PC遠隔操作容疑者逮捕前に警察が情報漏洩していたことについて 国家権力を使った晒し上げ
2013.02.11 04:00:04 記者 : ソル カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ : iesys.exe ゴールドラッシュ ソル 国家権力 片山祐輔 警察 遠隔操作
昨日早朝、PC遠隔操作事件に関連し威力業務妨害容疑で容疑者が逮捕された。。同容疑者は「iesys.exe(アイシス)」と呼ばれるウィルスソフトを使い遠隔操作を行っていたとみられる。同容疑者のPCから「iesys.exe」ファイルが見つかっており、捜査を進めている段階。
そんなPC遠隔操作事件容疑者逮捕の情報が事前に漏洩していたのではないかとネット上で囁かれている。今回の逮捕は深夜となったが、その少し前に某メディアが報じていたり、前日の日付の時点で容疑者の写真を撮影していたりと時系列的な矛盾が生じる。情報漏洩がおこなわれていれば違法行為であり、また特定媒体にする便宜供与に相当する大変な問題である。
例えばこちらの産経の記事をご覧頂きたい。
「正直に認めてほしい」容疑者否認に不安も 誤認逮捕の被害者親族
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130210/crm13021017440014-n1.htm
写真に使われているキャプションには逮捕前日の日付である「9日、東京都内で撮影された」と書かれている。何故この日に容疑者だと判断でき撮影できたのか。警察からの情報漏洩がなければこれは実現しない。また逮捕後には容疑者を取り囲む各メディアが集まっていた。これも警察により見せしめ行為ではないかとされている。公務員からの情報漏洩は違法行為であり、これらの報道は公務員の違法行為によって成り立っているものなのだ。
今回の事件で警察は誤認逮捕を行い自白を強要、警察は誤認逮捕された人たちの人生を壊してしまった。
この事件の、見逃してならない側面は、これが「警察による冤罪事件」であるということだ。先日警察庁長官の片桐裕氏と警視庁の警視総監樋口建史氏が更迭されたのもこの冤罪事件の責任をとったものと言われている。
警察側としては容疑者逮捕に全力を注いで失点を取り返さなくてはならない。そのため、逮捕時には大々的に祭り上げる予定だったのだろう。しかしそのために情報漏洩をおこなうことを許される時代ではない。これは国家権力を使った晒し上げであり、これまで国民は鈍感だったから問題点の指摘がなかっただけのことである。違法な情報漏洩をもって警察が名誉を挽回するという手法はネット以前の入手できる情報の経路と内容が限られていた人々であれば、喝采を送っていたかもしれないが、もはやそんな時代ではないのだ。「誤認逮捕」「自白の強要」と同様に「捜査情報の漏洩」に関しても、これらはすべて批判されるべき警察による問題行為であり、捜査とはまた別に警察関係者以外の第三者機関によってきちんと検証されるべきだろう。
逮捕後に迅速に情報が伝わるというのであればなんら問題はないが、逮捕前にこういった情報を漏洩する警察の体質は改められなければならない。情報の入口が新聞テレビだけだという古き時代では、もうないのだ。国民自身がその気になれば情報の入手経路をネットで検証でき、問題点があれば指摘できる時代になったのだ。そんな時代にあって、警察による違法な情報漏洩は決して見逃されてはならない。
ここまで大々的に情報を流して逮捕をする警察は、今回の逮捕に相当な自信があるようだ。しかし、今回の逮捕がまたも誤認であったら……想像するのも恐ろしいが、それでもやはり同じようなことが今後も繰り返されるのだろうか。
過去に『2ちゃんねる』で薬物取引に関連する書き込みの削除をめぐって、まったく関係のないガジェット通信編集部が家宅捜査を受けたことがある。その際も真っ先にマスコミから電話が掛かってきたり、編集部の前にマスコミが張り込みを行うという、今回と似たような事が起きた。
また2006年1月に起きたライブドアショックの際も、家宅捜索に入られる数時間前に先にNHKが報道しライブドア社員を混乱させた。もちろん報道されるまでは社内は平穏であり、そんなことを知って社員は誰も居なかった。むしろNHKのニュースで初めてその事実を知ったくらいである。これも同様に警察が情報漏洩をおこなった事例である。
このように警察の情報漏洩は、今回の事件だけに限らず多々あるようである。なんのために漏らすのかはケースバイケースであろうが、主に次の様なケースで情報を漏らすようである。
・ほかの大きな事件をうやむやにしたい際(警察にとって都合の悪い事件)。
・容疑者を晒し上げにしたい際。
・容疑者逮捕の瞬間を大勢のマスコミに撮って欲しい。
・政治がらみ。
このようなケースで主に情報を漏らすようだ。実は記者は上記2件(ガジェット通信及び、ライブドア)の家宅捜査に偶然立ち会っている当事者でもある。勤めてる会社が2社連続で家宅捜査を受けるなんてそうそう無いことであるが、どちらの会社も未だに健在で、ライブドアに至っては『LINE』で絶好調。まさに不幸中の幸いである。
PC遠隔操作事件容疑逮捕30歳の男性 過去にも犯罪予告で実刑を受けていた
※今回のケースに似たような警察の情報漏洩をご存じの方は、こちらのフォームまでタレコミお願いします。
タレコミ先:https://www.razil.jp/getnews/tarekomi/ [リンク]
PC遠隔操作事件容疑逮捕30歳の男性 過去にも犯罪予告で実刑を受けていた
※この記事は、ゴールドラッシュの「ソル」が執筆しました。[リンク]