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遠隔操作ウイルス事件の経緯
2月10日 5時50分

遠隔操作ウイルス事件の経緯

「真犯人でない方を逮捕した可能性は高い」として全国の警察のトップが謝罪する事態となった遠隔操作事件。去年6月から9月にかけて、インターネットの掲示板などに無差別殺人などの犯行予告が相次いで書き込まれました。事件の経緯をまとめます。

警視庁、大阪、神奈川、三重の各警察はそれぞれインターネット上の住所に当たるIPアドレスなどをもとに、4人の男性を逮捕しました。
しかし去年9月、男性らのパソコンがウイルスに感染するなどして第三者が遠隔操作して書き込める状態になっていたことが分かりました。
事件に無関係の人を逮捕していた可能性が出てきたのです。
去年10月中旬、真犯人を名乗る人物から東京の弁護士などのもとに、犯行声明とみられるメールが届きます。
真犯人を名乗る人物はみずから作ったとする「iesys.exe」という新種のウイルスを使って、他人のパソコンを遠隔操作していたのです。
メールには「警察、検察をはめてやりたかった」と書かれていました。
各警察本部は「4人を誤って逮捕した」と認め、被害者に謝罪しました。
真犯人を特定するため、4都府県の警察本部は合同捜査本部を設置し、メールの発信元などの捜査を進めました。
弁護士などに届いたメールはアメリカのサーバーを経由していたことがわかり、FBI=アメリカ連邦捜査局などに捜査員を派遣。
しかし、発信元の特定を難しくする「Tor」という特殊なソフトが使われ、特定は困難でした。
そして、年が明けて、再びメールが相次いで送りつけられました。
メールの内容どおり、神奈川県の江の島にいる猫の首輪に記憶媒体のマイクロSDカードが取り付けてあるのが見つかりました。
この中には遠隔操作ウイルスのプログラムが入っていました。
猫がいた場所の近くには防犯カメラがあり、このカメラの映像を調べたところ、猫に近づく不審な男が映っていました。
初めてとらえた容疑者とみられる人物の姿。
警視庁などは江の島周辺の防犯カメラの映像をいくつもたどりながら足取りを捜査して、男を突き止めたということです。

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