再生の原風景 渡良瀬
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【国際】中国、インド洋で存在感 パキスタンで港運営権【バンコク=杉谷剛】パキスタン南西部の要衝グワダル港の運営権が、シンガポール企業から中国の港湾企業に移る。パキスタン政府がこのほど、承認した。アラビア海に面するグワダル港は交通・軍事上の重要拠点で、インド洋から中東方面の海域で中国の存在感が高まる可能性が高い。中国の海洋覇権強化の動きに、インドや米国などはいっそう警戒を強めそうだ。 AFP通信によると、中国はグワダル港の建設に当初から積極的に関与。建設費二億五千万ドル(二百三十二億円)の75%を拠出し、二〇〇七年に開港にこぎつけた。ペルシャ湾岸からアジア向けの原油タンカーが行き交うホルムズ海峡に近いため、石油戦略上の重要な港となっている。 シンガポールの世界的な港湾会社PSAが二〇〇七年から四十年間の契約を結んで運営してきたが、追加の開発計画をパキスタン側が拒否したため撤退を決定。中国企業が引き継ぐことになった。 移転時期は明らかになっていないが、中国は将来、中東からの原油を同港からパイプラインで輸送する可能性も生じ、メリットは大きい。 同港をめぐっては、二〇一一年五月、パキスタンの当時の国防相が英紙フィナンシャル・タイムズに対し、「ギラニ首相(当時)が中国に海軍基地の建設を依頼した」と発言し、海外の大きな関心を集めた。中国外務省は確認を避けたが、両国の関係強化を示す出来事として注目された。 中国は東シナ海や南シナ海と同様、インド洋での覇権を強めようと、ミャンマーやバングラデシュ、スリランカでも港湾整備を支援している。 各国の港湾拠点が弧を描くようにインドを囲むため「真珠の首飾り」戦略と呼ばれ、インドは警戒を強めている。同国のアントニー国防相は六日、「わが国の懸念事項」と述べ、注視する姿勢を示した。 PR情報
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