中国海軍:自衛隊護衛艦に火器管制レーダー照射 尖閣周辺

毎日新聞 2013年02月05日 20時32分(最終更新 02月06日 00時41分)

中国海軍艦艇の動向について報道陣の取材に答える小野寺五典防衛相(中央)=東京都新宿区の防衛省で2013年2月5日午後7時8分、中村藍撮影
中国海軍艦艇の動向について報道陣の取材に答える小野寺五典防衛相(中央)=東京都新宿区の防衛省で2013年2月5日午後7時8分、中村藍撮影
火器管制レーダーの仕組み
火器管制レーダーの仕組み

 防衛省は5日、東シナ海の公海上で1月30日、警戒監視中の海上自衛隊の護衛艦が、中国海軍のフリゲート艦から射撃の照準を合わせる火器管制レーダーを照射されたと発表した。同月19日にはヘリコプターも照射された疑いがある。火器管制レーダー照射は極めて異例で、外務省は2月5日、中国に厳重抗議した。沖縄県・尖閣諸島をめぐり日本と中国の対立が続く中、安倍政権は関係改善を呼びかけてきたが、緊張が高まるのは必至だ。

 防衛省によると、1月30日午前10時ごろ、中国海軍の「ジャンウェイ2級」フリゲート艦1隻が、海自第7護衛隊所属の護衛艦「ゆうだち」に、約3キロの距離から火器管制レーダーを照射した。

 これに先立ち、同月19日午後5時ごろ、海自第6護衛隊の護衛艦「おおなみ」の搭載ヘリが飛行中、数キロ離れた中国の「ジャンカイ1級」フリゲート艦1隻から照射されたことが疑われる事例があった。ヘリのレーダー照射を感知する装置の警報音が鳴ったという。

 レーダー照射はいずれも数分間。照射を受けた護衛艦とヘリは進路を変える回避行動を取った。レーダー照射は護衛艦は感知装置で確認したが、ヘリは護衛艦との感知装置の分析能力に差があるため、「疑わしい」とするにとどめたという。

 照射を受けた具体的な海域は「警戒監視の手の内を明かすことになる」として公表しなかった。首相官邸関係者によると、沖縄県・尖閣諸島周辺だったという。

 小野寺五典防衛相は2月5日夜、同省内で記者団に、「一歩間違えれば大変危険な事態になる。レーダー照射はよほどのことがない限りしない。厳しく自制を求めたい」と厳しく批判。ただ、「武力衝突か」との問いには、「衝突事案とは類推していない」とも述べた。発表がずれ込んだことについては「慎重を期して検討・分析に時間がかかった」と説明した。

 火器管制レーダーの照射は、砲撃やミサイル発射のために標的に対して電波を照射し距離と方位を特定するために行う。公海上での他国の艦船に対するレーダー照射は「あとは引き金を引くだけ。平時としては非常識で挑発的な行為で、大砲を向けるより悪質だ」(防衛省関係者)という。

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