第2回目となった「X-GAME STATION」のOFF会レポートをお届けする。第1回目(参加者:akito、GUSTAV、KO-1、SHEO、瀬川理希の各氏)にもなかなかに濃密な話題で盛り上がったが、今回は私が別のOFF会に徹夜で参加した後という変則的なものであり、「昼の部」と「夜の部」に分けて行った。「昼の部」は移動が、「夜の部」は腰を据えての会話が中心となった。台風13号が接近しており、どうなるか大きな不安を抱えていたが、台風の接近が遅れたため、ひとまずOFF会の最中においては、土砂降りは避けることができた。
ただし、特に夜の部では、私もついていけないような話題がどんどんつながっていった(単に疲れてきただけかも)こともあって、「印象に残っている」話題のみが過大に表記されている。一晩以上経てば、興味関心の薄い部分がさらに希釈されてしまうこともあって、話題を支障のない範囲でまんべんなくまとめたとはいいがたい。それでも、こんな形で盛り上がった、ということを記録しておくことで、この段階で取り上げられるトピックスから、参加者の関心や時事的な雰囲気(個別のゲームに関するものをのぞき時事的な話題はあまり出なかったが)を把握できるだろうし、そうでなくとも今後の話題の種ていどにはなるだろう。
【昼の部:KO-1さん、akitoさん、BGMmasterさん、鷹月ぐみなさん】
いったん1人で秋葉原駅改札口にて、KO-1さんおよびakitoさんと合流。いきなり東浩紀氏の論法やら視点やらで話が始まるなど、最初からめちゃめちゃなノリで飛ばす。徹夜明けナチュラルハイのなせるワザなり。
ショップAへ移動。工画堂のゲームを見てKO-1さんが「こんなゲーム予定表になかったぞ、と思ってよく見たら一般ゲーだった」と思ったことがあるそうな。PCゲームを一括りにしている私は安全圏にいるので他人ごと(笑)。
BGMmasterさんから携帯に連絡があり、ショップAにて合流。KO-1さんおよびakitoさんと、BGMmasterさんとは初めてなので、ここで挨拶。2001年11月28日に調べた時点での発言数トップ3が一同に会したことに。これから、各ゲームショップを中心に、ふらふらと秋葉を徘徊することになる。
近くのショップBへ移動する。『未来はぼくらの手のなかに』(ShapeShifter)が新品で980円ポッキリだったのでakitoさんに勧めるが、結局買わず。私も『奴隷市場Renaissance』などを勧められるが、いかんせん持ち物を考えればちょっと苦しい(いつ大雨になってもおかしくないので、荷物の量をほどほどにしておきたかった)ので、ここは遠慮しておく。
ここで中央通りから脇へ入り、ショップCへ。『家族奴隷化計画』(ZERO)を略して「家族計画」と表記して展示している。爆笑しつつ、これはマズいだろうということで一致。私が「これは詐欺だろ」というと、KO-1さんは「パッケージがある以上文字面だけで買う人はないでしょ」。
続いてショップDへ。KO-1さんが、『Liebe』(カスタムソフトウェア)だの『Oratrio』(ぱんぷきんぺあ)だのをakitoさんに勧める。まぁこれは恐らくいつもの光景なのだろうと推察される(笑)
さらに、日曜日の定番的なショップEにて、中古の製品をあれこれ手に取って無責任談義にふけっていると、ある人から声をかけられる。なんと鷹月ぐみなさんだった。以前(2002年6月2日)、同氏のOFF会で初めてお会いしたのだが、それから間を置かずに、しかもこういうタイミングでお会いしたことには心底びっくり。早速ほかの3人を紹介(全員初めて)、しばらくの間合流していただくことに。あれがどーのこれがどーの、と、無目的的だべりモード。ここで『書淫、或いは失われた夢の物語。』(FORCE)を発見、「興味あるなら確保しておかないと」ということで、akitoさんがゲット。まだこのレビュー書いていないなあ。私的評価1点ゲームとか、ゲームに恵まれない原画家さんの話なども。
ぼちぼち小腹が減ってきたので、ファミリーレストランへ移動する。5人という人数だったが補助テーブルで対応。鷹月ぐみなさんやBGMmasterさんを置き去りにしつつ、『Wind』の話題で盛り上がってしまう。舞台がどうの統計評価がどうのと、基本的に掲示板で話題にしていたネタが中心。みなもなど、記号でさえないシニフィアンだの、徹底的に空虚化された“φ”だの、メチャクチャに評する。みなも萌えの方スマン。みなもがかわいいことは私は認めるし、調理実習などの小イベントの微笑ましさでは3者一致。BGMmasterさんは、ここで“も”いぢられっこぶりを発揮(てへ)。ただし、何を話題にした結果かは失念。
なお、食べ物が胃袋に収まったせいか、少しうとうとしてしまい、どんな話題が飛び交ったかあまり正確に思い出せないのが残念。
そろそろ時間、ということで、鷹月ぐみなさんとBGMmasterさんが撤退することになる。秋葉原の駅まで一緒に、ということで席を立つ。
ショップFに立ち寄る。鷹月ぐみなさんが手に取っていたブツは「コズミック・サイコ」。目の色が明らかに変わっていた。BGMmasterさんは、前夜のカラオケOFFで『Rimlet』のボーカル曲が気に入ったようで探しているが、結局見つからず。
【夜の部:KO-1さん、akitoさん、FreshDollさん】
BGMmasterさん、および鷹月ぐみなさんと別れてから、akitoさんが『腐り姫』を買うというので、比較的規模の大きいショップを回る。途中で展示商品をネタにあれこれ話すが、KO-1さんは「絵で見て買うのだ」と力説(笑) さらに『君が望む永遠』などの超話題作については、興味がなくても「教養として買う」のだそうで。
『腐り姫』はなかなか見つからず、確か4店めでなんとかゲット。KO-1さんと、デモの見せ方や流し方、フレーミングなどについてあれやこれや。また、KO-1さんに「お勧めのCD-Rは?」と尋ねられるが、ひとまずヤバいブランドだけ教えて、あとは大差ない、とだけ。読み出せなくなったCD-Rがあったとのことで、簡単に個別の特徴などを話す。
いったん秋葉原駅に戻り、ここからFreshDollさんが参加。あまりお腹は減っていなかったのだが、FreshDollさんもすでに秋葉原を回ってこられたとのことだったので、そのまま飲みコースへ。FreshDollさんはお酒を飲まず、KO-1さんは最初の一杯だけお茶であとはビール。なんで? 以下、話題のなかで覚えているものをピックアップしてみる。
●鉄道の話題。基本的に私の趣味に対するツッコミのほか、KO-1さんの試飲ツアーなど。akitoさんを置いてけぼりにしてしまう。スマン。
●出版の話題。鉄道を題材とした作家からこのネタに。出版社のカラーリングや企業風土、経営体質といった話が続く。なんか皆さんずいぶん詳しい。
●通信業界の話題。IIJと電力会社系との合流がうまくいくんかいな、発電業務は今後どうなるか、といった話題も。ITの中でもコンピュータに関する話題がほとんど出なかったのは不思議だ。まして、ゲームと関係のある話はぜんぜん出てこない。
●「X-GAME STATION」掲示板に関する話題。私の掲示板が外部でどう評されているかという話題にもなる。掲示板では日記で更新されたネタが話題のベースに使われることが多いが、うちのサイトは「戯れ言」の記述が難しいために食いつきにくい、というご指摘。なるべく簡便な表記をしているつもりではあるけれど、論理の組み方が「わかりやすさ」より「納得できる形の提示」を優先させている結果、読むのがかなりしんどいものになってしまっているようだ。ある一定方向に関してスレたメンツが集まるのもむべなるかな、といったところか。
●2ちゃんねるの話題。パソコン通信世代とWeb世代とでの感覚の相違、匿名性が生み出すエネルギーと群集心理の体現、情報ソースとしての巨大掲示板の特性と参加スタイルのバリエーション、21禁板が持つ特徴、などなど、実に多岐にわたる。ここで出た話題についてひとつひとつ追っていくだけで、Webページのコンテンツがいくつもできそうなほどさまざまな話が出た。なお、具体的なスレッドについての踏み込んだ話がでなかった点は、前回と大きく違っていた。
●ファミレスに引き続き、『Wind』の話題。構成の不具合から伏線消化の方法、プレイヤーへの訴求力などの視点が中心になる。キャラ別の議論はほぼ皆無だが、私とakitoさんが2人ともみなも以外クリアしていない以上当然か。
●ゲームのシナリオの組み方。シナリオの作りが計算されたものかどうかの議論。『Wind』を最初のネタにしつつ、『家族計画』や『Phantom』などはまさに計算ずくであり、水戸黄門やら寅さんやらといった声も出る。その計算に基づく展開からのズレについて、akitoさんとKO-1さんとで大激論となる。聞いているだけでおもしろいので私は茶々入れ役に徹する(なお、マーケティングに基づく「計算」に関する話は出ず、ストーリーテリングの方法としての「計算」に留まっていたので、念のため)。小説の方法としての計算については若干の反論を試みるが、そもそも小説の方法論自体が袋小路に入っていることが頭に浮かび、少し虚しい。
このあたりで、皿およびグラスがカラッポになり、客が入ってきたために撤退…するつもりはまだなかったのだが(この時点で8時半をまわったころ)、店員に放り出される。居場所がなくなり、結局マクドナルドへ。ファーストフードの同じ店舗に1日2回行ったのは生まれて初めて(笑)
こちらは開放的なお店なので(当然)、話の内容も居酒屋に比べればいくぶん穏当になる。
●FreshDollさんが、メジャーメーカー/タイトルのゲームをことごとく回避していることを知り、その徹底ぶりにみな驚く。
●PC-98実機を使ってプレイした経験があるのが、4人中KO-1さんだけということが判明。
●ソフトハウスの係累をたどっていくと、多くのメーカーがF&Cにたどりつくことを改めておもしろいと感じる。その割には老舗らしさも感じないのだけれど。各メーカーの個別の話題のほか、新規メーカーや中小メーカーなどを一般的に扱った話も。
●フリーのゲーム「8月7日の雨宿り」の話題。akitoさんが大いに気に入ったようで、複数のPCに入れて、起動してはなごんでいるという。ちょっと心が荒んでいるときにいい小品なり。
マクドナルドが21時30分閉店となったのを機に、お開きとする。
akitoさんと別れた後、中央線の電車の中で、FreshDollさんに『メロディ』『SPARK!』『青い鳥』各ゲームの特徴をいろいろとくふうして説明……したものの、未プレイの人が「やってみよう」と思うような説明はできず。「『SPARK!』が動的なアナーキーとすれば『青い鳥』は静的なアナーキーだ」とか「“いつだっての〜てんき”がキーワードだけれど、正真正銘の〜てんきになれるには解脱が必要だよね」とか「秩序から積極的に逸脱することで生まれるものを楽しむのが『メロディ』であり、そこには“リズム”はない」とかいう説明では、例え的を射たものであっても興味はひかず、単に“引く”のがオチだろう。ううむ難しい。
さらに帰りの電車の中で、FreshDollさんはゲーム関係のOFF会は今回が初めてだという。このノリを一般化するのは絶対に無理だ、と強調しておく。ちょっと複雑な気分。
参加者によって、得られるものはいろいろ違うだろうけれど、少なくとも私にはとても楽しいものであり、自分にはないさまざまな考えに触れることができた。まずは、今回の参加者に対し、謝意を申し上げたい。そしてまた、今後ともよろしく。