パソコン遠隔操作事件で、4人を誤認逮捕する失態を演じた警察が、30歳の男の逮捕に踏み切った。きっかけは、ネット空間を出た男が現実世界に残した足跡。真犯人を名乗るメールを何度となく送りつけ、進まぬ捜査をあざ笑った「劇場型」の事件は解決に向かうのか。
1月中旬、東京・秋葉原のネットカフェを警視庁の捜査員が訪れた。「この利用者を知っていますか」。4人の名前と生年月日を挙げ、利用履歴の確認を店員に求めた。
その中でただ1人会員登録していたのが片山祐輔容疑者(30)だった。捜査員はその翌週、片山容疑者が使ったパソコン(PC)2台を押収し、持ち帰った。
停滞していた捜査を動かしたのは、真犯人を名乗る人物が「現実世界」に次々と残した痕跡だ。