでいるかといえば、自律です。やらされるとか、指導者が見ている、見ていないとかではなく、ルールは自分の中にあります。ゴルフがいい例で、スコアはセルフジャッジ。ラグビーやテニスも近くに監督はいません。自律と自立を併せ持つ人づくりにスポーツが有用とされており、それこそ成熟したスポーツと言えます。

 −−現在、日本オリンピック委員会(JOC)を中心に、各競技団体が暴力の実態調査を進めている。

 ◆過去をほじくり返しても仕方がないと思います。まずスポーツ界全体で、暴力撲滅の宣言をすることが重要です。体罰や暴力が発覚することにビクビクとするのではなく、過去には、体罰や暴力があったことを認めた上で、JOCや各競技団体が宣言に署名し、今後は愛のムチなどというものは一切認めない、見聞きしたら、厳しく処罰すると誓うのです。現在、暴力を訴える勇気がなく、苦しんでいる人たちには光となります。

 −−今回の暴力問題は、東京が目指す20年夏季五輪招致と絡めて語られることが多い。

 ◆こういう状況で、スポーツが夢や感動を与えるなどと上っ面のことは言えません。日本スポーツ界は変わります、と世界に宣言し、だから20年五輪で必ずそれを見せます、と訴えるのです。1964年東京五輪の際は、体罰を容認している時代。(国民が)歯車の中にあり、「我慢しなさい、苦労しなさい、根性だ」という時代背景がありました。でも日本は変わりました。今は世界に並ぶ先進国になり、スポーツ先進国とはどういうものか、20年五輪で必ず見せます、と世界に向けて宣言するのです。15人の選手の告発で、くすぶっていたものが表面化した今、その覚悟が我々に突きつけられています。

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