虚構の環:第1部・再処理撤退阻む壁/2 エネ庁・電力各社、撤退を模索
毎日新聞 2013年02月04日 東京朝刊
課員数人だけの勉強会。課員は「結論は『再処理を止める』でいいとしても道筋が難しい。電力会社と地元への対策で5年はかかると思った」。ところが中心メンバーが異動し、作戦は外部に存在を知られないまま1年で終了した。
X作戦から十数年を経て動き出したのがエージェント会議。経産省職員が当時を語る。
「東電の勝俣恒久社長も再処理に慎重だった。再処理工場ではまだウランを使った試験(ウラン試験は04年12月)をしておらず、今より廃炉にしやすかった。『今回はやれるかも』といちるの望みを持った」
国、電力いずれもが撤退を模索した。だが「ばば抜き」の構図からなかなか抜け出せなかった。=つづく(肩書は当時)