第3回OFF会レポート(2003年1月4日)

 「X-GAME STATION」の第3回OFF会レポート。今回も例によってというかなんとかにつける薬はないというべきか、私が別のOFF回に徹夜参加した翌日に開催し、秋葉原散策を含めた「昼の部」と、夕食のなかであれこれ話す「夜の部」とに分けて開催するという強行軍と相成った。前回は台風が接近する中だったが、今回は天気がよく、移動には抵抗がなかったためスムーズに進んだが、とにかく寒かった。雪の舞っていた前日から続けて秋葉原に出現していた私は感覚が麻痺してしまったせいかそれほどとは感じなかったが、そうでなければけっこう寒い日だったろう。

 昼の部では、ショップをのぞきながら実際にゲームなどを目の前にしてあれこれ話すといったことが中心だったこともあってか、まだそれなりに実際のゲームについて個別にあれこれ話すことが多かった。一方夜の部になると、ゲームはゲームでも抽象的な話題が多く、現象に対する分析や改善策、はたまた制作手法に対する論評が飛びかい、いっそう濃い話題になったのも前回と同じ。よくもあれだけ話題がさまざまに広がったものだと思う。

 今回も前回に引き続き、一晩経ってからのレポートアップのため、興味深い話題をすべて忠実に残しているかどうか、正直なところ心許ない。しかし、実際には強く印象に残っているもののみを抽出したもの、ともいえるだろう。ものはいいよう、といった言い回しが頭に浮かんでけっこう痛いものがあるが、なにぶん連続OFF会などを強行して体力が限界に達しており、おまけに翌日は仕事ありという状況ゆえの現実策という側面のほうが強いのが本音だ。このほか、参加メンバーの身分もあって、ゲームとはまったく関係ない興味深い話題も大量に出たのだが、これらについては割愛させていただく。

 今回の参加者は、実は前回とあまり変わっていないが、藤八さんが初めての参加となった。氏のキャラクターからしてすんなりとけ込めるだろうと思っていたが、果たしてそのとおりであったのは主宰者として幸いであった。

【昼の部:KO-1さん、akitoさん、BGMmasterさん、藤八さん】

 別のOFF会に私とともに徹夜で参加していたBGMmasterさんと秋葉原駅改札口へ移動し、ここでKO-1さんおよび藤八さんと合流。私は藤八さんと以前大阪でお会いしたことがあるが、ほかのメンバーとは初対面なので、以後個別にあいさつ。

 特にこれといった「やること」あるいは「買う物」があるわけではないので、必然的に秋葉原をぶらぶらと歩き回ることになる。まず某ショップの中古ソフト売り場へ入り、ここでいろんなゲームのパッケージを手にとって品評会と相成る。ここでakitoさんが合流。「アリスソフトのゲームも守りに入ったかな」「プレミア付きゲームの価格もかなり変わってきた」「『SNOW』は本当に1月31日に出るんですかね」などなど、話題は尽きない。ここでakitoさんが合流。KO-1さんがダウナー系ということばを連発されていたのが妙に耳に残った。なるほど、そっち方面に逝ってしまわれたか、と(合掌)。今回は「××さんならこれ買わなきゃ」的に勧めることはなかった。まあ誰しもけっこう忙しいことがわかっているので、あまり無理をいえなかったのも事実だが。あわせて、ゲーム制作と商売といった話も、例えばねこねこソフトの作品を媒介として出る。この時点で「夜の部」のディープな流れへの布石があったような気がしないでもない。実際に買う買わないは別として、いわば「現象としてのゲーム」を見るには、中古売り場のほうがはるかにおもしろいのも事実だし、こういう展開になることはみな暗黙のうちに求めていたのであろう、ということにしておく。

 このショップの別フロアへと移動し、今度はグッズや新品ソフトについてあれこれ。もっとも新作についてはさほど話題にしなかったのだが、これは共通の話題にしにくかった(新作のチェックなどしていないメンツが多かった)だけかもしれない。店内に流れていたBGMを耳にしたBGMmasterさんが「この曲なんだっけなー」と。I'veの曲、KOTOKOさんのボーカルであることはみな聴いただけでわかるのだが、それ以上はわからなかった。しかしこういう形で判別される曲というのも悲しいものがある。

 道すがら、KO-1さんがBGMmasterさんに改造用の某ハードウェア探しをしないかと持ちかける。しかし、氏はこの直後に新幹線で移動ということもあって、今回は見送り。でかくて重いブツをえんやこらと背負った氏の姿は絵になったかと思い興味深いのに残念。もっとも当事者ならごめんこうむる程度の興味深さではあるが。

 特にKO-1さんから、私がギャラクシーエンジェルにハマっているのが意外も意外だ、とさんざん言われていたので、これから某ショップ(わかる人にはすぐわかるかもしれないが)へ行き、ゲームパッケージ裏面のシーンや流されていたデモを見せつつ、戦闘シーンの格好よさ、多様なプレイスタイルでやりこめるおもしろさを説明すると、一同わかってはくれたものの、それって説明しないとわからないということだよねグッサリ。その後もさんざん「だってギャラクシーエンジェルだしねえ」「だってブロッコリーだしねえ」「やっぱりこの巨大なハコを連想するもんねね」などと言われる。重ねて言うが、アニメについてはそもそも無関心なので何も知らないのは当然で、単に店頭で通常のパッケージを見て興味を持って買っただけなのであり、あれこれ突っ込まれても「ゲームはおもしろい」としか返せないのだが。

 ここから某ファミリーレストランに移動し、5人で食事を取りながら歓談する。テーブルについてからすぐに話が弾み、注文するのを忘れていたというのだから大したものだ。この時点で1時半ごろだったし空腹感はあったのに(徹夜明けなので、さすがに甘いものは無理)ずいぶんと元気なものである。ただし、やはり食べ終えるとややテンションが下がり、私は最後まで起きていたもののBGMmasterさんは時折うつらうつら。お疲れさま。

 

ネット上のコミュニケーション:やはり特定サイトを軸に集まったOFF会ということもあって、この題材が真っ先に出てくるのは自明の理なのかもしれない。2ちゃんねるの可能性と限界がまず話題になる。ネットワークシステムおよびマネジメントの両面からの現状分析、およびネットワーク技術の進歩とアングラ的好奇心の関係の微妙なバランスの上に立っていた匿名掲示板が大衆化する結果「走り続けてこその進歩」が止まっているという切り口が中心となる。情報源としてのガリバー的存在となると同時に、それがネットワークコミュニケーションの一般的な形態に対して一定以上の影響を及ぼした点も話題になる。ダイナミズムの喪失という現実に対しては、やや悲観的な方向で一致。さらに、ネットワーク上で露呈するさまざまな暗黒面についても話題にのぼる。akitoさんのサポート談義も非常に興味深かった。

個人掲示板のスタイル:個人サイトとともに、これについても多少話にのぼる。ただし、けっこう「夜の部」であれこれ蒸し返された感がなきにしもあらず。

アプリケーション:ブラウザに関する談義も。藤八さんのサイトの場合、意外と古いIEを使っている人のほか、Operaの比率がけっこう高いようだ。やはりIEユーザーが大多数である事実は否めず、これでの表示確認はやはり必須なのだろう、と昨年末にIEバグ回避をしなかった私は自戒。ちなみに現行は、メインがOpera、サブがPhoenix、場合によってNetscape7.01で、IEは表示確認にしか使っていない。「そういえば以前はゲームメーカーがオリジナルにカスタマイズしたIEを出していたね」という話も。これの延長としてメールソフトに関してあれこれ話題にする。「Becky!」のユーザーが多い。

自作ネタ:KO-1さんとBGMmasterさんのサウンドボード談義が活発。「激安でそこそこ」なサウンドボードで満足している私にはついていけない。まあ「PCなんてノイズの固まりだし音にこだわってもしかたない」ということを言い訳にしているに過ぎないのだけれど。CPUの選択なども話題にのぼる。

冬コミ戦果:とはいっても、もともとイベントと無関係な私には大して用のない話ではあったのだが、それでも気になるものはあった。それがぱんだはうすのCD。KO-1さんはしっかりと入手されていた。これは前日の別のOFF会でも見せてもらっていたのだが、このブックレットは大したもので、1月17日からは一般販売されるそうだが、これと同じものを出してほしいと切に願う。

 

 そろそろ時間、ということで、BGMmasterさんが撤退するので、一同秋葉原駅まで見送り。

 この後、秋葉原駅近くの某書店に行き、個別のマンガや小説、原画集などを肴に盛り上がる。最近はマンガとも縁遠くなったなあ、と年寄りめいたことを思う。

 「夜の部」での合流時刻にはまだ間があるので、引き続き秋葉原のショップをうろうろと回る。割と古めのゲームをネタに、あれがどうのと、何だか懐古的な展開が多かった。DOS時代のゲームをリアルタイムで知っているのはKO-1さんだけなのだが。

【夜の部:KO-1さん、akitoさん、藤八さん、FreshDollさん】

 FreshDollさんが合流し、ここから夜の部へと入る。もうあちこち散策するのも疲れていることもあって、某居酒屋へ行って夕食となる。

 こういう場所へ行くと、ファミリーレストランとは違ってリミッターが解除されるのか、遠慮ない話題がどんどん出てくる。アルコールが入っていたこともあって、話があっちへ飛びこっちへ走り、しばらくすると「……なんの話だったっけ」というツッコミが誰からともなく入るというありさまであったが、会話というものは脱線してこそ豊かな可能性が広がるものだし、これでOKOK。

 なお、前回に引き続きというかなんというか、akitoさんが多大なネタを提供してくださった点は書いておくべきであろう。というより、氏がひたすら話題を出し続けたような気も。

 

ゲームメーカー:ねこねこソフト、埼玉県騒動、minori問題などが具体的な議論の題材になる。「昼の部」でもそれなりの話題にはなったが、ここではユーザーの意識や求めるもの、メーカーの対ユーザー意識、市場の性質、購買行動の特殊性といった観点からの議論がかなり白熱した。これらを改善するためにはマネジメント面での改善が必要という点で私とakitoさんが一致する一方、ゲーム業界そのものがそれぞれベンチャー志向の強さに支えられているとKO-1さんが指摘する。市場の合理性が期待できるのは、ある程度成熟した製品であることが必要なのかもしれない。

人の移動:前の話題とも重なるところが多いが、人の移動による相互交流が、必ずしも業界内部の活性化につながっていないという声があり。むしろ外部との交流こそが望まれるのだが。

グラフィックのレベル向上:akitoさんが、グラフィックがここ数年のうちに急速にレベルアップしていると指摘し、これはプロのグラフィッカーだけでなく中高生あたりにまで及んでいるという。

クリエイターの試みの有効性:クリエイターが作りたい、出したいと思ったものがユーザーに伝わらないことがどれだけ多いか。KO-1さんが、特にユニゾンシフトのゲームを中心に力説。

「敵をつくる掲示板」の雰囲気(笑):どうも私の掲示板はかなり「敷居が高い」ものだそうだ。初めての人も抵抗なく入れるような雰囲気、そしてどんな方向に走ってもいいという雰囲気は維持するよう努力はしているつもりなのだが。

 

 ちなみに、最後に話題になったのが、オーガストが出しているレティシアの抱き枕(爆)だったりする。基本的に私は関連グッズなど、サントラCDをのぞけばまったく興味も関心もないのだが、この製品写真を見たときは思わず吹き出した。このネタで盛り上がっていた光景は、端から見たら非常に寒いものだったろうが、居酒屋だからこそできたのだろう。ファーストフードやファミリーレストランではこうはいくまい。話題にもTPOというものはある。

 そうこうしているうちに、居酒屋に滞在すること4時間を超えてしまったので、ここでお開き。けっこう皿も順調に減ったのには驚き。

 新しい参加者は1人だったこともあり、流れそのものは前回とはさほど変わらなかった。しかし新年早々、どうにも悲観的な結論へと話題の先が触れるケースが多かったのは悲しいところだ。別に厭世的な隠者が集まったわけでも、また悲壮に叫ぶ憂国の志士が集結したわけでももちろんなく、共通の趣味を持っている(多少ヒネた)小市民が集まったに過ぎない。これが結局、現在のゲーム界を覆っている「ぼんやりとした不安」を表しているものなのかな、という気もする。

 当の私はといえば、帰宅後すぐに睡眠を取り、翌日の昼前には出社したものの、風邪を引いてしまったようでどうにも体が重い。おまけに出社したはいいがまだ仕事ができる状態ではなく(体調によるものではなく、本来あるべきだった仕事の材料が遅れていてまだ手元になかった)無駄足だったために疲れ倍増。前途多難である。



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