稲荷山古墳出土鉄剣の銘 韓国学者が新解釈

【ソウル聯合ニュース】1968年に埼玉県行田市の稲荷山古墳から出土した鉄剣の銘について、韓国の学者が新たな解釈を示した。

 西江大学のキム・ヨンドク物理学科名誉教授は1996年の退任後、本格的に百済史の研究に取り組んできた。このほど、稲荷山古墳出土の鉄剣の銘をもとに、日本の王室が百済王室から分かれたとの見解を示す書籍を出した。

 5世紀につくられた鉄剣には115文字の漢字が刻まれている。日本の学界では、ヤマト王権にこの地の豪族が仕えていたとするのが通説だ。

 しかしキム名誉教授は、銘を朝鮮漢字音で読むと、高句麗が396年に百済を攻め、当時百済の領地だった河東の侯王一族が日本に亡命し、百済の侯王として擁立されたという、百済の歴史を示すものと解釈した。

 また、5世紀半ばごろ、関東と関西、九州の3カ所に百済の王族が派遣される行政所が置かれていたとし、稲荷山古墳出土鉄剣の銘は、百済の一つの王室から二つの国の王統へとつながったことを示す貴重な歴史資料だと主張した。

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