職員採用全国から殺到 葛尾村 若干名に159人
東京電力福島第一原発事故で全村避難している葛尾村の平成25年度採用職員の一次試験が10日、郡山市のビッグパレットふくしまで行われ、「若干名」の募集に県内外から過去最多となる159人が挑んだ。受験者が殺到したことに村は「避難町村の復興に関心を持つ人が大勢いることの表れで、ありがたい」と受け止めている。
村によると、一次試験には北海道から九州までの男女213人が応募し、このうち159人が受験した。居住地別では県内が約6割、県外が約4割という。
村の採用職員数は震災前の平成22年度が3人、23年度が1人。受験者数は例年10人程度で推移していた。一方、正職員は震災後の昨年3月に2人が退職し、3月には34人の職員のうち2人が退職する予定。村民の生活支援や復興業務に対応するには補充が必要となっている。
村は他市町村と同様に昨年9月に試験を実施する予定だったが、応募者がゼロに終わったため、1月に再募集に踏み切った。募集が一部報道で紹介されたことなどから応募者が殺到。「受験者を収容し切れない」として、試験会場を三春町の仮役場からビッグパレットふくしまに変更した。
試験の結果は19日に合格者に郵送で通知する。村のホームページや三春町の村役場貝山事務所に合格者の受験番号を掲示する。3月3日に面接や作文などの二次試験を行う。
松本松男総務課長は「受験者の熱意に応えるためにも誠意を持って選考を進める」と話している。
全町避難している浪江町は4月1日付で一般職6人と看護職2人の計8人を新採用する。昨年夏に双葉地方町村会を通じて行った第一次採用試験には30人が応募した。町の担当者によると、震災前と同程度だったという。
ただ、震災対応などで昨年春の新採用を行わなかったため、昨年10月1日付で一般職や保健師などの新採用8人を募集したところ、約70人が殺到した。
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