捜査かく乱など特異な展開の事件に2月10日 13時34分
今回の事件は、真犯人が他人のパソコンを遠隔操作して無差別殺人の書き込みをしたり脅迫メールを送ったりするだけでなく、コンピューター関係の高度な知識を悪用して警察の捜査をかく乱するなど特異な展開を見せました。
犯行声明のメールに動機
犯行声明のメールの中で、真犯人を名乗る人物は「警察・検察をはめてやりたかった。醜態をさらさせたかった」などと無関係の人を誤って逮捕させた動機に触れていました。
メールやインターネットの掲示板への書き込みなどは、匿名性の高い海外の複数のサーバーを経由して発信元の特定を難しくする「Tor(トーア)」と呼ばれる特殊なソフトが使われていたため、警察の捜査は難航しました。
大阪や三重の男性が誤って逮捕されたケースでは、男性が住む地域を特定したうえで、近くの場所や施設での犯行を予告するメールを送りつけ、捜査をかく乱させていました。
去年11月には自殺をほのめかすような内容のメールを送りつけたため、警察は添付された写真の撮影場所の情報を元に大がかりな捜索に乗り出す事態になりましたが、手がかりは得られませんでした。
メールで捜査をやゆ
また、メールには捜査をやゆするようなことばが随所に使われていました。
犯行声明のメールでは、警察や検察に対して「あそんでくれてありがとう。またいつかあそびましょうね」などと、からかうようなことばを使っていました。
ことし届いたメールでは「新しいゲームのご案内です」などとして、パズルを解くとメッセージや写真が現れるような仕掛けを作っていました。
報道機関や弁護士にもメール
真犯人を名乗る人物からは去年からことしにかけて合わせて4通のメールが報道機関などに送られていました。
最初は犯行声明のメールで、去年10月9日と10日、東京の弁護士や民放に相次いで送られました。
遠隔操作ウイルスによる誤認逮捕の可能性が明らかになったあとでメールは、「私が真犯人です」というタイトルが付けられ、他人のパソコンを遠隔操作して無差別殺人などを予告した書き込みをしたりメールを送ったりしたことを認めていました。この中では、犯人しか知りえない内容が含まれていたほか、送りつけられた側が気付いていなかったメールの存在も示していました。
1か月余りあとの11月13日には「ゲームは私の負けです」などと書かれたメールが届きました。キャラクターの人形などが撮影された写真が添付され、「捕まるのが厭なので自殺します」などと自殺をほのめかすような内容が書き込まれていました。
ことしの元日には、「新しいゲームのご案内です」と書かれたメールが報道機関などに届きました。添付されたクイズを解くと「遠隔操作ウイルスのプログラムを入れた記憶媒体を山に埋めた」というメッセージが現れ、現場の写真も添付されていましたが、見つかりませんでした。
その4日後には、「追加のパズルを用意した」という4通目のメールが届きました。クイズを解くと、神奈川県の江の島にいる猫の首輪に記憶媒体を取り付けたことを示す写真が見つかりました。
実際に記憶媒体を首輪に付けた猫が見つかり、記憶媒体には遠隔操作ウイルスのプログラムが入っていました。
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