ソフトバンクのキャンプを訪れ、秋山監督(左から2人目)と話すWBC日本代表の山本監督(左端)。右端は内川=宮崎アイビー
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芸術的な右打ちにくぎ付けだ。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の山本浩二監督(66)が10日、ソフトバンクの宮崎キャンプを視察し、シート打撃で右中間二塁打を放った内川聖一外野手(30)の広角打法を絶賛。侍JAPANの中軸候補に指名した。
山本監督が思わずうなった。指揮官に加え、立浪打撃コーチや梨田野手総合コーチなど代表首脳陣が見守る中で行われたシート打撃。内川は重圧をものともせず、右腕岩崎のボールを逆らわずに右中間へ運んで見せた。「内川は逆方向に強い打球が打てる。本番ではどうしても外のボールが多くなるから右に打てるのは強みやね」。
昨季まで5年連続3割をマークしている内川。抜群の安定感を誇る背景には卓越した流し打ちの技術がある。外にストライクゾーンが広い国際舞台では外角球への対応がカギとなるだけに内川の職人芸にかかる期待は大きい。
前回2009年大会でも米国ラウンドではチーム唯一の本塁打を放つなど打率3割3分3厘の活躍を見せた。今大会で山本監督はすでに巨人・阿部の4番起用を明言。理想的なジグザグ打線を組むためにも阿部の後を託す可能性は十分ある。居残り特打まで熱視線を送った指揮官は「良い打撃をしとった。でも内川ならあれぐらい当たり前」と平然。球界屈指のヒットメーカーに全幅の信頼を置いている。 (臼杵秀之)
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