武雄市長のプライバシーに関する考え方の根幹は「便利ならいいんだよ!」と思っているんですよね。その便利ってのは誰かの利害が絡んでいるように思えてしかたがないのはさておき。
でも、便利で全てが許されるのであれば、高速道路の速度制限はあほらしいし、信号だって左右から車が着ていなければ無視することが合理的です。なんだってそうだけど、問題につながる行為についてはリスクとリターンをきちんと考える必要がありますよね。
武雄市の樋渡市長、奈良市の仲川市長、福岡市の高島市長とともに「ビッグデータ・オープンデータ活用推進協議会」の設立を先ほど4人立ち会いの下で記者発表。夏を目処にアイデアコンテストを実施し、実行可能なアイデアを具体化していきます。皆さまも是非アイデアをお寄せください
なので、こういうお話は大変不安なのであります。例のCCC図書館Tカードの一件にしても、まさに「ビッグデータの活用」という話です。当時の記者会見の個人的な印象から言うと、技術者の人は流石にマズイところがわかっていたのに市長はなんでもOKみたいなニュアンスで物を言うから困っていた。
NRIがペーパーを出しています。
ちょっとした記事ですが、ここに書かれていることは問題の本質を簡潔にまとめていますね。
前からいろんな人が言っているとおりだし、多分高木先生がやったWinnyのノードを収集するアレみたいな手法をWebサイトにおいても複数サイトの情報連携でやったらそれなりにウェブを使うユーザーのプライバシーは筒抜けになる状況に現在でもあると思っています。
ビッグデータの活用は多分に紳士協定的な部分があります。個人情報保護法ではカバーしきれない部分もありますから。技術の進歩によって、従来では不可能だった分析が容易になると、そこには悪い人たちも入ってきます。ましてや、それなりの立場がある人達が率先して問題を起こしてしまうと悪い人たちの行為も正当化されかねません。そういうところには気を使って欲しいと思う次第。
この件についてちょっと救いがあるのは、この後のやり取り。
@kumagai_chiba 過去に行政が行ったアンケートについて、特に自由記述欄は、事業者にとって活用可能な情報の発見があるのではないでしょうか。筆跡からは、回答者ついてより多くのことを知ることができるかも知れません。武雄市が行った様にスキャンして公開するのはいかがでしょうか。
@keikuma アンケートを生で公開することなんてありえないと思いますが
2013-01-25 13:50:36 via twicca to @keikuma
釣り糸を垂らしてみた感じですね?
@kumagai_chiba 信頼性、透明性を担保するためそのまま公表するという考え方もある様ですし、筆跡では個人は特定できないので問題ないという主張もある様です。問題ないんじゃないでしょうか。
武雄市長の事例の餌を付けてみましたね?
@keikuma アンケートをしている以上、集計したものがあるはずで、それを公開すれば済む話だと思います。生で公開するメリットが殆ど無い以上、わずかでもリスクを侵す理由がありません
2013-01-25 13:56:59 via twicca to @keikuma
見事かわしました。
熊谷市長(というと熊谷市の市長みたいだが千葉市長)の感覚はまだまともなようです。彼の人にブレーキをかけてくれる存在であることを先ずは期待してみましょうか。