4.HTML以外のファイル形式

4.1.TEXTファイル
4.2.PDFファイル
4.3.Microsoft Word
4.4.Microsoft PowerPoint
4.5.Microsoft Excel

 HTML形式以外のファイル形式を使って攻略法を作るという手もあります。ここではTEXTファイル、PDFファイル、MS Word、MS PowerPoint,MS Excelについて解説します。

4.1【TEXTファイル】

TEXTファイルの特徴としては

  1. ファイルサイズがHTMLよりも小さい 
  2. 文字修飾などはできない 
  3. 表を作るのに大変 
  4. 図を入れるのには向く場合もある(通常は向かない) 
  5. 印刷をユーザーが制御しにくい 
  6. ワープロが使えれば使える 
  7. どんな機種でも見られる

 HTMLファイルの項でも挙げましたが、ファイルサイズに関しては、さして気にする必要はないと思います。ただそうなるとTEXTファイルの利点というものが薄くなるのも事実です。さらに「f.ワープロが使えれば使える」「g.どの機種でも見られる」という点にしても、ワープロライクなHTMLエディタやWebブラウザがすでに普及しており、TEXTファイルのアドバンテージはさらに小さくなっています。

 「d.図を入れるのには向く場合もある(でも普通は向かない)」ということですが、これはASCIIアートで図を作るということです。HTMLで作る場合は、表示が相手の使用するフォントに依存することが多いので、均等フォントを指定してもASCIIアートが崩れてしまうことが多々あります。しかしながら通常のテキストエディタでは均等フォントがきれいに表示されるので、この心配をすることはありません。

 そうはいってもASCIIアートを使うのではなくて画像ファイルにしてしまえば、HTMLでもこの問題は回避できます。というより、むしろ画像ファイルを埋め込むことでHTMLの方が見やすく作れます。あくまで容量とのトレードオフではありますが。

▼4.1.1.TEXTファイルの問題 -改行を入れるかどうか-

 さらにTEXTファイル版の場合は、『改行を入れるかどうか?』という重大な決断をしなければなりません。通常niftyでは70〜78文字で改行を入れるのがスジとなっていますが、これを攻略法でも入れるかどうかということです。というのもWindows付属のテキストエディタ『メモ帳』が、デフォルト状態では改行しないようになっており、さらに「右端で折り返し」しかできないからです。

 『EmEditor Free』などのテキストエディタでは改行位置が文字数単位で決められますが、初心者でテキストエディタを使用している人は少ないでしょう。こういうソフトの場合は改行がない方が印刷時には便利です。また改行してあった場合、印刷すると空間が多く残り間が抜けた感じになります(右図参照)。また閲覧者側のフォントサイズによっては印刷時に切れてしまうかもしれません。

 しかし、メモ帳で開く場合は改行があった方がいいでしょう。閲覧時には改行していなくても大きな問題はありませんが、印刷時に画面上でメモ帳の大きさをいじってサイズを決める必要があり、なかなか面倒だからです。ただし、ワープロソフトで開く場合は改行がない方が見やすいと思われます。したがって、一概に改行した方が良い・悪いということはいえないでしょう。

上は『Alive攻略法』を印刷してスキャンしたもの。元のファイルはTEXTファイルで80字改行(見開き2ページ)。文字はつぶれてしまって見えませんが、余白の大きさを感じてください。

#EmEditorの本家サイトはhttp://www.emurasoft.com/jp/index.htm
2002年5月現在、本家のサイトではフリー版の配布は行っていないが『X-GAME STATION ANNEX』などで再配布されている。 

▼4.1.2.TEXTファイルで段落表現をする

TEXTファイルでも文章の構造を表すことができます。たとえば以下の如し。

 1【はじめに】
 2【攻略法本文】
  2-1【"DREAM"前半】
   2-1-1【"DREAM"美凪、佳乃共通ルート】
    2-1-1-1【"DREAM"佳乃ルート】
    2-1-1-2【"DREAM"美凪ルート】
   2-1-2【"DREAM"観鈴ルート】
  2-2【"SUMMER"】
  2-3【"AIR"】
  2-4【CG補完上の注意点】
  2-5【"DREAM"観鈴&"AIR"モデルルート】
   2-5-1【"DREAM"観鈴】モデルルート
   2-5-2【"AIR"】モデルルート
 3【Liner note】
 4【Readme】

 『AIR攻略法(TEXT版)』より目次を抜粋。

 こういった数字を使って文章の論理的構造を明示するやり方は、Linux関係のドキュメントによく見られます(野口悠紀雄『「超」勉強法』にもちょっとだけ出ていました)

 こういった文章の構造をTEXTファイルで表すことは構造化エディタを使うことでも実現できます。ただし構造化エディタ自体に印刷機能がないため、直接印刷することができない点がネックとなります。構造化エディタで作ったファイルは他のTEXTエディタで開いて印刷することができますが、その場合は普通のTEXTファイルを印刷した場合と変わりがなくなってしまいます。


「超」勉強法 野口悠紀雄 (1995/12/01) 講談社 ; ISBN: 4062076012
P.105〜107 3.国語の「超」勉強法 論文構造の例

現在は文庫版が出ています。
「超」勉強法 野口悠紀雄 講談社文庫 (2000/03/01) 講談社 ; ISBN: 406264827X

構造化エディタ(213KB)
松崎 暁 HP http://club.pep.ne.jp/~momotan/ 

4.2.【PDFファイル】

 Adobe社の販売している『Adobe Acrobat』で作られるファイル。「文字の大きさなどを固定してしまう」「レイアウトなどの調整を厳密にできる」「内容をなかなか改変しにくい」といった特徴があります。文字の大きさやレイアウトを固定してしまうために、閲覧者側の環境に依存しません。このため小さい画面では見にくくなることもありますが、デザインということを考えるとこちらの方が高度なことができるでしょうし、印刷するときもこちらの方がきれいにできるでしょう。また内容をなかなか改変しにくいというのは、複製を防止する抑止力として働くのではないかと思います。

 ただ一番の難点は攻略法作成者にとって「ソフト(Adobe Acrobat)が高い」ことと、閲覧者にとって「Acrobat Readerを入れるのが手間である」ということです。


Adobe Acrobat
Acrobat Reader ダウンロードページ(10.008KB) 

4.3.【Microsoft Word】

 一番普及率の高いワープロソフトであるMS Wordを使って攻略法を作るということもいいかと思います。図表なども入れやすいというメリットがあります。

 ただし、Wordを持っていない人には見ることができませんし、新しいバージョンで作った場合は古いバージョンで見られない人が出てくる可能性がありますので注意が必要です。とはいってもMicrosoftが、Word・Excel・PowerPointのビューアソフトを無償配布していますし、また転載も可能なので、それを自分のウェブサイトにおいたりリンクを張ったりして、閲覧者に導入してもらえば問題は解決する可能性はあります。しかしながら、これらのビューアソフトでも見ることができるバージョンに制限がありますので注意が必要です。一太郎などの他のワープロソフトでも読み込みが可能な場合もあります。

 それからマクロウィルスなどのセキュリティの関係上、閲覧者が見ず知らずの人(攻略法作成者のあなたのことです)からもらったファイルを開くのに抵抗がある場合があります。この点に関しては自らウィルスチェックをしていることなどを明示しておくなどの方法はありますが、根本的な解決方法としては信用を得るしかありませんから対処の難しい問題ではあります。


Midrosoft Word Viewer 97(5078KB)
http://office.microsoft.com/japan/downloads/9798/wd97viewer.aspx

4.4.【Microsoft PowerPoint】

 基本的にプレゼンテーション用のソフトなので、一見こういった用途に向かないように思えますが、1ページが完全に固定されているし図を入れるのも簡単だしということで、意外と使い勝手がいいです。フローチャートのようなものを作るのにも向いています。従って、フローチャートだけPowerPointで作って、画像としてHTMLに組み込むというのもいいやり方だと思います。

 なおpptファイル(PowerPoint形式のファイル)にリンクを張っておくと、IEでなおかつPowerPointがインストールされている場合はシームレスに見ることができます。単独で使ってもよし、HTMLなどと一緒に使ってもよし、図だけ作って他の画像形式で保存するもよしと、応用の方法次第でいろんな使い方ができると思います。

 先ほども少し書きましたが、pptファイルをそのまま使う場合は利用者のPCにPowerPointがインストールされている必要があります。ビューアソフトを使うことも可能ですが、見ることのできるバージョンに制限がありますので注意してください。攻略法配布者は、保存するときに出来るだけ古いファイル形式(PowerPoint95や97で開くことのできる形式「PowerPoint95(*.ppt)」など)で保存する配慮が必要です。


Microsoft PowerPoint Viewer 97 (PowerPoint 2000 対応版)(2842KB)
http://office.microsoft.com/japan/downloads/9798/ppview97.aspx

4.5.【Microsoft Excel】

 表計算ソフトのExcelを使って作ることも出来るでしょう。表が作りやすいことはもちろんのこと、ソートがしやすかったり色々なマクロがついてきたりしする多機能ソフトですし、攻略法の作成などにはお役立ちのソフトです。

 ただ、Excelそのものを使わない人にはとってはハードルの高いものですから、攻略法として配布をするならば初心者に対する配慮をしないと見づらく感じられてしまうでしょう。シートを分けたりするのはExcelを使う上では当たり前のことですが、Excel初心者には存在そのものがわかりにくかったりしますので使わない方が無難です。

 CSV→HTML変換ツールなどもありますし、変換して見栄えが変わらないようでしたらhtmlに変えてしまった方が良いかもしれません。またこれもExcelがないとそのままでは見られないものですのでExcel Viewerなどをアナウンスする必要があるでしょう。


Microsoft Excel Viewer 97(4042KB)
http://office.microsoft.com/japan/Downloads/9798/xlviewer.aspx

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