逮捕された片山容疑者は、フードをかぶりうつむいたまま捜査車両に乗り込んだ=10日、東京都江東区(撮影・鴨川一也)【拡大】
4人の誤認逮捕を認めて謝罪してから4カ月。警察が、ようやく「真犯人」とみられる男にたどりついた。捜査員数十人は午前6時20分ごろ、片山容疑者が住む東京都江東区のマンション5階の部屋へ。約2時間後、チェック柄のパーカに黒いジャンパーを羽織った片山容疑者が、捜査車両に乗り込んだ。
逮捕の決め手は防犯カメラの画像。真犯人のメール通り、1月5日に神奈川・江の島で猫の首輪からマイクロSDカードが見つかった。合同捜査本部が島内のカメラ画像を調べると、猫に近寄る男の姿があった。
カードには真犯人しか知り得ない遠隔操作ウイルスの設計図にあたる「ソースコード」があり、捜査本部は真犯人が保存したと断定。範囲を拡大してカメラの画像を集めて男の足取りを確認し、片山容疑者の自宅を突き止めた。
「母親と2人暮らし」(付近住民)という片山容疑者は都内の名門私立中高卒業後、理工系大学を経て専門学校へ。「中学時代の同級生は「地味でおとなしい性格」と話し、同じマンションに住む女性は「普段はおとなしく、オタクっぽい雰囲気だった」と振り返る。
2008年2月から勤務しているIT関連会社によると、昨年12月から病気を理由に休職。社長の目には「パソコン少年」「マニアックで思い込みが強い」と映っていた。12日から職場復帰する予定だったという。