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第30回「全日本中学生水の作文コンクール」愛知県表彰 優秀賞 「逢妻女川の水よ、よみがえれ」

[2008年7月24日]

「逢妻女川の水よ、よみがえれ」  豊田市立逢妻中学校 3年  杉浦那実

「汚いね。入りたくないよ。」

「うん、なんかぬるぬるしている。」

これが、逢妻女川に入ろうとしたとき、友達と思わず出た最初の言葉でした。

 逢妻女川とは、私たちの学区を流れている川です。私たちの学校では、毎年9月の最初の土曜日、全校生徒で川をきれいにするクリーン活動という行事があります。この行事は、まず、川底を歩いて川の水を浄化させます。また、川を歩きながらEMだんごを置いたり、石のこけを落としたりします。EMだんごとは、EM菌という環境によい菌を土に混ぜ込んで作る泥だんごのことです。効果は、悪臭が消える、ヘドロが消える、水の濁りがなくなる、植物の成長を促すなどがあるそうです。いつも学区のおじさん、おばさんが協力して作ってくださります。それを、毎年、この時期に私たち中学生にわけてくださるのです。川底を歩くのが終わると、次は、川辺に落ちているごみを拾います。

 私は、2年前、中学1年生のとき、初めて逢妻女川に入りました。川に入るなんてとても面白そうだと思っていたのに、まさか、こんなにも汚れているなんて知りませんでした。だから、思わず「汚い」と言ってしまったのです。最初は、あまりにも汚く臭かったので、川をきれいにする目的を忘れ、とにかく早くこのクリーン活動が終わってくれればと思いました。やればやるほど、ここまで汚れているのかという現実が目の前にありました。

 まず、川の水位は私のひざくらいの高さしかなかったのですが、川底がよく見えません。ぬるぬるしているのは、どうやらこけというよりも、においの臭いヘドロのようなものでした。また、川の周辺もごみがいっぱい落ちていました。お菓子の袋や空き缶だけでなく、テレビ、CDコンポ、電子レンジなどの家電製品までもたくさん捨てられてありました。どうして家電製品を捨てるのか不思議でなりません。私たちが川をきれいにしたいと思う反面、深く考えず、平気で捨てていく人がいるという現状が、目の前にありました。

 だから、こんな汚れている川に生き物など住めないだろうなと思っていたら、よく見ると、この汚れている水でも魚が泳いでいたのです。それはもしかしたら、私たちの先輩からやってきたこのクリーン活動の成果が少しずつ表れてきたのかもしれません、とにかく、私は、この小さな魚たちが懸命に生きている姿に感動しました。だから、私たちの学区を流れているこの逢妻女川をこれ以上汚してはいけない、いやきれいな川にしなくてはと思うようになりました。

 では、私たちができることは何でしょうか。川の水が汚れる一つの原因は、家庭からでる汚水にあるようです。だから、食べ物を残さず食べて少しでも水を流さないことや、米のとぎ汁を木や花にあげるなどして水の再利用をすることから始めることが大切だということがわかりました。また、川の周辺には絶対に物を捨てないことです。これならだれでも心がければ簡単にできます。普段の生活の中で、ほんの少しだけ一人一人が気をつければ、川の水はきれいになり、住みやすい環境をつくりだせるのです。

 私は、今まで水というものの存在は、あってあたりまえの存在という認識しかありませんでした。水道の蛇口をひねればきれいで安全な水を飲むことができるからです。しかし、クリーン活動を通して、水というものの存在の大切さがわかりました。

 今年も9月に、クリーン活動があります。今年は、中学校生活最後の活動になります。水というものがどれだけ大切なものかを実感し、心を込めて掃除をしたいと思います。

「逢妻女川の水よ、よみがえれ」と、念じながら。