サムスン証券の試算によると、円安が1ドル=110円まで進行すると韓国大手企業の営業利益は、最も影響を受ける航空業界で46.6%減少。対日競争力が大きい自動車でも4.2%、対日で圧倒的な優位を保つテレビ・携帯電話などでも2.3%のマイナス予測が出た。企業別では、ポスコが7%減-。
韓国の大韓貿易投資振興公社(KOTRA)のまとめでは、対ドルレートで円が1円下がると、トヨタ自動車の営業利益は400億円増加するとされる。これに対し9月には100円=1420ウォンだったウォンが12月17日には1276ウォンまで上昇するなど値上がり基調だ。
国家牽引力の喪失…。これが韓国が恐れる最悪のシナリオだ。
韓国中小企業の経営心理への影響も大きい。韓国貿易協会の調べでは、中小企業の4社に1社が、円高によって「新たな競争の構図が出現する」と答え、5社に1社は「輸出競争力に悪影響が出る」と回答している。