初めて受けた渡部ブルペン捕手も自身の現役時代に受けたダルビッシュ(現レンジャーズ)を引き合いにして「長身で手が長く(マウンドとの)距離が近く感じるところがダルと似ている。今キャンプで受けた中で一番速い。あの一球は150キロ出ていたと思う」と感嘆。次のブルペンは12日で、11日は打者として初めてプロの投手を相手にケース打撃を行うなど、順調に前へ進んでいる。 (竹村和佳子)
ブルペンで初めて捕手を座らせて投球練習する日本ハム・大谷=国頭で
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注目のドラフト1位新人投手、阪神の藤浪晋太郎(大阪桐蔭高)と日本ハムの大谷翔平(岩手・花巻東高)の両18歳右腕が10日、ともにキャンプのブルペンで初めて捕手を座らせて本格的に投球練習した。藤浪は沖縄・宜野座で47球。初の変化球も6種類全て試し「リリースの感覚も制球もつかめなかったが、ちょっとずつ分かってきた」と手応え。大谷は沖縄・国頭村で加藤良三コミッショナーが見守る中、直球主体に32球。「きょうの段階では良かった」とこちらも好感触だ。
ズバン、とミットを鳴らした一球に、ブルペンを取り巻いた人々がどよめいた。大谷が3度目のブルペンに入り、立ち投げ20球の後、初めて捕手を座らせて32球を投げた。
その28球目、カーブを3球続けた後で投げたストレートは球速、コースともに抜群。大谷は「その後、力が入らないように抑えて投げた」と冷静だったが「タイミングが合って指もかかり、素晴らしい球だった」と田之上投手コーチ。捕手の後ろで見ていた加藤良三コミッショナー(71)もおおっとのけぞったほど、威力と魅力のある一球だった。
キャンプ巡りで沖縄入りした加藤コミッショナーが、いの一番に訪れたのが初めて訪れる国頭だった。若き才能への期待の表れだ。「大谷君の投球を見られて運が良かった。可能性の大きさを非常に感じる。将来のジャパン候補として素質に間違いはないだろう。大きく育ってもらいたいと強く思った」と絶賛した。
コミッショナーを驚かせた一球は、『カーブの後』というのがカギだった。「カーブだと腕を縦に振れるので」と、大谷は高校時代から投球練習の合間にカーブを挟んで腕の振りを調整する。捕手を座らせてのプロ第一球もカーブだった。
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