攻略法の本文を作るときに問題となるのが、選択肢を羅列するだけで済ませるのか、それともある程度幅を持たせてプレイヤーが自由に選べる選択肢を多くとるのかという問題です。
特徴としては以上のような感じです。なんといっても選択肢列記の場合は「c.あくまで攻略法作成者の攻略リプレイにすぎなくなる」ことを頭に入れておくべきでしょう。勢い選択肢によっては、その人にとってのゲームの評価に直結しかねませんし、いわばそのゲームのプロデューサーのような立場に立つことを自覚して作るべきです。従って、どうせ選択肢列記でやるのなら、攻略法作成者の「お薦めプレイ方法」あるいは「CGなどがすべて最短でフォローできる方法」など、何らかのアレンジをするのがよろしいかと思います。
「お勧めプレイ法」についての例は『Moe攻略法』の奈津美(フレーム無し版はこちら)を、「CG最短」についての例は『Phantom攻略法』(フレーム無し版はこちら)参照。
こちらは、ちゃんと攻略できるように作るのが、とにかく難しくて時間がかかるということに尽きます。しかしそれによってできたものは「e.『攻略法らしい』攻略法」になります。
これとはちょっと毛色が違いますが、フローチャートで描くタイプの攻略法もあります。この場合はどのルートから行くかをプレイヤーが決めることができますが、作るのはやっぱり大変でしょう。HTML▼ではフローチャートが描きにくいのですが、そのほかのアプリケーションソフトで作って画像化することで回避することはできます。
HTMLでフローが作りにくい点については3.HTMLで攻略法を作る「▼意外と使いにくい点」参照。
ほかのアプリで作った例では『POWDER SNOW攻略法』参照(Power Point97を使用。それを画像化)
選択肢列記か自由度を持たせるかの兼ね合いは、攻略法を見にくるプレイヤーの動向から考えることもできます。攻略法を見にくるプレイヤーは、基本的に次の3タイプに分けられます。
・最初から攻略法を見てゲームをプレイしようと思っているプレイヤー
・ゲームの途中で詰まって答えを探しにきたプレイヤー
・ほとんどクリアしたが最後にCGなどの穴埋めのために攻略法を利用しようとするプレイヤー
この3タイプのプレイヤーが、それぞれどういった攻略法であれば攻略に必要な情報を得られて満足するのかということについて考えます。
まず「最初から」攻略法を見にくるプレイヤーには、選択肢列記でも自由度があってもどちらでも攻略に必要な情報は得られるので、どちらでもよいでしょう。
次に「途中から」攻略法を見にくるプレイヤーにとって、選択肢列記方式では攻略するために必要な情報が得られるかどうかわかりません。しかし少なくとも最初からやり直せば攻略は可能です。自由度がある攻略法の場合は、要所を押さえないと作れませんから、たいていはこういったプレイヤーの要求を満たすことができるはずです。
「最後に」穴埋めのためにくるプレイヤーにとっては、すでにゲームの内容自体は終了していますから、選択肢が列挙してあるだけでは意味がないでしょう。とはいえ、自由度があればよいというわけでもなくて、少なくとも求めている情報(CGなどの回収場所)が書いてなければ意味がありません。これらをまとめると次のような表になります。
選択肢列記 | 自由度の高い | 補足 | |
---|---|---|---|
最初から | ○ | ○ | |
途中から | △ | ○ | |
最後に | ? | ? | 付加情報が必要 |
こうしたことから、自分の攻略法を見にくる人がどういった攻略法を求めているかを考え、実際にどういう攻略法を作っていくかを考えてみてください。
「選択肢の出てくる時」ができるだけわかるように書くのが基本です。日時や場所、シーン名が表示されるゲームであれば、そういう情報について書いておきましょう。また選択肢自体はすべて完璧に写す必要はなく、閲覧者にわかるように圧縮しても構わないでしょう。
もう1つ、これは攻略法というよりもヒントといった方がいいのかもしれませんが、直接選択肢を書いていくのではなく、どういう行動をすべきかの指針を書いておくという方法もあります。特定の場所に通い詰めるとか、意地悪な選択肢を選ぶとか、そういった類のことです。ぼかした書き方になるので攻略に失敗する可能性というのもでてきますので、これが閲覧者に喜ばれるかどうかは微妙なところですが、こういった表記の方がいいと思えばそれもありではないかと思います。
2.1.3で述べたように、攻略法を見る人の中には、最初から攻略法を見てゲームをプレイする人がいます。そういう人たちのためにも攻略法の中でのネタバレは避けるべきです。ストーリーについてのネタバレはもちろんのことですが、わかりやすい攻略法を心がけるあまりに攻略情報にネタバレを紛れ込ませてしまうこともありますから、注意する必要があります。例えばデートの行き先がシナリオ上重要な場合、単に「デートイベント」とだけ書いて、その行き先については書かない方が望ましいといえます。
もちろん一番良いのは「デートイベント」とも書かないことでしょうが、小さなネタバレを防ぐあまりわかりにくい攻略法になっては本末転倒です。当然のことながら書く内容を絞ることによってゲームの進行が分かりにくくなるので、このあたりのさじ加減が難しいところです。対策としては、例えば攻略法の一番下に「ネタバレ」を明記してイベント内容を補完して書いてみたり、フォントカラーを背景色と同じ色にしてみたり、いっそのこと攻略法の冒頭でネタバレがある旨を明示して閲覧者の注意を喚起したりといった方法が考えられます。『こみっくパーティー攻略チャート』(フレーム無し版はこちら)では攻略法の下にイベント内容を書いて内容を補完しています。
ただ、実際には選択肢自体がネタバレを含むというものもあります。そういうときは選択肢を直接書かないような攻略法にしない限りネタバレを防げませんので、ある程度はどうしようもないことでもあります。
WEBはどこから入ってこられるかわからないことを考えると、すべてのページに著名を入れた方が良いと思います。できれば明示するのがいいのでしょうが、見えないところ(HTML▼のソースの方)に書き込むのもアリでしょう。
著名を入れることの意味としては、著作権の明示または文責の明確化といったところがあります。ただ、書く場合はきちんと正確に書く必要があります。特に複数人で作っている場合には、誰がどのページを作ったのかわからなくなりがちなので、注意しなければなりません。
#日本を含むベルヌ条約を批准している国では無法式主義を取っているので、特に何をしなくても著作権は発生する(名前や作成年を書いていなくても発生する)。従って著作権の明示として書くのであれば、方式主義を取る万国著作権条約の保護要件にのっとって書く方がよい。その要件とは、(C) (○の中にCを書いた)記号と著作権者名及び最初の発行の年、が書いてあることである(万国著作権条約第3条)。従って、 ©KO-1 2000 とでも書いておけばいい。「まるしー」記号は©とHTML▼のソースに書くことで出るが、ブラウザによっては(C)みたいに見えることがあるようである。 付録の方でも著作権を含む知的財産権について扱っている。 |
ゲームの性格を考えて攻略法を作るということはなかなか難しいものです。
「ただただCG全入手とクリア」のためだけに、Firstプレイからすべての選択肢が書いておき、なおかつ「ここでセーブして、ここまでやったらやり直し」とまで書くという攻略法で十分というゲームもあります。シナリオ中心のゲームなんかは、こういうものでも比較的大丈夫なケースが多いでしょう。しかし、いかにも「ゲーム」らしい、遊び心の必要なゲームの場合、そのゲームのおもしろさを損なうことにもなりかねません。たとえばPANDA HOUSE『青い鳥』とかCat's Pro『SPARK!』なんかが後者の例としてあげられます。
ゲームの攻略法以外のおまけ情報などを一緒に書くことで、全体の価値が上がることもあると思います。たとえば、
・CGモード補完…CGの数がわかりにくいゲームでCGの合計数。または見るのが難しいCGの見方など。
・おまけモードの出し方…おまけモードの出る条件を書く。
・曲名のリスト…BGMの曲名リストを書く。
・リスト…いろんなものが考えられます。アイテムのリストやCGのリストやENDINGリスト。マニアックなところでイベントと台詞のファイル名対照表とか。
・蘊蓄…ある分野に特化した情報を書き出す。例えばBGMにクラシックが使われている場合は作曲者名を出してみるとか。
・ウラ技…テストモードなどがある時にその出し方を書く。
・ツールなどの紹介…あると便利なツールの紹介をする。テキスト書き出しツールとかメッセージスピード変更ツールとか。
etc.etc.
この他にもいろいろあるかと思いますが、あとは趣味でどうぞ。ただこういう情報がなかったとしても問題はありません。
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