うまくなるし長期保存も出来ます。
日本人の大好きなマグロの刺身。普通は醤油やワサビをつけて食べます。
しかし、ただマグロを刺身で食べるよりもうまくする方法があります。今日はそのやり方を紹介します。
馬場吉成(ばばよしなり)
1972年生まれ。毎朝夫婦2人分の弁当を作り日々仕事に励んでおります。200kmぐらいマラソンしたり、無駄に利き酒師や野菜ソムリエや裸足ランニング協会公認指導者だったり、元プロボクサーだったり。自分でも何処へ向かっているかよく分かりません。体力系、料理系の記事を多く書いてます。
最近は日本酒と発酵食品をメインにした飲み屋もやっています。
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親父弁当 酒と醸し料理 BY
マグロの赤身を用意します
マグロをうまくする方法。まずはマグロの赤身の部分を用意してください。
残った刺身でも構いません。しかし、一度に大量に作った方がお得です。
短冊状に切り分けます。5〜10mm程度の厚さが丁度いいです。
ボールに入れてラップでフタをしてもいいですが、冷蔵庫内でひっくり返して大惨事なんてことにならないようにしっかりフタが出来る容器がいい。経験者は語る。
切り分けた物は密閉出来る容器に入れます。まずそこに醤油を注ぎ入れる。
配分は適当に目分量でも構いません。醤油が多めの方がいいでしょう。
続いてミリンを入れます。醤油とミリンの配分は、醤油2に対してミリンが1ぐらい。刺身にかぶるぐらいの量の醤油とミリンを入れます。
生姜以外に粉山椒を少し入れてもいい。ごま油やラー油は入れてはいけません。理由は後程。
更に生姜のスライスを1かけ分ぐらい入れて軽く混ぜ合わせます。漬けたマグロはフタをして冷蔵庫に保存します。
マグロのヅケとしてこのまま食べるならひと晩ぐらい。マグロをうまくする為、3日間しっかり漬け込みます。
干し網は一家に一つあるといい
このままでも一応食べられますが、醤油がキツイのでイマイチ。
まず醤油に漬けたマグロをザルにあげます。しばらく置いて醤油を切ります。
部屋が醤油の匂いにつつまれる。醤油の香りや焼き立てパンの香りなど、食い物系の香りの芳香剤が有れば結構需要が有るのでは?
おおよそ醤油が切れたらホコリがかからないように上にフタをして、低温で乾燥した風通しのいい日陰に置きます。更に醤油が垂れてくるので、ザルの下には受け皿を置いておきます。
上を向いた表面が乾いてくる。しかし、まだ乾燥初期段階。ここからが長い。
この時点でも醤油が垂れてくることがあります。受け皿に溜まった醤油はそのつど捨ててください。
裏返して表面全体が乾いたら、干物を作る干し網へ移します。
美しく黒光りしてきます。食べられるようになりまでもう少し。
間を開けてマグロを並べます。1、2日ごとにひっくり返して中心までしっかり乾燥させます。干し網はザルと同様に低温で乾燥した風通しのいい日陰に吊るします。室内で構いません。
冷蔵庫内で1か月ぐらい保存可能。
中心まで乾燥したら出来上がり。容器に入れて冷蔵庫で保存します。
酒に驚くほど合う!
見た目は少し厚いビーフジャーキー。いや、鰹節か?
出来上がったマグロの漬け干しは、程よい厚みに切ってそのまま食べます。
ビーフジャーキーと並べてみた。あまり似てなかった。
食べた感じはかなりソフトなビーフジャーキー。噛んでいくとネットリと更に柔らかくなります。
ゆっくり噛みしめながら食べると、醤油と生姜のきいたマグロの旨味がどんどん出てきます。
味は、しっかりとしたマグロの旨味に醤油と生姜の風味が合わさり、いつまでも口の中にいて欲しい感じ。生のマグロの時とは違う熟成された味が後をひきます。
日本酒を開けずにはいられない味です。
これを食べながら日本酒を飲むと最高に美味しいです。お酒の飲めない方は、炊きたてのご飯の上に乗せて食べるのもいいでしょう。とにかく酒もご飯もススム味です。
もう笑いの止まらないうまさ!
冬季限定
ただ、このマグロの漬け干しは乾燥して寒い冬の時期しか作れません。最高気温が20度を超えてくるようになると、干している間の劣化が心配なので作らない方がいいです。冷蔵庫内だと乾燥が進まないのであまりオススメしません。
また、干すのに10日から2週間ぐらいかかります。その間、頻繁に箸を使ってひっくり返す作業をしないといけないので、非常に手間がかかります。
それから、脂の多い魚で作ることや、風味をつけようとごま油などを入れるのも止めた方がいいです。なかなか乾燥しないばかりか、油が酸化して美味しくないです。白身魚は歯ごたえだけで味がイマイチ出ません。マグロの赤身が最適です。
色々大変ですが、是非作ってみてください。うまいです!