【柏崎歓】車掌さんと運転士さんが恋をした。
朝も夜も、平日も週末も、列車は走る。だから仕事の時間は不規則だし、同じ日に休みがとれるのが、月1日しかないこともある。
それでもふたりは幸せいっぱい。
「気が合って」「雰囲気が好き」
JR西日本の運転士、山田邦弘(くにひろ)さん(29)と車掌の祥代(さちよ)さん(26)は14日、ノースゲートビルディング最上階の「ラグナヴェール・プレミア」で式を挙げる。乗務員として数え切れないくらい行き来してきた大阪駅が、ふたりの旅立ちの場所になる。
職場の同僚を通じて知り合った。昨年2月、出会って最初のバレンタインデーに結婚。仕事の都合で後回しになった式を、2度目のバレンタインに挙げることにした。
去年のバレンタインはふたりの都合を合わせて婚姻届を出すのが精いっぱいで、祥代さんがチョコを渡したのは数日後。今年は、きっと、もっと忙しい。「その日に渡すのはたぶん無理」。祥代さんは宣言した。
式の打ち合わせでラグナヴェールを訪れる日は、運転士と車掌ではなく、ありふれた仲のよいカップルとして大阪駅を歩く。
ノースゲートビルとサウスゲートビルを中空で結ぶ「時空(とき)の広場」。高さ9メートルの金時計を、いつも手をつないで見上げる。
「もうすぐだね」「緊張するね」
針が時を刻むたび、特別な日が近づいてくる。
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