夢幻夜想曲:プレイ報告その1−3
EP−ROMさん(nifty:FCGAMEX/MES/8/29262-29264)
98年最後のXゲームとして、アプリコットの「夢幻夜想曲リニューアル」をプレイしましたので報告してみたいと思います。
美里 みーつけた!
EP み、美里! ここはMES(16)じゃないぞ。何で出てきたんだ?
美里 EPちゃんが浮気しないように見張ってるの (^_^)
EP 浮気って、あのなあ・・・
美里 「だって、わたしがいるんだもの。浮気は絶対にしちゃダメ」(バーチャコール3の光海ふうに)
EP 「お前なあ。『別のかわいい彼女を見つけて』って言ったのはどこの誰なんだ?」
美里 「あの時はあの時。今と状況が違うでしょ。それに、スケベなEPちゃんが、1年間わたしのことを思い続けていたんだもの。わたしで不満はないでしょ?」
EP 「まあ、それはそうなんだが・・・」
美里 「というわけで、気にせず行きましょ。こういう形式で感想を書く人がいたっていいと思うの」
EP 「それもそうかな。では、この形式で感想を書いてみるか」
美里 「そう言えば、『PALETTE』以降はしばらくXゲームやってなかったわよね?」
EP 「ああ。ちょっと興味がある程度で、買おうというまでの気が起こらなかったので。会議室の評価を聞いてから買えばいいと思った。代わりにやってたのが」
美里 「やってたのが?」
EP 「C++Builder3」
美里 「ぷっ、何それ?」
EP 「うるさい、俺がプログラミングをやって何が悪い?」
美里 「だって似合わないわよ?」
EP 「閉鎖になっちゃったMES(18)でのプロジェクトだが、現在も水面下で進行中なのだ。そのシステムを今作成している。ある程度できたら、皆さんにお披露目できたらなあ、と思っているけど」
美里 「頑張ってね。話は夢幻夜想曲に戻すけど、このゲーム今になってやっと買ったのね」
EP 「ああ。ハードディスクを大量に消費すると聞いたので。俺のハードディスクは1GBしかないからな」
美里 「今時それでよく運用できていたわねえ」
EP 「だから色々なソフトを入れたり出したりしていたのだが、最近4GBの外付けのハードディスクを買ったので、ようやくこれを買うことができた」
美里 「4GBだって今となっては少ないでしょ? 4GBのハードディスクなんて、もう製造中止になっている、って聞いたけれど?」
EP 「おかげで在庫処分価格になってるからな。買ったのはLogitecのディスクなのだが、買いに行ったとき、メルコとLogitecとあって、メルコの方が2000円ほど安かったのだが、SCSIインターフェースがLogitec製なので、Logitecにした、のか? 決してメルコが不安だったわけでは・・・・・あったりして (^^;)」
美里 「グラフィックボードとかCPUアクセラレータとかはメルコ製のくせに。メルコさんに失礼よ」
EP 「まあ、俺のハードの話はそれくらいにしておこう。前置きが長くなったが、感想に行くぞ」
【システムについて】
EP 「まずシステムについてなのだが、久し振りに昔のゲームをやったような気がするな」
美里 「と言うと?」
EP 「『見る』とか『考える』とか、いちいちコマンド選択する必要のあるゲームって最近は見ないからな。これのDOS版をプレイしている時にはそれほど感じなかったんだが、今となってみると結構面倒だな。俺もすっかりヌルゲーマーになってしまったようだ」
美里 「やっぱりプレイのしやすさっていう点では進歩してるものねえ。それに、最近では難しいゲームが好まれなくなってきているみたいだし」
EP 「まあこのゲームはできることを全てやってれば話は進むから、別に難しくはないけどな。ただ、どうすれば話が進むフラグが立つのか判断ができないから、いきおいコマンド総当たりに近いことをやるハメになる。このゲームは謎解きを楽しむタイプのゲームじゃないから、もっと素直にシナリオを読ませるようにできなかったものだろうか?
で、思ったのだが、このゲームビジュアルノベル形式で作ったらどうだったろうか? どうせシナリオは一本道だから何か不都合があるとは思えないし。それに、何しろテキストの表示量が多い。1つの文が画面1つに収まらない場合も多いし。こういうのは見た目にも美しいとは言えないと思う。1画面にきちんと収まるようにできなかったものだろうか。
ついでに不満だったのは、会話をしていると、それが途中で途切れてしまって、再度『話す』というコマンドを選ばないといけないこと。どうしてこんな仕様にしたのだろうか? 音声化する関係でこうなったような気がするが、システム的にはちょっと不満が残るものとなっているな。
ここはDOSの時代にはシステムでは評価高かったんだけどなあ? Win95の時代になって、システム的には難しくなっているのかもな」
美里 「DOSからのリニューアルの仕方が不足気味、っていうことかしら?」
EP 「まあ、そういうことだな」
【音声について】
EP 「何と言っても、一番大きいのは音声化されたということだろう。話を聞いた時には相当不安に思ったものだが」
美里 「で、実際に聞いてみた感想は?」
EP 「特にヘタという人はいないし、大きな問題はないのではないだろうか? イメージ的に一番合っていたと思うのは女主人の声かな?」
美里 「合わなかった人は?」
EP 「ちょっと不満だったのが美和子と雪菜の声。美和子は声質として不満だというのではなくて、『おどおどしている』っていう感じが伝わってこなかったのだ。妙に落ち着き払っているように感じられて。明るくなってからの声はあれでいいと思うんだけれど」
美里 「雪菜さんの方は?」
EP 「こっちは演技ではなくて声質の方で、俺のイメージとしてはもっと細い声なのだが。触れたらポッキリ折れてしまいそうな。ここがやや残念だったかな」
美里 「由羅さんの声が幼すぎる、っていう感想も上がっていたわよね。これについては?」
EP 「俺的には問題なし。設定としては精神年齢が逆行している、ということになっているのだから、あれ位幼くても問題ないと思う。
それにしても、この声優さんたちの声、どこかで聞いたことのある人たちなんだよなあ? 俺は声優さんの事情に詳しくないので全然わからないんだけれど? ここアプリコットはお前の所属事務所と同じエクセレンツ系列だよなあ? 何か知らないか?」
美里 「『これは仕事上の守秘義務』ってやつよ。Xゲームに出演していることがわかると差障りがある場合があるみたいだから、非公開になっているみたいね」
EP 「まあそういうことでは仕方がないか。それにしても、Xゲームのキャラターは所属事務所があったのか?」
美里 「MES(16)の話でいつの間にかそうなっているみたい。アルバイトでキャラクターを雇うとか、話がふくらんでいるわね」
EP 「それはそれで面白いのだが。話をゲームの方に戻すが、このゲームにおける音声化のメリットというのは何なのだろうか?
俺はキャラに萌えるタイプのゲームでは、多少ヘタでも声はあった方がいいと思っている。以前は声はあってもなくてもいいと思っていたのだが、その認識を改めたのが、『サターン版下級生』だ。
特に思ったのがエンディングの声で、愛ちゃんの
『だって、あなた以外の男の人なんて、大嫌いだから』
とか、みこちゃんの、
『あなたさえいてくれれば何があっても辛くありません』
とかは、もの凄い破壊力があったぞ。ツボにはまった時の音声というのは、文字による表現を越えるものだと思う。これは、文字だけのDOS版をプレイしていたからわかったことだが」
美里 「でも、何で『キャラに萌えるタイプのゲーム』っていう条件を付けているの?」
EP 「それはだな。シナリオ重視のゲームにおいては、必ずしも音声は必要ではないと思う。この『夢幻夜想曲』においても、音声がマイナスになっているわけではないけれど、音声があることに積極的な評価を与える気にもならないんだよなあ。音声が無くても、多分何の不満もなかったと思う。これだけの音声を付けるにはかなりのコストがかかったはずだけれど、それに見合うだけの見返りがあったか? ということについては疑問なんだよなあ。
もっとも、これは俺が古いタイプのゲーマーだからで、最近の人だと音声はあって当たり前なのかもしれないけれど」
美里 「元が古いゲームだし、音声を付けないと話題にもならないでしょうしね。新規の需要を掘り起こすにはやっぱり必要なんではないかしら?」
EP 「それは俺にもわかっている。だから、音声なんていらない、って言っているのではない。積極的に評価する気にはならない、って言っているだけで。シナリオ重視のゲームにおいては、無理してヘタな音声を付けなくてもいいよ、くらいの意味に取ってもらえればいい。このゲームの音声がヘタという意味ではないので誤解無きよう。
それからこのゲームにおいては主人公の名前は固定になっている。音声付きのゲームにおいてはこの主人公の名前をどうするか、というのが常に問題になると思うが、大体次の3つの中のどれかだ。
[1] 無音にする
[2] 代名詞に置き換える
[3] 名前を固定にする
このゲームでは[3]なわけだ。キャラに萌えるタイプのゲームにおいては、名前は変更できるようにするべきだ、というのが俺の持論だが、このゲームのようにシナリオ重視の場合は名前が固定でもいいと思う。このゲームで無音とか代名詞では不自然だからな。
そう言えばDOS版では名字が固定で、名前だけ変更できるようになっていたんだよなあ。珍しいタイプのゲームだ、という記憶がある」
美里 「世の中の『慎一さん』にとってはいいゲームなんじゃないかしら?」
EP 「そうだな。『慎一様』、『慎一お兄様』などと呼ばれたら、俺は本名は慎一じゃないからそれほど感じないけど、これが本名で呼ばれていたら相当来るものがあると思う。そう言った意味で、ゲームの主人公と同じ名前の人にはラッキーだろうな」
美里 「本当は任意の名前が発音できれば一番いいんでしょうけれどね」
EP 「それができるようになるのはまだ先だろうなあ。ただ発音させればいいだけだったら今でも可能だろうけれど、不自然にならないようにするにはかなり難しいだろうから。多くの名前を登録するという方法を取ったサターンの『バーチャコールS』では、かなり不自然に聞こえる場合もあったから。まあ、無音にされるよりは何倍もいいけれど。
そういや話は変わるのだが、このゲームにおいてはたまに伏せ字があるのだが、『オチ○チン』なんていうのに、○の部分が『ピー』音になるんだよなあ。結構笑えた。でも、伏せ字にするほどのものでもないと思うのだが」
美里 「そうは言っても、やっぱり問題あるかも?」
EP 「そうかなあ? 女性器の方なら問題あるだろうけれど、こっちが問題あるとは思えないのだが。以前に聞いた話だが、小学生の性教育において、女性器のことを『女の子のオチンチン』と記述した本があったそうだ。結構笑えた。こういう記述は不正確だと思うんだけどなあ? そう言えば、美里たちみたいに若い女の子の間では、アソコは何って呼んでいるんだ?」
美里 「そ、そんなことを聞かないで!(赤面) 恥ずかしいじゃない。こんな大勢の人が見ている前でそんなこと言えないわよ。
だいたいEPちゃんはそういう恥ずかしい内容をどうしてそう簡単に言えちゃうの?」
EP 「こういうのは変に恥ずかしがったりすると余計にいやらしく聞こえるものなの。普通に言ったほうがいいんだよ」
美里 「でもわたしにはちょっと抵抗あるなあ。MES(16)のスカトロの話題だって、かなり抵抗あったんだから」
EP 「まああの話題はもう終わったからな。安心しろ」
美里 「でも、またヘンな話題に付き合わされそうな気がするんだけれど?」
EP 「先のことは心配しないの」
【CGについて】
EP 「今度はCGについてだ。さすが65536色以上必須だけあって、綺麗だ。だが」
美里 「何か問題あるの?」
EP 「DOS版からのCGは原画が同じみたいだからいいんだけれど、追加CGがもう別人になっちゃってるCGが幾つか見受けられたんだよなあ。絵柄が変わってしまったのか、はたまた別の人が原画を描いたのか不明だが、これがちょっと残念だった所かな。
ついでにもう1つ。美和子が目を細めているCGが何か目がヘンに感じられる。これはDOS版の方が良かったなあ。このCGは好きなだけに、ちょっと残念であった」
美里 「追加したCGが元からあるものと絵柄が違っている、というのはよくあることみたいだから仕方がないんじゃないかしら? サターン版同級生2みたいに、完全な別人になっているよりはまだいいでしょ?」
EP 「あれはちょっとひどかったからなあ。あそこまで絵柄が変わってしまうと、追加した方がいいものやら考えてしまう。同級生3が不安だが、これは出るのは2000年以降という話だから、今から考えてもしょうがないかな」
美里 「そういうこと」
EP 「ということだが、そろそろ300行の制限に引っかかりそうだ。発言を分けるぞ」
美里 「皆様、続いてご覧くださいね〜」
【シナリオ&Hシーンについて】
EP 「メインとも言うべきシナリオの話だな。これについては過去に色々話されているし、リニューアル版になってから他の方が色々感想を上げられているから、改めて俺がヘタな感想を上げる必要はないと思うのだが、シナリオは素晴らしいと思う。不思議な館の中にいるそれぞれ心に傷を負った女性たち。その女性たちをいかに過去からの解放をしてあげるか、という話だが、色々ここで書くよりも実際にプレイしていただきたいと思う。シナリオ重視の方なら満足してもらえるだろう。それだけに、Hシーンにおける違和感が残念でならない」
美里 「EPちゃん過去にもこの話何度も書いているわよね?」
EP 「ああ。この主人公、女性たちのために自らの危険をも省みない、いいやつなのだが、Hシーンになると人格が変わったようになってしまう。上半身と下半身で人格が違うんじゃないか、と思えるほどだ。
DOS版の時は思わなかったのだが、このリニューアル版で思い浮んだのが、『同級生』の主人公だ」
美里 「どうして? 全然タイプ違うと思うけれど?」
EP 「『同級生』の主人公は、正確な台詞は覚えてないけど、
『今、目の前にいる女の子が一番好きな女の子だ』
というような意味のことを言っている。ムチャクチャ勝手な言い分だが、この主人公の場合は、言動が一致しているから、これはこれでいいと思える。『夢幻夜想曲』の主人公の場合も、まあゲームの形式上やむを得ないのだろうけれど、それぞれの女の子のシナリオにおいては愛を誓っているようなことを言っておきながら、他の女の子のシナリオではそんなこと忘れたかのように振舞ってるんだよなあ。結構共通点があるのではないだろうか?」
美里 「そう言われてみればそうかも?」
EP 「この主人公女性に優しいようでいて、結構鬼畜なやつなんではないだろうか? 優しくしている一方で、女の子は食べちゃってるのだから。摩耶と雪菜の処女はちゃんと頂いてるし。ラストで選ばれなかった女の子にしてみれば、とんでもねー嘘つき野郎に見えると思うぞ」
美里 「それを言ったら、多くのXゲームが成立しなくなってしまうと思うんだけれど。だって、そうしないとHシーンが入らなくなってしまうわよ?」
EP 「確かにそうなんだけれどな。だから最近では、純愛系と呼ばれるゲームではオンリーでないと話が進まないようになっているのは、そういった反省に基づいているのではないかと思う。俺が美里の出ている『五月倶楽部』を評価しているのは、『Hシーン=エンディング』となっている点で、純愛系のゲームにおいては、1プレーで見られるHシーンはエンディングになる女の子に限るべきだと思うのだが。
話を元に戻すが、このゲームをプレイしていてもう1つ思い浮んだソフトがある。『きゃんきゃんバニーエクストラ』だ。
これまたゲームの雰囲気は全然違うし、主人公のタイプも違うけれど、女の子の問題を解決してあげて、Hシーン。そしてラストでひとりを選ぶという、形としては結構似ていると思うのだが。ストーリーが一本道で、全員とHシーンがあって、主人公がシナリオごとに前のことなど忘れたかのように振舞うなんてあたりはそっくりだと思うぞ。
そう言えばどちらもシナリオライターが女性だなあ。やっぱり、男性が書いたものとちょっと雰囲気が違うような気がする」
美里 「最近では『永遠の都』が女性シナリオライターのものとして話題になってたわよね。このゲームはやらないの?」
EP 「機会があったらやってみよう。さて、シナリオの話の続きだが、問題だと思うのは、Hシーンにおけるテキストが通常シーンと雰囲気が違いすぎる。これはまあ、しょうがないことで、Hシーンは別の人が書いているそうだから。そんなことが昔の雑誌に書いてあったな。
シナリオの三峰奈緒さんは、シナリオライターコンテストがあったら間違いなく上位で投票すると思うけれど、Xゲームのシナリオに向いている方ではないような気がするんだよなあ。一般ゲームのシナリオとかを書いてみたらどうなのだろうか? 見てみたい気がするけれど。それにしても、アプリコットは最近はどうしてるのかな?」
美里 「次回作の製作で忙しいと思うんだけれど?」
【エンディングについて】
EP 「今度はエンディングの話だ。ラストで一人を選ばなければならない。これについては過去にも話題になっていたし、全員で館を出たかったという意見もあったな。個人的には、女主人の、
『人間一人の力で救えるのはせいぜい一人』
という意見に賛成なので、これはこれでいいと思う。ただ、全員で館を出て、そのうちの一人を見守る、という話でも良かったような気もするんだが、これだと沙里とか亜璃沙とか女主人が不都合になりそうだから、やっぱりこれでよかったのかな」
美里 「できればみんなで幸せになれれば一番いいんでしょうけれどね」
EP 「あの館は時間だけは無限にあるそうだから、いつか自力で出られるかもしれないし、主人公のような誰かがやって来て、連れ出してくれるかもしれない。そう思えば希望はある終わり方になっているとは思うけれどね。ただ、前にも書いたが、選ばれなかった女の子にしてみれば納得できないかもしれないけれど」
【キャラクター別感想】
EP 「さて、今度はキャラクター別の感想だ。シナリオの順で行くぞ」
[1] 摩耶
EP 「はっきり言って印象薄し」
美里 「どうして?」
EP 「こういう素直になれない女っていうのは俺は嫌いなのだ。後で態度がしおらしくなるのはまあいいかもしれないが。To Heartのいいんちょが好きな人なら気に入るかもしれないな。
まあ個人的な好みはさておくとして、彼女は自力でも館を出られるような気がする。他のキャラクターと比較して、深刻さの度合が違ってるし。そういったことも印象の薄さにつながっているような気がする。
しかし、時計台でのイベントで、いきなり本番に望もうとする主人公の行動は相当違和感あるぞ。単に欲望のまま襲っちゃえ〜、というならまだわかるが、そういう印象には取れないものなあ。前にも書いた通り、この主人公本当は鬼畜なやつで、優しいふりをして単にやりたいだけのやつだったりして」
美里 「そこまで書くとやっかみに見えるわよ。自分がモテないからひがんでるんじゃないの?」
EP 「え〜い、うるさい! 何でそんなことを言われなきゃならん!」
美里 「ひがまない、ひがまない。私が一緒にいてあげるから。(^_^)」
EP 「いつの間にか立場が逆転してしまったような気がするのだが、どうしてだろうか?」
美里 「世の中そういうものなのよ。『PALETTE』のタマちゃんエンディングみたいなもの」
[2] 美和子
EP 「DOS版においては俺が最初に選んだ女の子だな」
美里 「どうして美和子さんなの? もしかしてメイドフェチ?」
EP 「別にそういうわけではない。メイドさんの制服そのものは結構好きだけどな。DOS版では、ラストに選択があるということを事前の情報で知っていたので、誰にするのか考えていたのだが、直前では雪菜にするつもりだった。が、いざ選択する場になったら、美和子を選んでいた。これは、そのちょっと前の亜璃沙にいぢめられるシーンがあまりにもけなげだったので、思わず選んでしまった、という所だ」
美里 「EPちゃんけなげな女の子が好きだもんね」
EP 「DOS版においてはいきなりのSMシーンに度胆を抜かれたものだが。まさかあんなシーンがあるとは思ってなかったからなあ。
そう言えば、DOS版では気がつかなかったのだが、SMシーンでは、美和子は乳首にピアスをされてるんだよなあ。でも、通常のHシーンではしていない。あの主人、コトに及ぶ前にわざわざピアスを付けていたのだろうか?
しかし乳首にピアスをされたら痛いんだろうなあ」
美里 「そんなの当たり前でしょ!」
EP 「どのくらい痛いかお前で実験してみようか?」
美里 「絶対イヤ!」
EP 「冗談だから本気にするな。今の所そっち方面の趣味はないから安心しろ」
美里 「EPちゃんの言うことはたまに冗談か本気かわからないから困っちゃうのよねえ」
[3] 深紗緒
EP 「本来来るべきではなかったのに、迷い込んでしまった、という女の子だな。ただ、この女の子もいま1つ印象が薄い」
美里 「好みのタイプじゃないからでしょ?」
EP 「それもあるが、それよりも、深紗緒を立ち直らせるきっかけというのが性に目覚めさせるというのがどうもなあ。ちょっとついて行けないものを感じてしまう。まあこのシナリオでは本番まではやってないというのが救いになっているな。いくら体は発育していると言っても、精神年齢8歳の女の子とやったらマズいだろ」
美里 「それはまあ、そうよねえ」
EP 「それに、彼女も自力で館を出て行けるような気がするんだよなあ。そうなるとやっぱり印象が薄くなるのもやむを得ないかな、と」
[4] 由羅
EP 「ある意味、このゲームにおいて一番考えさせられたシナリオかもしれない。内容も兄と妹の禁断の愛という、ヤバ目な内容だし。MES(16)の投票でKenさんがこのゲームを投票しているけれど、俺も同感。妹レンジャーの皆さんにやってもらって、考えてもらいたいと思う」
美里 「それにはEPちゃんも投票しないと。締め切りは1/3だよ?」
EP 「そうだな。この発言を仕上げたらそっちの投票の発言も書かないと。
それはさておき、話を元に戻すが、このシナリオで一番考えさせられたのは、第三者から見れば不幸な状況なのに、本人たちは現状に満足している状態を、不幸だと知らせてやるべきか? ということだ。
もし俺があの主人公の立場だったら、おそらく由羅たちには何もしないと思う。現状に満足しているのであれば、他人がどう思おうと、それは幸福な状態なのではないだろうか? 幸福か、不幸か、というのは絶対的な価値基準があるわけではなく、当事者がどう思っているか、なのだから」
美里 「でも、あの状況のままというのも、由羅さんはともかく、お兄さんの方が可哀想な気がするんだけれどなあ?」
EP 「そう、だから悩む所でもあるんだが。いきさつを知らなければ間違いなく放置しておくんだけれど。現実にあれに類する状況があったとすれば、相当考えるだろうな。
それから、DOS版においては、非常に不愉快だった由羅とのHシーンだが、リニューアル版では導入の仕方が変わったような気がするのだが。何分、記憶がさだかでないので、本当にそうか自信がないが。少なくとも、リニューアル版に限定すると、由羅の方から求めてるわけだから、不快っていう感じはないな。あの状況では、応えてあげなければ可哀想過ぎるから」
美里 「確かにそうかもしれないけれど、ああなったからには男の人も責任取らないといけないんじゃないの?」
EP 「これはシナリオ上必然だからしょうがないの。ただ、やっぱり、責任は取らないといけないような気はするよなあ。ちなみに、エンディングで一番のお気に入りは由羅のエンディングで、リニューアル版で最初に選んだのは彼女だった」
美里 「もしかして、『お兄様』攻撃にやられたんじゃないの?」
EP 「そういうことはない、はずだが。自信なかったりして」
[5] 沙里
EP 「これまた考えさせられたシナリオその2」
美里 「どういった所が?」
EP 「いや、俺だったらあそこではためらわずに沙里をたたっ切っていただろうから」
美里 「それじゃあ沙里さんが可哀想でしょ? 帰らぬ恋人を待ち続けて魔になってしまったっていうのに」
EP 「だけど、あれでは根本的な解決になってないからなあ。いずれまた、血を吸わなければならない日がやって来る。その時どうするのだ? 吸われた人間がまた助かるという保障はないのだぞ」
美里 「それはまあ、そうでしょうけれど・・・・・」
EP 「ゲーム中でも、沙里は待つのは無駄なことだと気付かせて欲しい、ということを言っているわけだし。本来、この世にいるべき人ではないのだから、安らかに眠らせてあげるべきではないのだろうか? 由羅のお兄さんのように」
美里 「でも、それではハッピーエンドにならないわよね?」
EP 「だから、エンディングで沙里を選んだ場合のみ助かるようにして、それ以外の場合は安らかに眠らせてあげるようにした方が良かったのではないか、と思うのだが、それではプレイヤーの後味が悪くてダメなのかなあ? あのままでいいとは俺には思えないのだが」
美里 「シナリオの形式上、ああいう形にならざるを得ないのかもしれないわね」
[6] 雪菜
EP 「このゲームにおいてはメインヒロインというのはいないだろうけれど、強いて上げれば彼女なんじゃないかな? 序盤から登場する割りには話は後の方だし、負っているものも一番重いように思う。生きる力を無くしているのだから」
美里 「死のうと思っている人に生きる力を与えるっていうのは王道ですものねえ」
EP 「これは美和子もそうなんだけれど、あれだけ怯えた顔を見せられたら、何とか笑って欲しいと思うぞ。やっぱり女の子は『笑顔が一番』だと思う。
で、なぜかわからないが、雪菜とLittleLoversのゆいちゃんがオーバーラップしてしまった。境遇が似ていないわけでもないのだが。
このゲームをプレイしていて、それまでは何ともなかったのに、雪菜に『いたずら』をしているシーンで、突如一般保護違反で落ちてしまった。再起動してみても、雪菜が主人公の所にやってくるシーンで、またしても落ちてしまう。思い当たるのはゆいちゃんしかない(他には常駐させているソフトはない)ので、ゆいちゃんの常駐を解除したら問題なく最後までプレイできた。
もしかしたらゆいちゃんが嫉妬したのかな?」
美里 「そんなことはないと思うんだけれど。大体、中学生の前でXゲームをやるなんて教育上良くないわよ? ちょっとは考えたら?」
EP 「さて、雪菜の感想の続き。雪菜に『いたずら』をするシーンがあるが、あれがどうにも違和感がある。そりゃまあ、若い女の子が無防備な状態で一緒の布団に入ってきた、妙な気を起こすのはわかる。誰だってそうだろう」
美里 「EPちゃんなら特にね」
EP 「余計なことは言わんでいい。問題なのは、それを実行に移すかどうかだ。向こうはこちらを信頼してくれているのだから、その信頼を裏切るようなことをしていいのか? この主人公、通常シーンと、Hなことが絡んだシーンでは完全に人格が変わってるんだよなあ。To Heartの主人公もそうだったけれど、こういうのはあんまりいいこととは思えない。
それに、Hシーンでの展開も問題だ。かつての記憶がよみがえって、雪菜はHに対して恐怖を感じているわけだが、その解決の仕方っていうのが、『気持ちよくさせて、恐怖を取り除く』っていうことになっている。これではエロ小説などの、
『ほうら、口ではいくら嫌がっていても、ここはこんなに感じてるぞ』
というのと全然変わらないではないか。それまでの雰囲気と比較すると違和感ありすぎ」
美里 「そうよねえ。心が恐怖に取り付かれていたら、感じることなんてできないと思うんだけれど」
EP 「心を開いていく描写なしに、『気持ち良くなったからHもOK』的な描写になったのは残念でならない」
[7] 亜璃沙
EP 「外見的には一番好みなのだが」
美里 「やっぱりロリコンなんじゃないの? ローティーンヒロインのリストなんか上げてるし」
EP 「あえて否定はしない。でも、今のお前よりもさとみの状態の方がいいとは思わないぞ」
美里 「わたしがさとみと名のっていた時の方が良かったら真正のロリコンよ。もしそうだったらさすがに愛想つかすからね」
EP 「話を元に戻すぞ。前にも書いた通りで、外見的には一番好みだが、性格がなあ。美和子をいぢめているシーンでちょっと引いてしまった。結果的に、美和子の引き立て役になっている気がしないでもない。
ちなみに、このシーンではどちらも選べないというのが正統なのだろうが、どちらかを選んで、ラストで逆の方を選ぶと『バッドエンド』になるそうだ。俺は恐いので見てないけど」
美里 「何も好き好んでバッドエンドを見なくてもいいでしょ?」
EP 「普通はそうだろうな。そう言えば、沙里、亜璃沙、女主人にはエンディングが2つあるけれど、暗めな方を選ぶとラストの館のCGが夜になるんだよなあ。芸が細かいと思った」
美里 「本の中から出てこないエンディングの方が好き、って方もいたわよね」
EP 「そうだな。館から連れ出す方はいかにもハッピー、って感じの終わり方だが、本の中のままの方は重いけれど、結構心に残る終わり方だった。どちらがいいかはその人の好みによるのだろう。
そう言えば、亜璃沙だけはラストの一文が表示される時にオルゴールの音がかかるんだよなあ。これはなかなかいいと思った」
[8] 女主人
EP 「この人は名前がないので女主人と言うしかないな。それはさておき、このゲームにおいて、他のキャラは自力で出ていく可能性があるけれど、(あ、沙里と亜璃沙は無理かな?)この人は誰かが連れていかないと館を出るのは無理だろうからなあ。ある意味、一番主人公の助けを必要としているのかもしれない。館から出る方のエンディングでは、館との決別が描かれているし、一番正統的なエンディングかもしれないな。
しかしこの人を連れて出てしまったら、誰が管理人を引き継ぐのだろうか? これが気になってしょうがなかった」
美里 「そういう所まで詮索するのはヤボってものよ。女主人は幸せになれた、それでいいじゃない」
EP 「まあそうかもしれないな。そもそも理屈にかなっている話じゃないのだから。プレイヤー各人でその後の話を作ればいいのだろう」
【全体を通しての感想】
EP 「さて、まとめに入りたいと思うが、基本的にはよくできたゲームだと思う。Hシーンでの違和感さえなければ」
美里 「でも、特に違和感感じない、って方も多かったように思うけれど?」
EP 「これはもう、各人の感じ方次第だからなあ。以前にも会議室で話題になったが、違和感あってもHシーンはあった方がいいか? という話題について、人によってずいぶん感じ方が違うということを実感させられたから。
俺はこのゲームはXゲームの悪い面が出ていると思う。つまり、登場するヒロイン全員のHシーンを入れなければならない、という呪縛にとらわれて、違和感あってもHシーンを盛り込もうとしているから。
確かに、美和子とか由羅とかはXでなければ表現できない世界なんだけれど、他のキャラクターの場合はXであることの必然性が感じられない。それに、美和子はともかくとして、由羅はあそこでHシーンに入らなければならない必然性があったのだろうか? 疑問に思えてならない。
だからこのゲームに対する思い入れは複雑で、シナリオは確かに素晴らしいんだけれど、Hシーンの無理矢理さがどうにも引っかかる。Hシーンが作品としての価値を下げているように思うな。
ともあれ、シナリオはいいので、シナリオ重視の方にはやってみてもらいたいな」
美里 「そういったことで、皆さん、よろしかったらプレイしてみて下さいね〜。わたしも同じ系列のゲームですから、他人ごととは思えませんし」
EP 「そう言えば書き忘れたけど、ラストのスタッフロール。これはDOS版の方が良かったなあ。俺はあれが好きで、今でも時々DOS版を立ち上げて、見ていたりするんだが。変更されてしまったのはちょっと残念。
あ〜、しかし長かった。やっぱりこんな形式で感想を書くもんじゃないな。まさか3発言に及ぶとは思わなかった」
美里 「普通に感想を読みたい方にはちょっと読みにくかったかしら?」
EP 「ヨタ話を入れるにはいいんだけど、真面目な感想を書こうと思ったら、この形式は結構面倒。それに、普通に感想を書いていたら3発言になるなんてことはなかったはず。時間もかかるしな。
大晦日から元日にかけて何時間もかけてこんな感想を書いていた俺はいったい何なのだろうか?」
美里 「ヒマ人じゃないの?」
EP 「ぐわっ、キツいことを言ってくれるな。まあ確かに時間のある今でなければこんなことをやる気にならなかっただろうけれど。後に続く人はいるかな?」
美里 「さすがにいないんじゃない? これを読めば大変なことがわかるでしょうし」
EP 「まあ、一度やってみないことにはわからないからな。俺もこの会話形式での感想の2回目はやるかどうかわからないし。
ともあれ、ここまで長文にお付き合い下さった皆様、ありがとうございました」
EP・美里 「では本年もよろしくお願いいたします」
1999年1月1日
Ken(nifty:FCGAMEX/MES/8/29277・29283)
#29262 へのコメントです。
Ken 「EP−ROM さん、美里 さん(^^;)、こんにちは」
リーン、リーン……
メロディ「はぁい、アタシ……」
Ken 「またかよ」
メロディ「だって、対話形式には対話形式で、って」
Ken 「誰が言った、ンなこと。「今、あたしが言った」ってのはナシだぞ」
メロディ「うー。えーと、『Melody』に出てくる夢のメッセンジャーガール、メロディです。このゲームも3番だと思うので、特に問題や違和感はないかと……」
Ken 「8番という説もあるよな。行くべき場所に行って、パラメータ上げて、ってなゲームだし」
メロディ「確かに……う〜、単なるラブストーリーにしてほしくないよぉ、アタシの存在意義がぁ」
Ken 「まぁまぁ(^^;) それはさておき」
EP 「『見る』とか『考える』とか、いちいちコマンド選択する必要のあるゲームって最近は見ないからな。これのDOS版をプレイしている時にはそれほど感じなかったんだが、今となってみると結構面倒だな。俺もすっかりヌルゲーマーになってしまったようだ」
メロディ「行動の選択肢って、どれかを選ぶと分かれていく、そういうものでしょ?」
Ken 「いや、このゲームでは、そうじゃないんだ。節目節目で出てくる選択肢、この中には、何度選んでも同じテキストが出るだけ、というものが多いんだよ。まぁ、慣れてくれば、「移動」コマンドが出ていればさっさと飛ばす、ということに気がつくし、さほど気にはならなかったけど。むしろ、マウス操作オンリーだったのが辛かったな」
メロディ「旧版では大丈夫だったの?」
Ken 「一応誤解にないように触れておくと、この「旧版」というのは、DOSじゃなくて、Windows3.1/95両バージョン同梱のもの。3.1用のプログラムを使うには、「WinG」を使う、という、今から見るとなかなかすごいゲームだったのだ」
メロディ「あたしのゲーム、Windows95専用だから、よくわかんない」
Ken 「で、旧版では、マウスカーソルの移動はカーソルキーで、決定はエンターキーで可能、早送りもエンターキーを押しっぱなしにすればよし、と、こっちの方が、個人的には好きだったな。ただ、館内のマップについては、リニューアル版の方がずっとよくなっているけど」
メロディ「じゃぁ、本来は関係ない選択肢も、一通り試してみないといけないの? 面倒くさい」
Ken 「まぁオレは気にしなかったけど。ただ、初めのうちは、どこへ行っても「扉は固く閉ざされている」「扉には鍵がかかっている」ばっかりで、ちっとも面白くなかった、という記憶はある。最初の数時間は、忍耐を必要とするゲームではあるね。これは、旧版もリニューアル版も同じだけど」
で、思ったのだが、このゲームビジュアルノベル形式で作ったらどうだったろうか? どうせシナリオは一本道だから何か不都合があるとは思えないし。それに、何しろテキストの表示量が多い。1つの文が画面1つに収まらない場合も多いし。こういうのは見た目にも美しいとは言えないと思う。1画面にきちんと収まるようにできなかったものだろうか。
Ken 「夢幻の館、とはいっても、そこに出てくる風景は、あくまでも、主人公のモノローグや会話、あるいは主人公自身による説明なのだから、少なくとも、手法としてビジュアルノベルにすること自体には問題ないと思うけど」
メロディ「もっと、テキストが詩的な表現を使ったり、短いやりとりがタンタンとつながるような手法をとったりしているのなら、これは逆効果なのよね。アタシの『Melody』がビジュアルノベルだったらぶちこわしだわ」
Ken 「うーん、ファンタジーの世界とか、すばらしいBGMとか、共通点は多いんだけど」
メロディ「むしろ、『痕』に近いんじゃないの? このゲーム」
Ken 「ただ、『痕』なんかは、個々のシナリオが枝分かれし、それぞれが相互に影響・補完し合って、全体として一つの物語になっているけれど、この『夢幻夜想曲』では、個々のシナリオが直列につながり、一つの物語になっているんだ。だからむしろ、「第×章」的な感じで、区切りを入れてくれた方がよかったような気もする」
メロディ「確かに、各ヒロインごとに、シナリオにメリハリがあるもんね」
Ken 「だろ? 雪菜や亜璃沙はちょっと特殊だけど、それ以外のキャラは、ヒロインごとにシナリオの終了地点が明快だから」
【音声について】
EP 「何と言っても、一番大きいのは音声化されたということだろう。話を聞いた時には相当不安に思ったものだが」
メロディ「アンタも不安だった?」
Ken 「やっぱり、相当不安だった。音声がなくても、夢幻の館の雰囲気は、十分に描くことができていたんだから」
EP 「特にヘタという人はいないし、大きな問題はないのではないだろうか? イメージ的に一番合っていたと思うのは女主人の声かな?」
メロディ「この当たり、特に大きな失敗というのはないみたいね」
Ken 「移植に伴って音声が加わった、というゲームをプレイしたのはこれが最初じゃないけど、もともと、オリジナルをプレイ済みで、リニューアル版もプレイした、っていうのは、それまでなかったからなぁ」
EP 「ちょっと不満だったのが美和子と雪菜の声。美和子は声質として不満だというのではなくて、『おどおどしている』っていう感じが伝わってこなかったのだ。妙に落ち着き払っているように感じられて。明るくなってからの声はあれでいいと思うんだけれど」
メロディ「雪菜さんって怯えていた人、美和子さんってびくついていた人ね」
Ken 「うん。ただ、美和子の「おどおど」を強調すると、雪菜の「怯え」が霞んでしまうという問題があるんだよな。美和子の声には、確かに、オレも少し気にはなったんだけど、そういった点で不問。
雪菜は……う〜ん、全然気にならなかったなぁ」
EP 「俺的には問題なし。設定としては精神年齢が逆行している、ということになっているのだから、あれ位幼くても問題ないと思う。
メロディ「こういうご意見だけど」
Ken 「まぁ、旧版の由羅エンディングが気に入ってて、今でも時折リプレイしているからね。だから、「お兄様」が健在(?)なときの「由羅」が、いつまでも続いているような感じで、個人的には不満。
彼女も、話の内容や言い回しから考えれば、確かに精神年齢がどの程度かは見当つくけど、「声調」と「話し方」とは、違うと思うんだけど」
メロディ「まぁ、いろんな意見がある、ってことよね」
それにしても、この声優さんたちの声、どこかで聞いたことのある人たちなんだよなあ? 俺は声優さんの事情に詳しくないので全然わからないんだけれど? ここアプリコットはお前の所属事務所と同じエクセレンツ系列だよなあ? 何か知らないか?」
メロディ「あたしが知るわけないでしょ、アタシ喋らないもん」
Ken 「胸張って言うなよ(^^;) ただ、『五月倶楽部』の音声はひどかったなぁ。音声が出始めてから、オフに切り替えるまで、3分と持たなかった記憶があるぞ」
メロディ「そんなに下手だったの?」
Ken 「それ以前に、全員を同じ人が担当してて」
メロディ「………」
EP 「それはだな。シナリオ重視のゲームにおいては、必ずしも音声は必要ではないと思う。この『夢幻夜想曲』においても、音声がマイナスになっているわけではないけれど、音声があることに積極的な評価を与える気にもならないんだよなあ。音声が無くても、多分何の不満もなかったと思う。これだけの音声を付けるにはかなりのコストがかかったはずだけれど、それに見合うだけの見返りがあったか? ということについては疑問なんだよなあ。
Ken 「あと、データが膨大になって、CD-ROMが2枚組になり、わけのわかんないインストール&起動手順が必要になり、大量のHDが必要になり……」
メロディ「ふぅん、大変なんだね」
Ken 「ちなみに、旧版もフルインストールしてあるんだが、20MBで間に合っているんだぞ。しかも、CD-ROMなしで起動可能」
メロディ「ほへぇ、あたしのゲームより少なくて済んでるんだね」
EP 「それは俺にもわかっている。だから、音声なんていらない、って言っているのではない。積極的に評価する気にはならない、って言っているだけで。シナリオ重視のゲームにおいては、無理してヘタな音声を付けなくてもいいよ、くらいの意味に取ってもらえればいい。このゲームの音声がヘタという意味ではないので誤解無きよう。
メロディ「でもさぁ、シナリオ重視のゲームと萌えゲームとの境界って、どのあたりにあるんだろ」
Ken 「さりげなく難しいところを突いてくるな。まぁ、何人かいるキャラのうち、特定の一人に惚れ込ませるタイプのゲームなら良し、そうでなく、骨組みとなるシナリオについて、考え、味わうタイプのゲームなら、必ずしも必要ではない、ということだろ」
メロディ「さっき、似た雰囲気として、『痕』を挙げたけど、どうかな」
Ken 「却下!! と声を大にしていいたいけれど、演技の内容によってはうまくいく可能性もあると思う。千鶴さんや楓ちゃんに呼びかけられたら、確かに心は動くだろうし。でも、難しいだろうし、やめたほうがいいんじゃないかなぁ」
そう言えばDOS版では名字が固定で、名前だけ変更できるようになっていたんだよなあ。珍しいタイプのゲームだ、という記憶がある」
Ken 「ついでながら、登場人物には、姓がないキャラがほとんどなんだよね。主人公以外で姓があるのは、摩耶(岡崎)、草山ぐらいじゃないかなぁ」
EP 「そうだな。『慎一様』、『慎一お兄様』などと呼ばれたら、俺は本名は慎一じゃないからそれほど感じないけど、これが本名で呼ばれていたら相当来るものがあると思う。そう言った意味で、ゲームの主人公と同じ名前の人にはラッキーだろうな」
メロディ「たとえ字が違っていても、「シンイチ」さんでさえあれば、ものすごい破壊力でしょうね。この会議室にも、そういう本名の方がいらっしゃるけど」
Ken 「オレは違うからなぁ。 …というより、オレの本名がデフォルト名で使われることは絶対にないだろうから、音声で呼ばれることも期待できないし」
メロディ「そうだよね、ケンというのだって、本名じゃないもんね」
【CGについて】
EP 「DOS版からのCGは原画が同じみたいだからいいんだけれど、追加CGがもう別人になっちゃってるCGが幾つか見受けられたんだよなあ。絵柄が変わってしまったのか、はたまた別の人が原画を描いたのか不明だが、これがちょっと残念だった所かな。
Ken 「これも、絵によりけり、という印象だったけど。雪菜が膝を抱えて座るCGなんかは全く違和感なかったのだけれど、怯えているときにも安心しているときにも同じ表情のままで使い回し、これはひどい」
メロディ「ちょっと見には、安心しているときのような感じだけど」
Ken 「怯えているときなら、もっと両腕で胸をかばうような姿勢をとると思うんだけどな。もともと、胸の谷間が丸見えで無防備なんだし」
メロディ「スケベ!」
Ken 「由羅がエンディングで蔵から出るシーン。少し顔が違って見える気もするけど、久々に見る「ひかり」に目を細めている、と、好意的に解釈している。塗りは綺麗だし」
メロディ「でも、彼女のエンドCG、イヤだっていってたじゃない」
Ken 「あれは、待ち合わせのCG。これ、旧版はオレンジ色が強い、いかにも16色CGでございといった感じの絵だったんだけど、今度は、全面的に塗り直したとき、カラーバランスがどうにもイマイチという印象があるんだ。もう少しマゼンタを強くしたほうがいいと思う」
メロディ「ところで、まだ続きいくの?」
Ken 「とりあえずね……」
#29264 および #29263 へのコメントです。
【シナリオ&Hシーンについて】
EP 「この主人公女性に優しいようでいて、結構鬼畜なやつなんではないだろうか? 優しくしている一方で、女の子は食べちゃってるのだから。摩耶と雪菜の処女はちゃんと頂いてるし。ラストで選ばれなかった女の子にしてみれば、とんでもねー嘘つき野郎に見えると思うぞ」
メロディ「ひどい話よねっ!! 想いを伝えるってことが、どんなに勇気を必要とすることなのか、それを考えただけでも、そんな中途半端、許せないわっ!!」
Ken 「落ち付けって(^^;) そういうピュアなゲームの方が少ないんだから。別に絶対的少数派とはいわんが……。ただ、このゲームの問題点としては、彼女達には、主人公は「勇気を与える」レベルで止めておいて、その時にはHを必要条件とはしない(回避可能なものとする)ということが可能だったんじゃないかな、と思うんだ」
メロディ「Hするかどうかはその時の判断に任せる、ってこと?」
Ken 「そう。そして、強制イベント以外で、違う女性とHするという場合は、自動的にバッドエンドになるという風にするとか。ちょうど、『Only You』みたいなシステムだな」
メロディ「確かに、救いを求める女性たち、という風にとらえれば、これも可能となるわよね」
Ken 「さらにとどめをさせば、リニューアル版では、草山を連れ出せることになっている。まぁ、こんなやつどうでもいいんだけど、この設定を見る限り、館から連れ出すときに、肌を重ねることは、必ずしも必要ではない、ということが立証されてしまった」
メロディ「あぁびっくりした。やおいなシナリオでもあるのかと思ったわよ」
Ken 「ないないない(^^;)」
【エンディングについて】
EP 「あの館は時間だけは無限にあるそうだから、いつか自力で出られるかもしれないし、主人公のような誰かがやって来て、連れ出してくれるかもしれない。そう思えば希望はある終わり方になっているとは思うけれどね。ただ、前にも書いたが、選ばれなかった女の子にしてみれば納得できないかもしれないけれど」
メロディ「館について、それぞれのキャラごとに、回想があればいいような気もするんだけど。過去なくして現在はないんだし」
Ken 「メロディならではのコメントだな。でも、あの館は、キャラによっては、自分のネガティブさの象徴ともいえるんだろうし、一概にこうといってもしゃぁないだろ」
【キャラクター別感想】
[1] 摩耶
まあ個人的な好みはさておくとして、彼女は自力でも館を出られるような気がする。他のキャラクターと比較して、深刻さの度合が違ってるし。そういったことも印象の薄さにつながっているような気がする。
メロディ「館に入ってきて、まだ日が浅いからね。好奇心が先走って、むしろいろいろと楽しんでいるみたいだし」
Ken 「まぁ、館全体で見れば、実にあっさりと悩みを解決してしまったし、軽い存在になってしまうのは致し方ないでしょ。でもねぇ、後半、主人公に対して、いろいろとかいがいしく支えてくれたという面も忘れちゃいけないと思うなぁ」
メロディ「それにしても、食事の追加CG、全然似てないわね」
[2] 美和子
EP 「別にそういうわけではない。メイドさんの制服そのものは結構好きだけどな。DOS版では、ラストに選択があるということを事前の情報で知っていたので、誰にするのか考えていたのだが、直前では雪菜にするつもりだった。が、いざ選択する場になったら、美和子を選んでいた。これは、そのちょっと前の亜璃沙にいぢめられるシーンがあまりにもけなげだったので、思わず選んでしまった、という所だ」
メロディ「健気という点からは、この娘の方が上よね」
Ken 「かなり早いうちから顔を赤くしてくれるしな。それに、悩みを序盤で解決したキャラの中では、かなり深刻な部類に入っていたし。
彼女は、他のキャラをもサポートして行かなくちゃいけないから、二番目に登場するんだろうけれど」
[3] 深紗緒
EP 「それもあるが、それよりも、深紗緒を立ち直らせるきっかけというのが性に目覚めさせるというのがどうもなあ。ちょっとついて行けないものを感じてしまう。まあこのシナリオでは本番まではやってないというのが救いになっているな。いくら体は発育していると言っても、精神年齢8歳の女の子とやったらマズいだろ」
Ken 「性教育うんぬんというのなら、まず、同じ風呂に入るというのがそもそも違うような気がするなぁ。確かに、体は気になるけど」
メロディ「あー、本性出したなぁー!! このヘンタイッ!!」
Ken 「まったく、どうしてそうなるの……まぁ、「きっかけ」としては、鳥の巣イベントを膨らませれば、なんとでもなったと思うんだけど。他にも、子供らしい好奇心をポジティブに活用する形でのイベントもあっただろうし、Hシーンが蛇足に思えたなぁ」
[4] 由羅
それはさておき、話を元に戻すが、このシナリオで一番考えさせられたのは、第三者から見れば不幸な状況なのに、本人たちは現状に満足している状態を、不幸だと知らせてやるべきか? ということだ。
メロディ「気付くか気付かないか……難しい問題なのよね。
手に入れるまで、自由というものの価値は、決してわからないわ。
でも、自分が自由だと思っていても、そこには、当人の気付かない、どうしようもない不自由というものがあるのよ。これも、人間の業といってしまえばそれまでなんだけどね……」
Ken 「いきなり重たいことをいうね。確かに、価値判断は相対的なものだから、といってしまえばそれまでなんだけど、一歩間違えると、現状肯定の保守一徹になっちまうだろ。向上心というのは誰しも持っていることだと思うから、そのベクトルを刺激してやることは、必ずしもお節介とも限らんだろ」
メロディ「難しいわね」
Ken 「ただ、自分の世界に籠もる、という場合、そこに積極的な理由があるからな。彼女の場合は、まさに、兄への想い、兄の想い、この二つが、お互いに強く引き合っていたからな」
美里 「でも、あの状況のままというのも、由羅さんはともかく、お兄さんの方が可哀想な気がするんだけれどなあ?」
メロディ「巡り巡りて輪廻を離れぬ、妄執の雲の、塵積もつて鬼となれる…名句よね」
Ken 「このフレーズは、次の沙里シナリオでも効いてくるからな。もう少し、沙里を由羅に接近させてみる、とかいった試みも良かったかもね」
メロディ「でも、片や夜行性、片や蔵の中、でしょ。どうすんの?」
Ken 「……(^^;)」
それから、DOS版においては、非常に不愉快だった由羅とのHシーンだが、リニューアル版では導入の仕方が変わったような気がするのだが。何分、記憶がさだかでないので、本当にそうか自信がないが。少なくとも、リニューアル版に限定すると、由羅の方から求めてるわけだから、不快っていう感じはないな。あの状況では、応えてあげなければ可哀想 過ぎるから」
メロディ「ここ、変わったの?」
Ken 「よく知らん。Hシーンでは早送りしてたから」
メロディ「あんたねぇ……(--;)」
美里 「もしかして、『お兄様』攻撃にやられたんじゃないの?」
EP 「そういうことはない、はずだが。自信なかったりして」
Ken 「う〜ん、これ、オレもあんまり自信ないんだよね」
メロディ「やっぱり、「属性」があるんじゃないの?」
Ken 「いや、こういう風に頼られると、弱いのかもしれない。無邪気な信頼というのかな」
[5] 沙里
美里 「それじゃあ沙里さんが可哀想でしょ? 帰らぬ恋人を待ち続けて魔になってしまったっていうのに」
EP 「だけど、あれでは根本的な解決になってないからなあ。いずれまた、血を吸わなければならない日がやって来る。その時どうするのだ? 吸われた人間がまた助かるという保障はないのだぞ」
メロディ「輪廻ということばには、本来、転生という意味がこめられていたわけじゃないでしょ。巡り巡るメビウスの輪のような、万物のやむことのない流転。そういうニュアンスだと思うのよね。だとすれば、さっきの「巡り巡りて輪廻を離れぬ、妄執の雲の、塵積もつて鬼となれる…」は、彼女にとっては、ストレートに過ぎて痛いほどのコトバなんじゃないかな。由羅のシナリオを終えた時点で、すでに次の問題が出てきてしまったようなものだからね」
Ken 「…なんだか、いつの間にか主導権を握られてしまっているなぁ…それはともかく、彼女が鬼となった時点で、悲劇のベースがすでにできあがってしまっているからなぁ。やはり、「滅ぶ」というエンディングがあってしかるべきだったと思うんだが」
メロディ「それって、魔として生きず、人としても生きない、ということ?」
Ken 「うん。結局、魔として生きる、というのは、ひたすら待つことを続ける以外の何物でもないからね。しかも、あの庭に居続けるということは、結局、妄執の定着を延々と続けることと同義なんだから」
EP 「だから、エンディングで沙里を選んだ場合のみ助かるようにして、それ以外の場合は安らかに眠らせてあげるようにした方が良かったのではないか、と思うのだが、それではプレイヤーの後味が悪くてダメなのかなあ? あのままでいいとは俺には思えないのだが」
メロディ「後味が悪いのかなぁ」
Ken 「いや、オレも、この終え方はいいと思うよ。もともと、エンディングは複数設定されているんだし、「ハッピーエンド」と「トゥルーエンド」といった終え方でいいんじゃないかなぁ。由羅の兄さんが安らかに眠り、沙里にはそういう選択肢がない、というのではねぇ。そのためにこそ、「巡り巡りて……」の句を、由羅シナリオから引き継いだんだろうし」
[6] 雪菜
EP 「このゲームにおいてはメインヒロインというのはいないだろうけれど、強いて上げれば彼女なんじゃないかな? 序盤から登場する割りには話は後の方だし、負っているものも一番重いように思う。生きる力を無くしているのだから」
Ken 「彼女は、自分のシナリオ以外の部分でも、少しずつ変化していくからね。他のキャラは、基本的に自分のシナリオの中で完結しているけど」
メロディ「沙里との関係じゃないの」
Ken 「いや、かなり段階を追っているしね。最初はひたすら怯え、次いで笑顔をかいま見せ、と、「少しずつ」なのがミソなんだ。由羅なんかは、これとは対照的に、一気に話を進めてしまっているよね。どっちがいいとかいうのではないけれど、長く引っ張っても、だれを感じさせないシナリオだったから。実際、死を選ぶほどのトラウマを癒そうとすれば、時間がかかるのは当然だし」
EP 「これは美和子もそうなんだけれど、あれだけ怯えた顔を見せられたら、何とか笑って欲しいと思うぞ。やっぱり女の子は『笑顔が一番』だと思う。
メロディ「前、「笑った顔は一番かわいい」っていってたわよね」
Ken 「キャラデザ的に合うってのもあるけど、萎縮じゃなくて怯懦……いや、完全な対人恐怖症といっていい状態から、破顔してくれるようになるまで、時間がかかるしね」
メロディ「ここから、#29264 へのコメントに移りますね」
EP 「余計なことは言わんでいい。問題なのは、それを実行に移すかどうかだ。向こうはこちらを信頼してくれているのだから、その信頼を裏切るようなことをしていいのか? この主人公、通常シーンと、Hなことが絡んだシーンでは完全に人格が変わってるんだよなあ。To Heartの主人公もそうだったけれど、こういうのはあんまりいいこととは思えない。
Ken 「これ、ギャグとして片づけるにしては、あんまりだよなぁ。しかも、雪菜は、この後に草山に襲われるわけだけど、Hなことをしようとすること自体は、トラウマを克服するための記憶回復には役に立たない、しかし、人を殺めてしまったという経験を思い出すには、その行為を再び繰り返さなくてはならなかった、ということを説明するためにいれた、のかなぁ」
メロディ「くどいなぁ。……で、主人公は悪者になっちゃいけないから、草山に悪役になってもらった、と」
Ken 「結局、主人公がいいとこどりをしているように見えるな」
メロディ「でも、エンディングの締めかた、なんで結婚式なのかしらねぇ。確かに幸せには違いないのでしょうけど、他のキャラって、みんな日常生活を描写しているのに」
Ken 「親父さんとのケリがきれいについた、ということを示すために、セレモニーを用意する必要があったんだろうけれど、やっぱり、普段着の彼女が、明るい笑顔で……というCGが見たかったな」
[7] 亜璃沙
Ken 「う〜ん……特に思い入れはないんだけどなぁ」
メロディ「じゃ、次行こ。行数も少ないし」
[8] 女主人
を出るのは無理だろうからなあ。ある意味、一番主人公の助けを必要としているのかもしれない。館から出る方のエンディングでは、館との決別が描かれているし、一番正統的なエンディングかもしれないな。
メロディ「夢幻の世界とはいえ、そこに人がいることは確か。そして、その中における「現実」もまた、確実に存在する。それでいいんじゃないかな」
Ken 「……お前がいうか? まぁ、通常の「夢」とは違って、現実と自由に行き来することができない世界だからこそ、あのシチュエーションがうまれたわけだし」
【全体を通しての感想】
EP 「さて、まとめに入りたいと思うが、基本的にはよくできたゲームだと思う。Hシーンでの違和感さえなければ」
Ken 「これは、以前、旧版の感想をアップしたとき、やっぱり第一に書いたことなんだよなぁ。まぁ、手直しされているといった期待なんかしなかったけど」
メロディ「主人公とのHシーンを必須にする必要は、確かにないもんね」
美里 「さすがにいないんじゃない? これを読めば大変なことがわかるでしょうし」
メロディ「言われてるわよ」
Ken 「新規発言でここまで書けるほどパワーないよ、オレには(^^;)」
Ken&メロディ「それでは(^^)/」
1999年1月2日・3日
EP−ROMさん(nifty:FCGAMEX/MES/8/29317)
どうもこんにちは、Kenさん、EP−ROMです。#29277と#29283のマルチ
RESとさせていただきます。
今回は普通に書きたいと思いますが、
Ken 「うん。ただ、美和子の「おどおど」を強調すると、雪菜の「怯え」が霞んでしまうという問題があるんだよな。美和子の声には、確かに、オレも少し気にはなったんだけど、そういった点で不問。
なるほど、そういう見方もあるわけですか。ただ、美和子の場合、おどおどしている状態から、明るくなってからの変化が少ないかな、とも思えるのですね。
この当たり、由羅に対する感じ方が私とKenさんと異なっている点などと考え
合わせると興味深いですね。
Ken 「これも、絵によりけり、という印象だったけど。雪菜が膝を抱えて座るCGなんかは全く違和感なかったのだけれど、怯えているときにも安心しているときにも同じ表情のままで使い回し、これはひどい」
これについては、怯えている、と言っても、24時間怯えているわけでもないでしょうし、ほっとする時だってあるのではないかと思うのですね。この膝を抱えている場面というのは何かを見つめていたりする時ですから、怯えていなくても変ではないのでは、と思うのですが。
#29283
Ken 「落ち付けって(^^;) そういうピュアなゲームの方が少ないんだから。別に絶対的少数派とはいわんが……。ただ、このゲームの問題点としては、彼女達には、主人公は「勇気を与える」レベルで止めておいて、その時にはHを必要条件とはしない(回避可能なものとする)ということが可能だったんじゃないかな、と思うんだ」
回避可能であっても、つい見てしまう、というのがXゲーマーの性でしょうが。考えてみるに、このゲームが今出ていたのであれば、もしかしたらHシーンを必須とはしない、という方向もあったかもしれません。Xゲームは現在では二極分化が進んでいますから、Hシーンのないヒロインというのも、今ならば受け入れられるような気がするのですね。そのあたり、ちょっと古さが出ているのかもしれません。
[3] 深紗緒
Ken 「まったく、どうしてそうなるの……まぁ、「きっかけ」としては、鳥の巣イベントを膨らませれば、なんとでもなったと思うんだけど。他にも、子供らしい好奇心をポジティブに活用する形でのイベントもあっただろうし、Hシーンが蛇足に思えたなぁ」
これは完全にそうでしょうね。何とでも手はあったと思うのですが、どうしてHシーンに話を持っていくのやら・・・・・ まあ、ヒロイン全員のHシーンを入れなければいけない、というのが至上命題になっていたのであろうから、しょ
うがないのでしょう。
[4] 由羅
Ken 「ただ、自分の世界に籠もる、という場合、そこに積極的な理由があるからな。彼女の場合は、まさに、兄への想い、兄の想い、この二つが、お互いに強く引き合っていたからな」
状況だけ考えれば、あのままで由羅は幸せだったでしょう。ただ、彼女の兄にとっては、やはりあのまま現世に留まっていいわけはないでしょうからね。由羅も、兄が悲しい想いをする方が別れることより辛いということで、鬼としての兄の消滅を受け入れたのでしょう。
ここだけ見ていればいい話なんですが・・・・・ あ〜、Hシーンが蛇足だ!
[5] 沙里
Ken 「いや、オレも、この終え方はいいと思うよ。もともと、エンディングは複数設定されているんだし、「ハッピーエンド」と「トゥルーエンド」といった終え方でいいんじゃないかなぁ。
個人的にはこれでいいと思うんですけどねぇ。ただ、To Heartのマルチのシナリオの感想なんかを見ていると、ご都合主義でもハッピーエンドにした方がいいのかなあ、とも思うのですけれどね。(マルチの話ははちっともハッピーになってない、と私は思うのですけれど)
[6] 雪菜
Ken 「これ、ギャグとして片づけるにしては、あんまりだよなぁ。
ギャグという意図はない、と思うのですけれどね。結局、Hシーンに入るための伏線になっているわけで、あそこでHシーンを入れるためには必要だった、と思います。結局諸悪の根源は「全員のHシーンを入れなければならない」ということでしょう。このゲームが出た当時(95年だったかな?)には、違和感あるHシーンならいらない、という人はおそらく少数派だったと思うのですが、最近ではそうでもなくなってきたのではないかと思います。ですから、今後はこういうHシーンのあるゲームは減りそうな気がするのですけれどね。
Ken 「結局、主人公がいいとこどりをしているように見えるな」
そうですね。摩耶を襲ったりとか、ロクなことをしていませんが、結局主人公を正義の味方にするためにそうなっているわけで草山というのは考えてみればかわいそうなキャラなのかも。連れ出すエンディングくらい入れてやってもいいでしょう。
そう言えば、前の感想でも書きましたけれど、この『夢幻夜想曲』は、『きゃんきゃんバニーエクストラ』と似た所があるのかもしれません。Kenさんはこれがプレイできる環境をお持ちでないので何のことかわからないかもしれませんが、このゲームにおけスワティの位置付けというのは、『夢幻夜想曲』の女主人の位置付けと似ているところがあると思いますよ。
Ken 「新規発言でここまで書けるほどパワーないよ、オレには(^^;)」
いえいえ、何をおっしゃいますか。あれだけ大量の発言をアップするパワーは私にはありませんよ。実際、この感想を書いた後は2、3日文章を書く気力が出ませんでしたからね。今年もパワーある感想を楽しみにしていますが。
それでは。
1999年1月6日