寂びれた街の十三番地

気ままに趣味に関することを書き連ねてます。 ssも…

スポンサーサイト

--.--.--

category : スポンサー広告

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消せます。

コメント

コメントを投稿


管理者にだけ表示を許可する
 

トラックバック

TB*URL

恐山

2011.10.26

category : ss

ル・ヴォワール
曲をつけた方が微笑み動画にupされているのを知り、正確にはそれをとある方が歌ってみたとしてupされた動画で最近知りました。
シャーマンキング自体は連載時から好きであの打ち切られ方には納得いっていなかったものです。
なんで人気下がってしまってたんでしょうね。
そして気になってwikiを調べたら葉とアンナは当然ですが蓮とジャンヌが一緒になってたんですね。
しかも二組とも子持ち。
自分の中のジャスティスがまた増えた気がします。


そして、やっとこさ久々のss更新です。
某スレで一度話題になった『ひょんなことから外の世界に霖之助さんが行くことになったら』
です。
一緒に行く人は少し下を見てもらえれば分かると思います。
では


霖之助 早苗 (諏訪子 神奈子)
少女が霖之助と一緒に外の世界に行くとしたら、どんな生活になるだろう。


紫が原因で起こしてしまった異変を、ひょんなことから解決してしまった霖之助。
彼女から報酬にと、霖之助が望んでいた外の世界へ行く権利を与えられる。

ただし、1年間という期限付き。
旅をするのもよし、一つ所に留まるもよし。
支度金と場所は紫が用意してくれるらしい。
必要なら仕事も紹介してくれる、と紫は言った。


それから1ヶ月間、霖之助は外の世界について勉強する。
そして……。







「霖之助さん、準備は出来ました? 」

香霖堂の入り口に立つ少女はそう尋ねた。

「そうだね。もう準備自体は終わっているよ」

そう言って彼は荷物を膝の下にまとめた。
僕は古道具屋・香霖堂の店主であるため、本来遠出するような荷作りをすることはない。
しかし今回は別物だ。なんといっても外の世界へ出向くことになる。
正直異変解決の見返りに外の世界へ、と要求したのは半分冗談のつもりだったのだが紫はあっさりと了承し、その用意を進めた。

「1ヶ月間だけでしたがあちらの世界の事は理解出来ました?」

「出来たとは思うが、どうなるかはあちらに着いてからだろうな」

「私も久しぶりなのでなんだか緊張してきます」

「しかし、こちらから誘ってなんなのだが本当によかったのか?」

「大丈夫、とのことですからおそらく大丈夫なんだと思います。それに何やらお二人とも何か考えがあるようですし」

「それならありがたい。あちらへ行ったら細かなことで世話になると思うがよろしく頼むよ。」

「さて、二人とも準備が出来たようですのでよろしいかしら?」

「ああ、お願いする」

「では、幻想郷にしばしの別れを」














紫の作り出したスキマへ通ると視界から光が奪われ、奇妙な浮遊感を味わった。
しばらく経ったかと思った矢先、再び光が指してきた。
思わぬ光に目をつぶってしまいその目を開けると僕達は見慣れぬ一軒家の前に立っていた。

「えっと、この様子だと外の世界に来れたみたいです。」

辺りを見回し早苗がそうつぶやいた。

「そうか、ここが外の世界か。すんなりと行けてしまうものだ」

「そうですねぇ……霖之助さん、とりあえず、家の中に入りませんか?」

「ここにかい……そうか、ここが用意してくれた家か」

標札には八雲と書いてあり、玄関前にはぼくらが持ち出した荷物が置いてあった。
荷物を持ち上げ、中に入ると少しだけ外の空気と違う感覚がした。
彼女の力に寄るものか、それともここだけは幻想郷と同じ世界だからなのだろうか。
答えなど出せはしないが僕は頭の中で後者を選択した
荷物をそれぞれの部屋に運び居間にでると座卓の上に二つの標札とメモ書きがあった。

『標札はどちらでもご自由に。無論あのままでも構いませんよ』

置いてある標札は僕の苗字と彼女の苗字だった。紫もいらぬ世話をしてくれるものだ。
隣で同じように早苗も書き置きと標札をコロコロと見返していた。

「これはどういう意味でしょう?」

「まぁ、あの人の悪巧みというか気遣いというか、そんな所だと思う」

「はぁ。ならどうします? やっぱり霖之助さんの苗字の方がいいですかね。ぱっと見たら霖之助さんの方が家主っぽいでしょうし」

「それもそうだな。 なら付け替えておこう」

「じゃあ、私は台所とかの水まわりを見てきますね。ついでに一息入れましょう」

「ああ、お願いするよ」

二人共それぞれ逆の方向に歩いていった。
僕は玄関へ、彼女は台所があるであろう家の奥へと。
外へ出て改めて気づいたのだが、以前僕が見た外の世界とは少し違うような感じであった。
確かに無機質な冷たさはそこかしこに見当たりはするのだがあの時ほどの冷たい感覚はせず空気も幻想郷にいた頃とそんなに変わらない。
僕が見た外の世界とは別物なのか、それともここら一帯だけが違う場なのかはたまたこれは紫が見せている幻想で僕は騙されているのか
騙されているというのならやはり紫という妖怪は底が知れない。
僕に妖怪というものの大きさひいてはちょっとくらい異変を解決したぐらいで調子に乗らないようにと警告を伝えているのかもしれない。


「霖之助さーん。お茶の用意出来ましたよ」

不思議そうな顔をした彼女がそう言った。

「ああ、すまないね。考え事を少し」

「そうだと思いました。霖之助さんがそうしている時はだいたいどうでもいい薀蓄か解説を考えてる時だって」

「一応聞くがそれは誰に?」

「主に魔理沙さんに。あと霊夢さんも頷いてました」

僕は返事の代わりに溜息を一つ吐きまた居間に戻った。
部屋に戻り、ひと息入れると彼女にさっき思ったことを話した。

「うーん。私はそんな感じはしませんよ。少し懐かしいと思ったぐらいで」

「君がそう感じるのならそちらの方が正しいのかもしれないな。外の世界への感受性は君の方が上だろうしね」

「それに夢だったら夢って気づいた時に覚めちゃうものじゃないですか? 私の見る夢はだいたいそうなんですけど」

なんともあっけらかんな考えに僕の方が邪推しすぎていたかと思える意見だった。
懸念していた事がなくなると次は何をしたものかと考える時間になった。
その中で彼女が

「じゃあ、とりあえず買い物に出かけませんか? 食料とか私は服とかある程度揃えたいですし。霖之助さんもずっとそのままの服だと不便じゃないですか?」

「不便といったことはないが、外の世界のものは見てみたいな。幻想郷にあるものは壊れていたり完全でなかったりしたものが多いからね」

「でもその服……私もあまり言えた格好じゃないですけどこちらじゃ浮いた感じになっちゃいますよ? 『郷に入っては郷に従え』ですから服もついでに少しぐらい買いましょう」

「分かった。そういった点は君に任せよう」

「じゃあ、行きましょう! お金はもらってますよね」

「ああ、通帳と財布だけを渡されたんだが」

「それがあれば十分です。何か分からないことがあったら私が何とかしますから」

買い物に出かけることになると彼女は俄然楽しそうに準備をし、僕を急かした
家の外へ出るとまずは街へ出るための移動手段、近場にはバス停があったためそこでバスを待つことになった。
来たバスを見ると本当に大勢の人が乗れるような作りとなっていた。やはり外の世界の技術というものは驚くべきものだった。
彼女は一日走るバスの台数の少なさに少し悩んでいたようだったが周りの様子が木々から建物に変わってきた頃にはどこに何があるのかを注意深く見ていた。
彼女が降りましょうといったバス停で降りた。
綺麗に財布の小銭が無くなったため、紫はこういった所まで予測していたのだろう。

「さて、これからは早苗のファッションチェックの時間ですね」

僕のメガネを取り、自分にかけ直してそう言った。
よく分からない、そんな表情をしていたのだろう。彼女は恥ずかしそうにメガネを外すと俯いて返してきた。

「き、気を取り直して行きましょう。霖之助さん」

そこからからはまさに怒涛といった流れであった。
ATMと呼ばれるお金を引き出す道具の前で引き出せる額に彼女が大層驚いていたり、その後やけに挙動不審になっていたり服飾のお店に行くと
僕を置いて自分の服選びに没頭していたり、僕が手持ち無沙汰にしていると僕にはこういったものが似合うと言い、服数着を渡して試着してみてくださいと言われたり、
試着した後、うんうん唸った後また別のを持ってきて同じ事を繰り返す、そんなことをして時間が過ぎていった。
そして今の僕の両手は買い物袋で塞がっている。
彼女はご飯の食材を買いに行った。夕食は蕎麦と天ぷら。
今日は引越しをしたようなものですから引越し蕎麦ですね!とは彼女の談である。
僕は別段食べたいものもなかったので彼女に従う事にした。



そしてまた帰りはバス。運転免許と車さえあれば自分達だけで移動が可能なのだろう。
試しに乗ってみたいという考えと技術的な問題で不安が沸き起こる。
とりあえずその考えはもっとこの世界に慣れてからでいいかと結論づけた。
それにバスに乗って外を眺めながら走っているのは僕としてはやはり面白い。
街中にでると以前夢で見た感覚を思い出したが人々の喧騒を見ているとやはり人間の住む世界なのだなと実感する。
それと同時に物足りない感覚もある。
これが妖怪や神の生ける場所では無くなったという事なのだろうか。
そんな事を西に沈む夕日を見ていると考える。

ふと、右肩に何かが当たり、何かと思えば彼女だった。
はしゃぎ過ぎたのだろう。それに加えこの一定周期でバスに揺られる感覚は人の眠気を誘うに十分なのだろう。
帰ってからのご飯の用意は僕がした方が良さそうだ。


次第にバスから見える景色が木々や山に変わり目的のバス停へ近づいた。
気持ちよさそうにしている所に悪いが彼女を揺すって起こす。
起こされた彼女は数瞬ぼうっとした後、目がさめたのか僕の肩に頭を寄せていることに気づき、お昼にバスから降りた時より顔を赤くして身を起こした。
家に着くまでに数人の隣人に会い、軽く挨拶をした。
僕らが居てもあまり驚いたようではなかった。そういった点を含めて紫が何かかんでいるのかもしれない。

家に着き買った食材を台所に並べ、準備を始める。
こちらの世界では蕎麦は一から手打ちすることは稀らしく乾麺が市販されている。
味は手打ちの方が断然美味しいとのことだったが。
今回は僕が味見してみたいというのもあり市販されているものを使う。
天ぷら用には春野菜が並んでいる。これらの質は中々のものだ。
彼女も幻想郷で目利きがついたのだろうか。
さて、コンロを扱うのは初めてだが大体の事は紫に教わっている。
火加減さえ間違えなければそんなに使いにくいものではないだろう。
しかしそれでも彼女は不安なのか、チラチラとこちらを覗いに来る。

「そんなに気になるならこちらに来て座ってなさい」

「あ、はい。すみません」

少しだけ申し訳なさそうにして彼女は椅子に腰掛けて僕を見守っていた。
幸い僕の予想通り何の問題もなく調理を終えることが出来た。

出来た蕎麦と天ぷらを器に盛り居間へ持っていった。
そして今日のこと、明日のこと、これからのことをぼんやりと二人で話した。
霊夢や魔理沙と食を共にすることは間々あるが彼女とはそういえばこれが初めてだった。
彼女との会話は基本的に僕が喋り彼女が相槌を打つという形だった。
それが逆になるのは外の世界の事情や道具などに関する時だ。
そうこう話している内に蕎麦はなくなりと天麩羅も残り少なくなった。
腹の具合もいい塩梅になっていた。
そう思っていると彼女がはっと気がついた顔をした。

「思い出した! 私お二人に言われてたことがあったんでした!」

そう言い終えるが早いか、彼女の部屋に戻って二体の人形を持ってきた。
その二体の容姿は彼女の神社に祀られる八坂神奈子と洩矢諏訪子を二頭身、大きさにして三寸ほどに小さくしたものだった。

「あ、この人形はですね。お二人が旅立つ前に持って行きなさいと仰ったもので外の世界についたら神棚に祀って二人で詣って欲しいとのことでした」

忘れていたことを思い出したからか早口でそう語る彼女。
彼女を了解の上とは言え連れ出して一年も側から離すのだからそれくらいは当然かと納得し二人で神棚に向かった。
そして二人並んで拝礼を行った。といっても本当に簡易的なものなので後日きちんとしたほうがいいかもしれない。
そしてふと二体の人形へ目をやると、カタカタを揺れている。
地震が起きているはずもなく明らかに人形だけが動いているようだった。

「なぁ、早苗。僕の目が正しければ人形が動いているようなのだが」

「えっ。あっ、ほんとだ! なんでしょうこれ?」

「僕には分からない現象だから聞いてみたんだがね。」

僕も彼女もカタカタを動く人形を見ていた。そしてその動きが止まったと思った瞬間

「ぷはーっ。 やっと落ち着いた!」
「結構時間かかるものだねぇ」

「その声は、神奈子様と諏訪子様! もしかしてこの人形を依代に?」

「その通り。ま、上手くいくかは二人の信仰心次第だったけど」
「何とか依代に移るくらいは出来たみたい」

「でも、まだ関節が微妙だわ」
「そこら辺はこれから慣れていくんじゃない」

「そういう事でよろしくね」
「よろしく」

「は、はい」
彼女は雰囲気に飲まれただ頷いていた。
僕の方は喋りだした時には驚きもしたが今はこんな玩具のような人形でも依代になり得た事に感心していた。

「それにしたって二人共、拝礼は略式でもいいとしてもお供え物がないのは頂けないよ」

そう不満そうに漏らした諏訪子。
拝礼は略式でもいいという所に突っ込みたかったが幻想郷の住人は神ですらこんなものなのだろうか。
以前霊夢に博麗神社に祀られている神について話した時の事を思い出す。
神がこのようだから巫女もああなるのか、果たして幻想郷特有なのか。
慌てて残り物の天ぷらを持ってきた早苗とそれを少しだけふくれっ面をしながら平らげる二神を見ながら僕はそんなことを考えていた。





















はい。今回は春編ということにしたいと思います。
四季で起承転結の一作品にしようかと考えています。
バスとか電車に揺られるのは無性に気持ちいいものじゃないですか?
そんな事を言いたかっただけなのかもしれません。

コメント

コメントを投稿


管理者にだけ表示を許可する
 

トラックバック

TB*URL

PrevEntry |  to Blog Top  | NextEntry
プロフィール

ピザ配達人

Author:ピザ配達人
しがない大学生


ねこ好き、漫画好き、アニメ好き、スクエニ好きな輩です
基本、雑食、ノマカプ厨
東方Projectにはまり、日々是精進


RADWIMPS ELLEGARDEN the HIATUS Base Ball Bearなどの音楽が栄養分

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
モンハン3rd
ついってー

Copyright ©寂びれた街の十三番地. Powered by FC2 Blog. Template by eriraha. Photo by sozai-free 2000px.

FC2Ad

FC2ブログ