会員35万人、韓国最大の売春あっせんサイトを捜査

売春業者の広告で埋め尽くされた画面、広告料金は月50万ウォン
当局が有害サイトと認定した後も運営続行

 ランジェリー・フルサロン(ルームサロン〈高級個室バー〉と売春用ラブホテルを一つのビルで同時に経営する風俗店)を4人で利用する場合の見積もりをお願いします」

 あるウェブサイトにこのような質問が寄せられた。隠語で表現されたこの質問の本当の意味は「下着姿の女性との買春を含む酒席を望む」というものだ。質問が寄せられてから10分もたたないうちに「(ソウル市)江南でエース級のオンニ(未婚の女性)約100人が営業している」「社長、当サイトの会員は割引するから、連絡下さい」といったコメントが寄せられた。

 このサイトは韓国最大の「売買春専門ポータルサイト」で、会員数は35万人に達する。サイトの画面はフルサロンやルームサロン、違法あんまマッサージ店など、約350の風俗店のバナー広告で埋め尽くされていた。業者の場所も、ソウル市や釜山市、済州道など全国にまたがっている。バナー広告をクリックすると、胸を露出させた女性の写真などとともに、業者の位置や電話番号が表示される。サイトの会員たちが見積もりやシステムの説明を依頼すると「(詳しい情報を)メールで送った」というコメントが付く。メールには飲食代や女性従業員の接待費用、サービスの内容(性的関係を持つ時間)などが細かく記されていた。つまり、このサイトは買春を希望する男性と売春業者を結ぶ「ブローカー」だ。利用者たちが残した感想のコメントは3万件ほどに達する。

 買春をする男性たちの間で「メーカー」と呼ばれるこのサイトの管理人が最近、検察の事情聴取を受けていることが分かった。ソウル中央地検女性・児童犯罪捜査部は8日、広告料金を受け取り、売春業者を紹介する広告をサイトに掲載し売買春をあっせんしたとして、サイトの管理人の男(37)に対し事情聴取を行っている、と発表した。男は2011年以降、約200カ所の売春業者から毎月40万-50万ウォン(約3万4000-4万2000円)を受け取り、サイトに広告を掲載するという形で、およそ10億ウォン(約8500万円)の収入を得ていた疑いが持たれている。

 昨年11月、江南地区一帯の売春業者を取り締まっていたソウル地方警察庁広域取り締まり班は、業者が毎月一定の額を広告料金としてサイト管理人の男に支払っていた証拠をつかんだ。問題のサイトは、表向きには合法な形で運営されている。男は「ほかの売買春あっせんサイトは、海外のレンタルサーバーを利用して取り締まりを逃れてきたが、うちは韓国のレンタルサーバーにサイトを登録し、合法的に運営している。広告を依頼した業者が売春を行っていることは知らなかった」と主張した。だが、問題のサイトについて捜査を行った警察の関係者は「サイトが売春業者の広告で埋め尽くされているのに、売春業者だとは知らなかったというのは、つじつまが合わない。サイトを開設した時期などを考慮すると、これまでに売春業者から受け取った広告料金は数十億ウォンを超えるとみられる」と説明した。

 インターネット上の有害な情報をモニタリングしている放送通信審議委員会は昨年12月、問題のサイトを有害サイトと認め、事実上の閉鎖(削除、利用の禁止、アクセス遮断の対象)とすることを決定した。同委員会はこのサイトが登録されたレンタルサーバー業者に対し「当該サイト運営者との契約を解除するように」と要請し、同業者はこれに従って契約を解除した。だが、問題のサイトは現在も、閉鎖の決定が下される前と同じURLで運営されている。

 放送通信審議委員会の関係者は「今回の事件の場合、現行法上、レンタルサーバー業者に対し当該サイト運営者との契約を解除するよう要請できるが、表現の自由や著作権の問題のため、ドメイン(インターネット上の住所)自体を削除することはできない」と説明した。有害サイトとして指定されても、レンタルサーバー業者を変更すれば、同じドメインでサイトを運営できるというわけだ。同委員会が問題のサイトを有害サイトとして認定した8日にも、このサイトには依然として売春業者の広告が掲載され、利用した男性たちの感想が寄せられている。

甘恵琳(カム・ヘリム)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
関連ニュース