ヒト型ロボット:ロボット転校生「ヨロシクネ」 京都の小学校で実証実験 5歳程度の会話能力
毎日新聞 2013年02月06日 東京夕刊
京都府精華町の民間研究機関「国際電気通信基礎技術研究所」(ATR)が開発したヒト型ロボットが、同町立東光(ひがしひかり)小学校の理科の授業に参加する実証実験が5日、始まった。ロボットと児童たちの動きを1年2カ月かけてデータとして蓄積し、複数の人が相手でもロボットが自然な振る舞いをするよう改良する。学校で1年以上ロボット実験をするのは初めて。
「人とロボットの共生」がテーマで、「子どもがリアルに動き、大量のデータが入手可能」なため、学校に会話ができる「ロボビー」(高さ1・2メートル)を導入。5年生と教諭の計119人の顔写真と声紋を採取した。
初日の授業でロボビーは、児童たちに「よろしくね」とあいさつ。山田泰史教諭が「銅線をグルグル巻きにしたものは」と尋ねると「コイルだね。僕の体を動かすモーターにもなるよ」と答えた。授業中は教室の後ろで待機し、顔識別機能で児童を特定しながら動作を記録。授業後は6年生と握手し、質問に答えた。
ロボビーの日常会話の能力は人間の5歳程度だが、5年生の理科の教科書内容は全て入力されている。西山颯人(はやと)君(6年)は「知識がすごい。僕より賢い」と笑顔で話していた。【村瀬達男】