さとり様の麻雀講座第三十五回『ブロック理論』
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【D卓の様子・東三局 ドラ】
よーし、私の親番ですよー。
がんばって連荘に挑戦です。
それいけ、響子ちゃん!
総合ラスまっしぐらのわちきの無念を晴らしてちょうだいな。
ってあらら、何を切っていくか迷ってしまいますねー。
メンツ候補が多くて目移りしちゃう。
ツモ:
うわあ、なんだかとってもややこしい手になってる……
ど、どれを切るのが正解かしら?
何をどうしたらそんなターツ地獄に陥るのよ。
なんでもかんでも持ってりゃいいってもんでもないでしょ、麻雀って。
あっ、さっきわちきをケチョンケチョンにしてくれたおイモの人じゃない。
ターツ地獄ってどういうこと? たくさんメンツ候補があるんだからうれしい悲鳴じゃないの?
それがそうでもないのよね~。麻雀も農業も基本は同じよ。
実りを得ようと思ったら、きちんと間引きを行わなくちゃ。
間引き……ってなあに? いらないものを捨てちゃうってことだっけ?
だったら、麻雀って毎巡いらない牌を切ってるじゃない。
これは間引きにならないの?
ぜんぜん違うわよ、毎巡捨てるのは畑のお手入れみたいなものね。
私が言ってるのは、「育ちの悪い部分を早いうちに捨てちゃう」ってこと。
まあ、ピンと来ないなら別にいいわ。
ふぅん……なんだかよくわからなかったわ。
とにかくがんばれ、響子ちゃん!
善処しまーす。
【B卓の様子・東四局一本場 ドラ】
むむむ……難しい手になっちゃったね。
ツモ:
(三色も一気通貫も見える手だから、できればどっちもキープしときたいよ。
アタマを確定させるならなんだけど、ドラだからそれももったいないよね……
ううん、どうしようかな?)
とりあえずいったん、を切っちゃお。
これなら全部キープできるもんね!
ふーん。お空のやつ、アタマをなくしちゃうのか。
まあ、アタマなんてそのうちできそうだからこれでいいのかね?
個人的にはあまり好きな一打じゃないわね。
いろんな可能性を追いかけたい気持ちはわからなくもないけど、
やっぱり麻雀は4面子1雀頭を作りにいくゲームなんだから……
あー、言われてみるとこの手、メンツ候補が多すぎですね。
でもまあ、完成しなかったメンツからたたっ切っていけば、
最終的にはなんとか辻褄は合うんじゃないですか?
そう単純に行くかしら?
この手、急所を引き入れてきたらさらに悩ましくなるけど……
わあ、どうしよう、これ!
ツモ:
うわあホントだ、どうしたらいいのかわかんないや。
三色もイッツーも狙える素敵な手なのに、どうにも不安定だねこの形。
やっぱり麻雀は5ブロックが基本だからね。
闇雲にターツを抱えても、方針が定まらなくなるだけということでしょう。
ん、5ブロックってなに?
なんか面白い打ち方なのかな?
5ブロックっていうのは、さっきあなたのご主人様が言ってた4面子・1雀頭のことよ。
それ以上多く牌を持っていたら和了り形にならないのが麻雀だから、
狙いをその5ブロックにしぼってしまおうという考え方ね。
例えばさっきのこの場面なら、
将来的に役に立ちそうな「強いブロック」を残して、
発展が望めない「弱いブロック」を先に切ってしまおうというわけ。
ツモ:
なんかその、ブロック、って言われてもピンと来ないなー。
実際におねーさんが分けてみてよ、この手。
まず、この手はが入ったから
のメンツは完成ね。
当然このブロックは残すとして、残りのターツたちを見比べてみることになるわ。
残ったのはこのあたりか……ピンズはあの5枚で2ブロックになるのかな?
ほんとだ、今1ブロックは確定してるのに候補がまだ5ブロックあるってことは、
1ブロック余計なところがあるって寸法だね。
単純に考えて、ターツの中でいちばん優秀なのはやっぱりリャンメンね。
だから、と
も残すことにします。
あとは、ピンズの5枚とマンズのカンチャンだけど……
どっちかっていうとリャンカンとかリャンメンになるぶん、
ピンズのほうが使い道あるかなぁ?
ってことは、を外していくべき?
単純にターツとして弱いのはマンズのほうね。
でも、この手は三色も一気通貫も見えるわけだから、
思い切ってドラのを外したほうがいいかもしれないわ。
あー、そっちのほうが自然かなぁ。
そんでもって、どこかひとつメンツになったらできなかったところを省いてくと。
ドラはなくなっちゃうけど、これなら三色もイッツーもまだ狙えるね。
お燐の言った外しもそれほど悪くはないわよ。
手役は狙いにくくなってしまうけど、
ドラを使えるし受け入れ枚数もそこそこ多いから。
ホントだ、こっちのほうが案外テンパイには早いかもしれないよ。
いらんブロックを早めに見切ったおかげで、
持ってるターツをフォローする形にできるんですね。
そういや、欲張りさんのお空はいったいどうなったのかな?
やった、ツモ!
イッツードラドラで1100・2100です。
ツモ:
お空 :20600(+4300)
静葉 :21800(-1100)
レミリア:24100(-1100)
勇儀 :33500(-2100)
なんかいつの間にか変な方向に手が進んでるや。
ツモれたのはツモれたみたいだけど、相当こねくり回したみたいね。
手役や打点にこだわるタイプの人には縁遠い打ち筋なのかもしれないわね……
この卓はどちらかというと欲張りな打ち手が多いけど、
一人だけ例外がいるからその人を見守ってみることにしましょう。
【南一局 ドラ】
(この半荘も折り返し地点ね。
今回はけっこう点棒もあるから、トップになれるよう頑張らないと。)
例外ってこの静葉お姉ちゃんですか。
まあ、確かに欲目を出して手を目いっぱいに構えるほうじゃなさそうかな。
(ツモ……)
ツモ:
ええと、じゃあ早速さっきみたいにブロックってやつに分割してみます?
まだたったの3巡目だけど。
まあまあ、そう焦らないのよ。
さすがにまだこの巡目じゃ、ブロックを定める段階でもないでしょう。
まずは不要な字牌や端牌を整理して、それから改めて……
を外します。
あら? もうそこを切ってしまうのね。
無難にからかと思ったけど。
これはこの人の性格と、
他家の捨牌に関係があるみたいね……
<お空・捨て牌>
<レミリア・捨て牌>
<勇儀・捨て牌>
あ、そういうことですか。
この手で一見いらないのは辺りだけど、
は誰の河にも見えてないんだ。先に処理しとこうってことね。
ツモ:
この人は石橋を叩くタイプみたいだから、
わずかな差でものちのち安全なほうを残しておきたいというわけね。
はもう使い道があまりなさそうだし、それほどおかしな選択というわけではないと思います。
ターツ候補にはリャンメンが3つ残ってるし、
どうせあとはアタマだけなんだからどれ切ってもそんなに変わんないってことですかね。
なら3枚揃えば役牌になるわけだし。
でも、この手で役牌が3枚揃うことってあるかしら?
今回は既にメンツ候補になる4ブロックが揃ってるわけだし、
役牌をつけるためにはひとつリャンメンターツを外すことになるけど?
そう言われりゃそうか、だったらピンフがつくぶんアタマの候補は役牌じゃないほうがいいなぁ。
役牌ってなんとなく大切にしちゃうけど、
今この手で3枚揃うことがあるか? ってのはしっかり考えとかないとだね。
ブロック単位で数えるといろんなことがわかるよ。
何かズレた議論をしてるみたいだけど、
この静葉ってやつの字牌の扱い方は、あんた達とは全然違うと思うわよ。
私、コイツからは自分と同じニオイを感じるのよね。
はツモ切りです。
お、ポンするよ。
を外そう。
(これでも
も残りがなくなっちゃったかな?)
ツモ:
なんだ、結局こうなるのか。
いろいろ議論したけど、結局字牌を落とすことに……
打です。
って、なんでやねん!
この人は和了りよりもまずは身を守ることが優先だから。
今後使えるかどうかわからない浮き牌よりも、
共通安牌になり得る牌を確保しておきたいみたいね。
(4枚目の字牌は枯葉と同じ、誰にも見向きもされない牌なの。
でも、そういう終焉の象徴だからこそ、
大事にとっておけば自分の身を守ってくれる牌になるのよ。)
最低限和了りに向かうためのブロックは残しておいて、
あとは安全そうな牌をひたすら抱えていくという打法なのね。
どうしても放銃を避けたい時なら、一考の余地があるかもしれないわ。
(やった、テンパイね。
いったんで仮テンに取っておきましょ。)
ツモ:
なるほどなー、このあとどこか亜両面かノベタンにできたらまあまあの形だもんな。
慎重すぎてあたいはマネしたくないけど。
~そのまま流局~
テンパイです!
ぎりぎりで間に合って連荘だ。
私もだよ。
こっちも張ってる。
わ、私も一応……
って、意外と都合のいい牌引いてこないこともあるよね。
目一杯に構えてたらもう少し違う結果になってたかも……
先手を打たれることに備える以前に、自分が先手を打つって考えはないのかしら。
弱気は損ね。麻雀でも、なんでも。
【南一局一本場 ドラ】
うーん、冴えない手だなぁー。
勇儀さん、微妙な手だよ。いちおう三色とイッツーが狙えそうな。
ツモ次第では純チャンも目指せるのかな?
いろんな道があるとはいえ、どれも受け入れが広いとは言い難いわね。
最終形も好形にはなりにくそうな感じだし。
で、こういうの引いてくるか。
ふーん、なるほど。
ツモ:
おろろ、これまた難しいぞ。
すごく使えそうで意外と使い道のなさそうなツモだ!
こういうときこそブロック理論の出番?
大丈夫よ、わざわざ私たちがあれこれ相談しなくても。
勇儀の性格考えたらどうするかわかるでしょ?
よし、だ。
えーっ、染め手にしちゃうの?
やっぱりこの人にはブロック理論なんか無縁の存在だったか……
いえ、意外とそうとは言い切れないかもしれないわよ?
お燐、あなたこの手をブロックに分けてごらん。
ええ? あ、あたいにできるかな。
ちょっと待ってよ、たぶんこの手はここがこうなって……
こ、こんな感じかな?
をどっちにくっつけるかで迷っちゃったけど……
こんなに細かくしたらブロック多すぎかな。
いえ、この分け方でおおむね正解よ。
今、勇儀さんは染め手に向かう打としたわよね。
お燐、この手がマンズでいくつブロックがあるか数えてご覧なさい。
えっと、お空のときみたいにマンズの上のほうを2ブロックとすると……
あ、いちおうマンズだけで4ブロックぶんあるよ?
しかもこれ、切っていくことになるピンズとソーズより受け入れが多いかも!
お空の、ポンだ。
あたりは割と鳴きやすい牌だから、
最初のメンゼンでじっとカンチャンやトイツが形になるのを待つより、
早さも打点もよっぽど優秀なんじゃないかしら。
トイツを自分で暗刻にするのって難しいけど、
鳴いていけるって考えたら端っこは有利なんだ。
こう考えると、この場合のって「強いブロック」になるのかも?
よっしゃ、ツモった!
一本場で2100・4100!
ツモ:
お空 :16500(-4100)
静葉 :19700(-2100)
レミリア:22000(-2100)
勇儀 :41800(+8300)
少し強引な染めに見えたかもしれないけど、
きちんとブロックに分けて考えれば理にかなっていたということね。
勇儀さんみたいに無意識にこういう選択をできる人は、やっぱり麻雀も強いもの。
そんなに持ち上げなくてもいいわよ。
どうせコイツ、ソーズとピンズがリャンメンでも染めに走ってたと思うから。
でもパルスィの言うとおりだったとしても、
残りのマンズが今と同じだったら、今みたいに染めって選択もできなくはないってことだよね……
向かいたい方向があるときは、切らなきゃいけないブロックの事情もともかく、
作りたい手に対するブロックが足りてるか? ってところを考えないとなのか。
そのあたりをどう天秤にかけるか、っていうのは技術というよりも性格の問題かもしれないけど。
とにかく、困ったときには弱い部分を外していくこと。
和了りに向かうならこれが基本ということでしょう。
堅実に和了れる手に行くか、多少無理してでも高い手に行くか、
いわゆる花を取るか実を取るかってことなんだろうねぇ。
場を見て花と実どっちを取るべきか、バッチリ判断できるようにならないとなぁ。
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ずっと前から触れてみたかったブロック理論というものについて書いてみました。
正直、自分もあんまりバッチリは理解できていないお話です……。
おかげで更新作業もものすごい骨でした。疲れたよぉ。
基本的なことはわかってるつもりでも、難しい手になると上手にブロック分割することすらできないというorz
今回の記事もヘンなところあったら教えていただきたいです。
このブロック理論ってやつは、本当は5ブロック理論って言うのが一般的らしいです。
でもそれじゃ面白くないので、静葉お姉ちゃんあたりには謎の4ブロック理論で麻雀を打ってもらいました。
記事タイトルもあえて「ブロック理論」に。
今回の例だと雀頭ナシ4ブロックだったのでギリギリ許せるレベルですが、
どこか一つメンツなし4ブロックだとさすがに本末転倒というかなんというかですね。
でも、「必要そうなところ以外は全部安牌にしとく」っていうのは守りに入るときは有効だと思います。
その「必要そうなところ」が全部カンチャンとかだと和了れる見込みないですけど。
あとは個人的に大好きな染め手に向かうとき、
ただ枚数が多いから、じゃなくて手を構成できるくらいブロックがあるか、
ってことを考えるのは大切だと思います。
もちろん、4ブロックくらいあっても全部カンチャンとかじゃお話にならないので、
ある程度現実的にメンツになる可能性があるか? ってのは検討する必要がありそうです。
この理論を応用すると、牌姿を入力するだけで「こういう手になる確率が何%!」
っていうのが全部見えるマッシーンが爆誕するかもしれませんね。
麻雀ゲームのCPUってこういう理論使ってるのかなぁ、なんてふと思ったgomaでした。
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