創作のレシピを公開します—イケダハヤトはなぜ炎上するのか?

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2013/02/10


先日「かみぷろ」の取材を受けてきまして、ひっじょーに面白い時間を過ごさせていただきました。プロレスをずっと追いかけてきた人たちだけあって、なんというか、人の「戦い方」についてはハンパない洞察力があります…。色々見抜かれて冷や汗が出ました。


あらゆるものを切り出せ

ぼくがなぜブロガーとしてそれなりに食えているかといえば、それはシンプルで、「できるだけ多くを”切り出して”いるから」です。

ぼくは何かすばらしいものを見つけたとき、瞬時にブログを書きはじめます。書かないでいると、自分の中に澱が溜まっていってしまい、本気で気持ちわるくなります。

一方で、何かイラっときた瞬間、「これはおかしい」と思った瞬間があれば、それをすぐ文章化するようにしています。これもやはり、出さないと気持ちわるくなるのです。

普通の人は、すばらしいものを見つけても、イラっとしても、よほどのことがなければ、ブログにアップすることはありません。ぼくと他人の違いはそこです。


文章を書いている時間は、ぼくにとって癒しです。今もまさに、ものすごく癒されています。ぼくは「ブログでメシを食う」ために、意識的に、そういう体質に自分を変えてしまいました。だから、こうして書き続けられますし、書き続けざるを得ないのです。あらゆる刺激に対して、ぼくはそれなりに敏感に反応して、すぐに文章をしたためるのです。


ネット時代が可能にした創作技法

こうした高速な「インプット→アウトプット」の表現は、ネット時代が可能にした新しい創作の技法です。

ネットがない時代には「今日はこんなことがあった」と世界に発信することは、そう簡単ではなかったのですから。太宰治とかがブログで日記を公開していたら、相当面白かったと思います。

ぼくがなぜ注目を浴びることができているかといえば、その理由の一つは、「インプット→アウトプット」の回路が高速で、あらゆる刺激を切り出し、オンラインにアップすることに成功しているからなのです。こういう手法を本気で試したことがある創作者は、それほど多くないのではないでしょうか。


注意したいのは、ぼくが受けている刺激は特段、珍しいものではないということです。ぼくは凡人です。特別なバックグラウンドもありません。毎日普通に生活しているだけです。

ただ、普通の人は、「普通の生活」にまつわる刺激を、ぼくのような頻度では切り出しません。なので、自分を切り出しつづけるぼくが、自然と目立ってしまうわけです。


受けている刺激が平凡である以上、ぼくは新しいことを書いているわけではありません。多少働き方は特殊ですが、実際、感受性も発言内容も、ごく普通の若者のレベルです(これはぼくが超えなければいけない壁です)。だから「いいね!」も集まるのでしょう。本当に新しければ、誰もいいね!を押しません。

違うのは、「高速なインプット→アウトプットの回路を持つ」ごく普通の若者、という点です。ぼく以外にもすばらしいインプットを得ている人は山のようにいますが、彼らはアウトプットのスピードが遅いか、そもそもアウトプットしていないのです。


家入さんの創作活動に共感するのは、彼が「普通の人でも自分を切り出せば価値を生み出せる」という確信のもと、表現を行っているように感じられるからです(顔面広告はその代表作でしょう)。

かくいうぼくも、「普通の人でも自分を切り出せば価値を生み出せる」を実証している人間のひとりだと思っています。


というわけで、ぼくが競争優位を維持できているのは、誰もぼくのようにアウトプットしないからだと、自分では考えています。

「イケダハヤト」より優れたインプットを得ている人が、イケダハヤトのようなアウトプットをするようになったら、イケダハヤトはすぐに価値がなくなるでしょう。そうならぬよう、ぼくは回路をさらに鍛え、インプットの質を高めていくのみです。


炎上するのはアウトプットするから

捕捉すると、ぼくが炎上する理由もまさにここで、普通の若者はわざわざ言わない or 言えないようなことも、ザクザクと切り出しているからなのでしょう。

人間社会に生きている以上、反社会的な思い(「上司がうざい…」など)を抱く瞬間は出てきます。

多くの人はそこで口を噤むわけですが、ぼくは縛られていないので、そういう反社会的なことも書ける立場にあります。で、炎上すると。


ぼくは書くことが好きなので、当面は「高速なインプット→アウトプット」という方向性を模索したいと思います。何よりそれは、生き延びるためにも必要です。

いずれ年老いたときには、アウトプットの頻度を極端に減らし、「鶴の一声」的なことばを発することができる存在になっていたいと願っています。


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