「最近、一般ゲームのレビューが多いですね」というメールをしばしばいただきますが、
確かにそういう傾向があるかもしれません。全年齢対象だけれどアダルトゲームと重なる
ものがあるというゲームは、いまや非常に稀少な存在になっていますから。
もっとも、ブランドで見ると工画堂スタジオとKIDに集中してしまうんですけどね(^^;
一般ゲームといっても、某157(笑)に突っ込むつもりはありませんし。
・caseさん:
>メーカーサイトを確認したところ、無事に発売された模様です。
ですね(^^)
>個人的には、シナリオライターに興味がでてきてます。
>(『Lien』の荒川巧氏(2001/4/1まで)と『青空』の鷹取兵馬氏)
なるほど。しかし『Lien』と『青空』ってどういう組み合わせになるか、さっぱり見当
がつきませんけれど。
……あ、まだ『青空』も途中でストップしたまんまだったなあ(^^;
・M1号さん:
どうもはじめまして。こちらこそよろしく。
(俺の屍を越えてゆけ)
>後は「短命」(寿命は長くて2年)を忘れてはいけません。
ある限られた時間をどう使うか、ということでしょうか。2年というスパンは、人間が
実際に生きるうえでは長いような短いようなよくわからん単位なので、だれっと過ごすと
すぐに経過してしまうものですよね。
(あすは恋して)
>WindowsXPでもちゃんとインストールできますよ。
情報ありがとうございます。「タイムゾーン」をいじって正常に動作させるアプリが
あるのは知っていましたが、『あす恋』のインストーラもこのパターンでしたか。
次の更新時に修正しておきます。
(ツインズストーリー)
>CGモードですが、PS版では達成率は表示されますよ。
こっちは今起動して確認しましたが、やはりPC版にはありませんでした。確かPS版の
発売はPC版のあとだったはずですから、要望があってつけたのでしょうね。
・FreshDollさん:
>家族連れが多いのですから、アダルトゲームのブースはエリアを分けてほしいもの。
アダルトゲームの需給層(あえてこう括っておきます)のパワーが大きいことは確か
なのでしょうが、それを開き直って“市民権を得ている”かのように振る舞うのはあまり
感心できませんよね。“後ろ指をさされやすい”ことに対しては、何につけても安易に
正当化に走りがちな世相の裏返しかもしれませんが。
>今月契約?ということは、今まで電話回線だったのですか?
いえ、これまではCATVでした。ただし最大128KBなので、ISDN並みです。
>一度速いのに慣れると、もう遅いのには戻れないですよ。
これは同感です。ストリーミング映像がまともに再生されるのを見たときの感動は
すごいものでした。
別にハマりませんでしたが。
>ネットをやるにも朝は早いのがよろしいかも。
朝方のほうが、万事効率がよくなりますよ。私は夜に仕事がずれ込むことが多いうえ
朝は遅くても大して問題ないため、どうしても夜型になってしまいますが、就職する前は
朝は5時前には起きて体を動かし、夜は11時には寝ておりました。
それでは(^^)/
こんばんは。FreshDollです。
先日、東京キャラクターショーに行ってきたのですが、家族連れの結構多いこと。
それ自体は問題ないのですが、問題はブースの展示方法。
家族連れが多いのですから、アダルトゲームのブースはエリアを分けてほしいもの。
女性の裸の絵が描かれたグッズが堂々と陳列されているのはどうかと・・・。
以上、多少の苦言。
レス2件。
<Kenさま>
>今月契約したADSL回線でダウンロードしてプレイしてみました。
今月契約?ということは、今まで電話回線だったのですか?
なんか意外ですね。
一度速いのに慣れると、もう遅いのには戻れないですよ。
<cianさま>
>4:00起床。すんごいサワヤカな朝です。(*^^*)
ネットをやるにも朝は早いのがよろしいかも。
私は、朝と寝不足には非常に弱いので・・・。
それでは。
はじめまして。M1号と申します。
>Kenさん
はじめまして。
・俺の屍を越えてゆけ
大体8割方合っていますよ。後は「短命」(寿命は長くて2年)を忘れてはいけません。
人によっては激ハマリするか途中で面倒臭くなるか…という結構忍耐力のいるゲームですが。
しかし、これが18禁のゲームだったら交神の儀のシーンは楽しみで仕方がない(笑)。
・レビューの諸突っ込み
色々なゲームのレビューにいつか追記していただけるとありがたいです。
(あすは恋して)
WindowsXPでもちゃんとインストールできますよ。(インストールの際、「タイムゾーン」を「グリニッジ標準時」に変更することでインストール可能に。インストール後は元の時間に戻せば問題なしです)
実際これでインストール&全クリアできましたし。
(ツインズストーリー)
CGモードですが、PS版では達成率は表示されますよ。
どーもです。case です。
#書き込み時刻へのツッコミは却下
cian さん wrote
>もしスケジュールどおりに発売されたら、お詫びとして突撃すべきですかね?(笑)
Ken さん wrote
>いいんですか、そんなこと言っちゃって(^^; どーなっても知りませんヨ?
メーカーサイトを確認したところ、無事に発売された模様です。
cian さん wrote
> 例によって音楽担当で興味があったんですけれど。
レビューを検索したところ、『BGM鑑賞モードは無し』だそうで・・・
個人的には、シナリオライターに興味がでてきてます。
(『Lien』の荒川巧氏(2001/4/1まで)と『青空』の鷹取兵馬氏)
やはり逝くべきですか?
case@平日は午後10時退社
今日はHDD内のデータを整理してCD-Rに焼いていただけでした。いえ、一日中そればっ
かりやっていたわけじゃないですけどね(^^;
・caseさん:
>なのは:『とらいあんぐるハート3』の妹キャラ。
>星野ルリ:アニメ『機動戦艦ナデシコ』のキャラ。
どもです。なるほど、特に後者は「なーんかほかのところで見た(聞いた)ことは
あるけど…」だな、とわかりました(^^;>アニメと無縁なので
とらは3もやってません、というよりこのシリーズは最初の1作だけで「もういいや」
となってしまったもんで(^^;;;
それでわ。
どーもです。caseです。お久しぶりです。
Mr.ARCさん wrote
> 僕の知り合いに乃絵美となのはと星野ルリ萌えがいますが(笑)
cian さん wrote
> さらにスミマセン、乃絵美しかわかりません。星野ルリはどこかで名前を聞いたこと
> はありますが……。(どこだったかな?)
Ken さん wrote
> 乃絵美の『With You』は1998年9月発売。もう1人はよく名前は目にしますがわかりません(^^;
なのは:『とらいあんぐるハート3』の妹キャラ。
星野ルリ:アニメ『機動戦艦ナデシコ』のキャラ。
だったりします。
当方、とらは3は未プレイで、ナデシコは殆どみてません。
#With you も軽くプレイしただけだし・・・
いじゃう
8月にOFF会を開こうかと考え中です。現時点では、参加希望者の日程にあわせて詳細を
検討したいので、
「当日参加することになるかどうかはわからないけど、興味はある」
というかたは、私までメールをお送りください。
さてゲームについてですが、今月もまた何も買わずに終わりそうです。「戯れ言」で
書いたとおり『待宵草』に多少興味はあるのですが、怪しさもかなり漂っていますし、
発売当日に血迷っているかどうかが運命の分かれ目になりそうです(^^;
・Mr.ARCさん:
どうもお久しぶりです。
>俺の屍を越えてゆけ
コンシューマについてはさっぱりわかりませんが、なにやら「戦闘と、神々との交わり」
(笑)で進んでいくゲーム……みたいですが、もし違ったらゴメンナサイ。
>僕の知り合いに乃絵美となのはと星野ルリ萌えがいますが(笑)
乃絵美の『With You』は1998年9月発売。もう1人はよく名前は目にしますがわかりません(^^;
>そもそも同時攻略可能な時点でシナリオ構造に負荷を与えますからして
同時攻略が可能だと、攻略が可能であるキャラとそうでないキャラとをどう区別して
いくかとか、キャラ相互間のやり取りをどうするかとか、そういった課題をクリアする
必要があるわけですからね。この難しいコトをきちんと処理できているゲームは、やっ
ぱりプレイしていて楽しいんですけれど。
>しかし、最近のハーレムエンドで「収拾付かなくなったからなしくずし」以外のってありましたっけ?(爆)
うーん。私はもともと酒池肉林系はほとんどやってないので参考にはなりませんが。
強いていえば……………『逸脱』ヾ(^^;チョットマテ
・cianさん:
> もしスケジュールどおりに発売されたら、お詫びとして突撃すべきですかね?(笑)
いいんですか、そんなこと言っちゃって(^^; どーなっても知りませんヨ?
(ユリ色の少女)
なるほど、薔薇のみではモノ足りず、今度は百合の世界に挑戦ですか。
ワタシのような枯れた者には、もーついていけません(^^;
>>なんというか、これだけでかなり先が読めてしまうんですけれど
> それは禁句です。(^^;;;
さきほど、旭エンド見ました。結果は「……………………」。
個人的には「もっと芽依子を出せ!」がホンネですけど。鳳仙かわいいし。
4:00起床。すんごいサワヤカな朝です。(*^^*)
『さよなら。』以来、購入意欲が湧きません。当然新作もあまりチェックしてないの
ですが、今週発売のものをちょっと。
某情報サイトを見たのですが、『AQUAS』(MERCURIUS)が今週発売予定になってます。
私は例によって音楽担当で興味があったんですけれど。
それはともかく、マスターアップしたという告知が未だにありません。発売延期する
なら、もっと早くそう発表すべきだと思いますが。(発売延期を疑っていない)
もしスケジュールどおりに発売されたら、お詫びとして突撃すべきですかね?(笑)
それと、タイトルのみで興味をそそられたのが『ユリ色の少女』(Serene)。(笑)
どんなゲームかとメーカーサイトに行ったのですが……。
前回(俺の下であがけ!)といい今回といい、私がタイトルだけで気を引かれるのは、
どうしてこんなのばっかなんですかね?
前回よりマシでしたけど……。(--;;;
・Kenさん:
> こういうサイトもマメにチェックしておいでなんですね(^^;
マメにチェックしてるわけ、ないじゃないですか。(苦笑) まぁ……マメにチェッ
クしてる人が多数参加してるBBSをROMしてるのは事実ですが。
にしてもああいう方々はどこから情報収集してくるのか、疑問ではあります。知らな
い方が良いような気もしますけれど。(笑)
> 一歩間違えると「主人公、わけわからん」になりやすいのですけれどね。
前にも書いたことですが、初プレイ時は『ONE』より『メモオフ』の方がすんなり受け
入れられた――とだけ申し上げておきます。(汗)
ところで戯れ言を拝見しましたが、『SNOW』プレイ中だそうですね。
正解/不正解についてはご希望どおり申し上げませんが、一言。
>なんというか、これだけでかなり先が読めてしまうんですけれど
それは禁句です。(^^;;;
・Mr.ARCさん
(さよなら。)
>またしてもコンシューマーの話で恐縮ですが、「俺の屍を越えてゆけ」を思い出しました。
>もしかしたら、影響受けてるかも?
スミマセン、未プレイなのでコメントできません。
>僕の知り合いに乃絵美となのはと星野ルリ萌えがいますが(笑)
>これ、時系列で並べるとどーなるんでしょうね?
>ちなみに今は末莉萌えらしいです(爆)
さらにスミマセン、乃絵美しかわかりません。星野ルリはどこかで名前を聞いたこと
はありますが……。(どこだったかな?)
何日ぶりでしたっけ?(爆)
おはよーございます、Mr.ARCです。
>さよなら
またしてもコンシューマーの話で恐縮ですが、「俺の屍を越えてゆけ」を思い出しました。
もしかしたら、影響受けてるかも?
ここの情報だけでそう思ったので、まるで見当違いかも知れませんが(^^;
>妹とか
僕の知り合いに乃絵美となのはと星野ルリ萌えがいますが(笑)
これ、時系列で並べるとどーなるんでしょうね?
ちなみに今は末莉萌えらしいです(爆)
>究極の選択
ぶっちゃけ、そんなに不評でもないようでしたね。
ただ、作る側にとっては結構負担だったりするんで、「売りにならないんなら楽したい」がホントのところではないかと(爆)
そもそも同時攻略可能な時点でシナリオ構造に負荷を与えますからして、構成力が足らんと速攻で破綻します(^^;
ついでに今のトレンドはハーレムのようですし(笑)
しかし、最近のハーレムエンドで「収拾付かなくなったからなしくずし」以外のってありましたっけ?(爆)
あ、鬼畜系はハーレムとは違う気がするので除外です。
一遍くらいは「徹底的に修羅場った揚げ句に総員納得ずくでハーレム」てのを見てみたいものですが(笑)
では、今回この辺で。
By Mr.ARC
わたしはゲーム機を何も持っていないのですが、PS2版の『ファーストKiss物語II』の
Windows用体験版というモノが公開されていたので、今月契約したADSL回線でダウンロード
してプレイしてみました。
やたらめったら「画面上に女の子が出てきてにぎやかでしょー」という点をくどくど
アピールしているため、すぐにダレてきました。Web上での公開ということで音声なしと
いう面も差し引く必要はあるでしょうが、
“どう見ても自然とは思えない生活を送っていると、なんだか知らないうちに、カワイイ
女の子と仲良くなってしまいました”
という風に見えてしかたがありませんでした。
もちろん、この感想は体験版をプレイしただけなので、本編でどうなっているのかは
まったくわかりません。またコンシューマゲームのインタフェースなどもまったく知らない
ため、画面切り替えなどの動作についてはコメントを控えておきます。
ダウンロード先は、下記URLを参照のこと。
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20030708/fks2.htm
・cianさん:
>こんなゲームが……。
こういうサイトもマメにチェックしておいでなんですね(^^; やっぱりワタシにはついて
いけないです、ハイ。
> あと余談ですが、【その理由を追究するのにどれほどの意味があるか】という点では
>『ONE』の「えいえんのせかい」も同じスタンスで考えています。
なるほーど。いわば超常的な“現実”が(ゲーム世界で)存在していることを、プレイ
ヤーおよび(登場人物であるところの)主人公とがどう受け入れるか、その違いに注目
することがおもしろさにつながる、そんなところでしょうか。
一歩間違えると「主人公、わけわからん」になりやすいのですけれどね。
それでは(^^)/
こんなゲームが……。
・Kenさん:
(さよなら。)
>ちょっと不安になってきました。
書かない方が良かったですかね?@報告(^^; しかし書いてしまったものはしょうがな
いんで補足しますが、全体としての評価は高くならないと思います。しかし凡作と決め
つけるのもどうか、と。
『さよなら。』の世界では20歳の誕生日には必ず死を迎えるのですが、その理由を追
究するのにどれほどの意味があるか、と。学者であれば話は別ですが、一般人にとって
は既定の事実を動かせない以上、原因を突きとめることにそれほど意義を見出さないと
思います。
「大過」(ゲームではそう表現されています)の最初の時期ならともかく、あと1年後
に人類が居なくなる末期では特に。
但し、一般人といってもそれは登場人物の話であって、プレイヤーは原因を知りたく
思うのが普通でしょう。しかしプレイヤーに「読ませる」ことにのみ特化して、あえて
キャラクター間の末期の交流のみにスポットを当てても、それはそれで面白い試みかと
思います。(『さよなら。』がそういうコンセプトかどうか知りませんが)
そういう視点で見ると、『さよなら。』の春夏秋はなかなか興味深い内容になってい
ると思います。しかしそれでも人によって評価が分かれそうな気もします。私としては
そのあたりをKenさんがどう斬り込むか、興味があるのですが。(笑)
そーゆーわけで、首をブロントサウルスのように長くして待っております。(笑)
あと余談ですが、【その理由を追究するのにどれほどの意味があるか】という点では
『ONE』の「えいえんのせかい」も同じスタンスで考えています。矛盾を挙げればキリが
ない、というリクツもありますが、それ以上に「そこにある」世界として受け入れて主
人公がそれにどう抗するか、そちらに注目していました。
ここ数日はゲームをプレイすることがないばかりか、そもそもPCのスイッチさえ入れない
日がかなり多くなっておりました(^^;
・cianさん:
『さよなら。』コンプリートおめでとうございます。
私は発売日にとりあえず購入だけしたものの、いまだに封さえ切っていません(^^;
> 音楽はこれも良い出来ですね。雰囲気にぴったり合った、世界観を盛り上げるBGMです。
担当がPANDA氏ですし、ここは最初から心配無用でしょうね。
> 結論としては迷走したかな、という印象です。
うーん……。微妙な表現ですね。ストーリーを論理的に説明するための道具としてでは
なく、むしろ物語を昇華させる方向に働いていればよいのですが、ちょっと不安になって
きました。まあ百聞は一見にしかず、プレイするのが先なのでしょうけれど。
・EP−ROMさん:
(PALETTE)
ゲーム名を見て最初に思ったのが
「ああ、そんなゲームもあったなあ…」
でした。良い方向でも悪い方向でも、印象に残っていないのです。
改めて思い返してみると、ストーリーの出だし部分がかなり特異でしたね。また、ヒロ
インから主人公へとアプローチするところから始まるケースが多く(恵理がたしかその
典型例だったかと)、このため最後で攻略対象外となった女の子と別れる際に嫌みが残ら
ないという点もありました。
もっとも、
>地味ながらも結構こだわって作られた作品であるだけに、何気ない日常の心地よさとい
>うものを体験してみたいという方にはいいかもしれません。間違ってもシナリオ重視系
>の人はプレイしてはいけませんが。
うーん。私の場合、プレイしたあとのインパクトが弱いのは確かなんですが、このゲー
ムが印象に残らなかった理由がどこにあるのか、よくわかりません。キャラデザが気に
入らなかったのはまちがいないのですけれど。自分で書いたレビューを読み返してみると
「……こんなゲームだったっけ?」
と思ってしまったぐらいなので(^^;
それでは。
タイトル:PALETTE
ブランド:フェアリーテール/F&C
対応機種:Windows95/98
発売日 :1998年11月20日
「With You」の発売後、F&Cより今度はフェアリーテールブランドで「PALETTE」
なるゲームが発売になるとの発表がありました。が、「With You」で痛い目をみてい
た方は今度は見送りと決めた方が多かったようです。かく言う私は、と言えば、
「ヒロインが選択できるシステム」というのに興味をひかれて突撃してみることに
したのでした。F&C嫌いの人には「懲りない面々」などと揶揄されたりもしたの
ですけどね。さてその結果はどうだったのでしょうか?
ゲーム内容は、主人公は高校生で、子供の時に主人公の家に引き取られて実の姉のよ
うに過ごしてきた従姉のお姉さんのマンションに居候しています。そして周りには幼な
じみが二人、主人公を「お兄ちゃん」と慕う従妹の女の子、さらには従姉のお姉さんを
通して知り合った他校の女子生徒、と女の子に囲まれています。さてその中で主人公は
誰と恋に落ちるのか、というゲームです。
最初から始める場合はシナリオが3つ選択でき、恵理&翠編(幼なじみ二人)、玉緒
編(従妹の女の子)、深月編(他校の女の子)があります。さらにバッドエンドを見る
と千晴編(従姉のお姉さん)が追加されます。ただしヒロインの選択と言っても、その
キャラしか攻略できないというわけではなく、他のキャラとのエンディングを見ること
も可能です。ヒロイン選択というのは「登場する回数が多くなる」くらいの意味である
と考えた方がいいのかもしれません。メインヒロインシナリオからのエンディングと他
のシナリオからのエンディングではそれぞれ味わいが違い、キャラクターの魅力を十分
に味わえる作りとなっています。
しかし幼なじみ二人の設定が、片方が活発、もう片方が大人しい眼鏡っ娘、と「With You」
とそっくりなのには驚きました。これは「偶然そうなってしまった」のだそうですが。
このゲーム、内容的には完全に「日常の1コマ」であって、劇的な展開等は一切あり
ません。それだけに、ゲームからインパクトを受けることを求めている方には全く向か
ないでしょう。私としては描写を完全に日常の範囲にとどめておくことによって、ごく
普通の生活の良さをうまく描いていると思うのですが、そういった感想はあまり見かけ
ない所を見ると私の感性が一般とかけ離れているのでしょうね。念のために書いておき
ますと、間違ってもシナリオ重視系の方にはお薦めできません。ご注意を。
ここで2つほどこのゲームの特徴的なことを書いておきたいと思うのですが、まず1
つ目として、ゲーム中である女の子に告白するために、それまで関わりのあった女の子
に断りを入れる必要がある場合がある、ということです。以前「昔話」その34で触れ
た「さくらの季節」とこの「PALETTE」以外ではこういった描写は見たことがありませ
ん。ヒロインの方から身を引いて主人公の背中を押す、というタイプなら色々あるんで
すが。
告白する相手が決まったら他のヒロインのことなど全く無視、という主人公が大半な
中にあって、こういう筋を通す描写はなかなかないだけに、その点だけでも評価してい
いのではないか、と思っているのですが。
もう1つは、「親しい間柄ではあるのだけれど、恋人への一歩が踏み出せない」とい
うパターンはよく見かけますが、その一歩のために非常に不愉快なイベントを挿入して
いるゲームがあります。(例「To Heart」「ONE」) ところがこのゲームにおいては、
「主人公が他の女の子にフラれる」というイベントをもって来ています。これなら女の
子の方は傷つかなくてもすむのでうまいやり方だな、と思ったのですが、一般受けはし
ないでしょうかね?
個人的にはかなり気に入っているゲームなのですが、このゲームの最大の欠点はキャ
ラクターデザインにあります。Kenさんも気に入らなかったようですが、やっぱり一
般受けはしにくいでしょうねぇ。これまた「if」の世界になるのですが、もしこのゲー
ムのキャラクターデザインが「With You」の橋本タカシ氏だったら。「With You」を超
えるヒットとなっていたかもしれません。絵のせいで不当に低く評価されている感があ
り、残念でならないのですが。
強くプレイを勧めるほどにずば抜けたセールスポイントがあるわけではないのですが、
地味ながらも結構こだわって作られた作品であるだけに、何気ない日常の心地よさとい
うものを体験してみたいという方にはいいかもしれません。間違ってもシナリオ重視系
の人はプレイしてはいけませんが。
ではまた。
フルコンプしたので感想を……しかしどう書けばいいんでしょ、これ?
まず、シナリオ以外の出来は良いです。CGは輪郭がややぼやけていますが、これはワザ
とでしょう。なんでも背景は京都でロケを行い実写を加工したそうですが、作品世界とマ
ッチしており、「ピクチュアノベル」の名に恥じない出来です。
欠点は女のコの服か。世界設定を考えると、こんな華やかな服装になるとは思えないの
ですが。特に和服はどうやって(自分一人で)着付けているのか疑問。
まぁヘソ出しルックで砂漠の夜を過ごすゲームもありますから、これくらいでメゲてて
はいけないのでしょうが。(笑)
音楽はこれも良い出来ですね。雰囲気にぴったり合った、世界観を盛り上げるBGMです。
他、強制終了などのバグはなし、誤字脱字もなし(だと思う)、CGモード・BGMモード・
えっちシーン鑑賞ありと、システムに不満はないです。
ボイスは主人公以外フル、演技力は……私は興味がないのでわかりません。(多分及第点だと思う)
で、問題はシナリオなんですが……何というか、制作者が何を描きたかったのか私には理解出来ませんでした。
このゲームはオムニバス形式で、春夏秋冬それぞれの季節にヒロインが一人います。
(秋は進め方によっては違うヒロインになる)
春夏秋はそれぞれのヒロインと「出会い→えっち(笑)→別離」を繰り返します。展開がワンパターンの感がなきにしもあらずですが、各ヒロインがそれぞれ各人の死生観を持
っており、そのあたりが丁寧ではありませんが淡い雰囲気を持って描かれています。
【別離は必ずやってくる。奇跡は、おきない。】
『さよなら。』のキャッチフレーズですが、その通りで奇跡はおきません。また「死
別」についても泣きの演出を排し、ある種の無常観で綴られているのも好印象でした。
(というか、そのために世紀末を舞台にしたと思う)
で、問題は冬以降ですが…………。なぜこのような世界(20歳の誕生日に必ず死を迎える)になったのか、説明しようとしてプロットだけを提示し、放置プレイに走っているような気がするのは私だけですかね。(^^;
こんな中途半端をするならいっそプロットなど放っといて、主人公も各季節別々の完全
なオムニバスでも良かったのでは、と思えてきました。雰囲気が良いだけに。
結論としては迷走したかな、という印象です。制作者に何か描きたいことがあったのに、下手にオチをつけようとして崩壊した、と。
はっきり言ってお薦めは出来ません。損するというほど酷くもないですが。
音楽とCGの雰囲気は素晴らしいので、それ狙いで外すことはありません。また、世紀末の無常観を淡々と描かれている作品が好きな方なら迷わず買いでしょう。
個人的には『アトラク=ナクア』のレッサーバージョンかと思います。
Kenさん:
(With You)
> また、それまでは妹が出てくると“近親相姦=タブー”といった図式が必ずあったもの
>ですが、このあたりをきっかけに、素直な萌えキャラのバリエーションの1つになっていき
>ましたが、そういう面では『With You』は1つの流れを作ったのかな、という気もします。
このあたりについては以前考えたことがあるのですが、「With You」がきっかけにな
ったというよりは、ゲーム界全体が妹キャラをもてはやすようになった流れの中で、
「With You」は比較的最初の方のゲームなんではないか、と思っているのですが。源流
はもうちょっと前のゲームに求めるべきなのかもしれません。
まあ機会があれば「ゲーム今昔記」の中で、「妹キャラ」とか「幼なじみ」など、特
定のゲームではなくてゲーム中の要素について論じてみたいと思っているんですけどね。
いつになるかはわかりませんけれど。現在は第3回を書いている所で、第4回は時代が
戻ってDOSゲームにする予定です。
cianさん:
『CampuS 〜桜の舞う中で〜』ですが、私は未プレイですので残念ながら書けません。
ご了承のほどを。
ではまた。
ゲームのプレイ時間がかなり減ってきました。仕事がどうとかいうのではなくて、家に
帰るとあれこれ(仕事とまったく関係のない)勉強をしたりしているため、気分転換程度
になってきたしだいです。すでに攻略サイトとしては休眠状態だし、サイトの運営方法も
現実的に見直したほうがいいかな、と考え中。
弾があるうちは、レビュー書きを止めるつもりはありませんが。
・cianさん:
(With You)
発売当時、NIFTYの特設会議室(期間限定の特設掲示板に近いものです)に書き込んだ私
の発言を見なおしてみましたが、「ずいぶん白けていたんだな」と思い返しました。当時
は発売日に買ったゲームについては(よいものも悪いものも)感想を即日あげていたので
すが、この『With You』については、既存の発言(レス先がEP−ROMさんの発言だっ
たりします)に対するレスづけを2、3しただけで、あとは突っ込む気にもなりませんでし
た(^^; それを思えば、「辛すぎる」といわれても、当時の印象をそのまま書けばもっとひ
どくなったのでは、という気もします。
ちなみに当時、以下のようなことを書いておりました。
この『With You』は、そのテーマからして、
「萌え」に頼るタイプのシナリオではないはずですよね。必ずしも一対一で
はない人間関係、それを描き出すのに当たっては、かなりシナリオに練りこ
みが必要な筈なんですが、それも薄味ですし。
> 余談ですが、これとは逆に世間の評価が高すぎる、と感じているのが『CampuS 〜桜の
>舞う中で〜』です。こちらもPC版をプレイしたことがなくPS版をプレイしたのですが、舞
>子などはえっちシーンのあるなしで印象が違う――と聞いたことがあります。
“印象が違う”以前に、PC版の舞子シナリオって、単なるやりまくりですよ?(^^;
PS版の内容については私はまったく知らないのですが、舞子のイメージが崩れるだけの
ような気がします。私も舞子シナリオはあまり好きではないので、もうよく覚えていない
のですが。
>私信:例のアドバイスありがとうございました。m(_ _)m
いえいえ、あんな中途半端な内容で参考になったかどうか。
> 最近では妹キャラは立派な(笑)属性の一つですが、始まりはこれだったんですかね。
いえ、単なる“妹キャラ”であれば、それまでもいくらもいましたよ。1997年ごろまで
は実妹とのHシーンを入れる作品さえありましたし、義妹となればさらにいっぱい。でも
「お兄ちゃん」と慕ってくるキャラクターが萌えの対象として定式化されたのは、やはり
このころが一つの区切りだったのではないかと思います。
これ以前の作品で出てくる場合、どうしても近親相姦という禁忌に触れるということが
先に立っていました(『夢幻夜想曲』などが好例)。また義妹であっても、主人公とヒロ
インとのほかに第三者(肉親なり親友なり)が介在する傾向がありましたが、このころか
ら“ストレートらぶらぶ”が始まったようです。
唯は“妹キャラ”というよりは、妹分的な存在に過ぎないと思うのですが、どうでしょ。
> レビュー、首を長〜〜〜〜〜くしてお待ちしております。(笑)
そのうちタンチョウヅルか何かになっちゃいますよ?ヾ(^^;
それでは(^^)/
・EP−ROMさん:
(With You)
> その後このゲームはコンシューマーにも移植されましたが、私はセガサターン版をプ
>レイしました。
私はSS版はプレイしましたが、PC版は未プレイです。正直言って乃絵美以外見るもの
はない、というのが私の感想ですが、それにしてもKenさんや余所のレビューは辛す
ぎる……とも感じていました。
単なる経験値の差かな、と思っていましたが、それだけでもなさそうですね。
余談ですが、これとは逆に世間の評価が高すぎる、と感じているのが『CampuS 〜桜の
舞う中で〜』です。こちらもPC版をプレイしたことがなくPS版をプレイしたのですが、舞
子などはえっちシーンのあるなしで印象が違う――と聞いたことがあります。
「ゲーム今昔記」で扱う予定、あります?(^^;
・Kenさん:
私信:例のアドバイスありがとうございました。m(_ _)m
>素直な萌えキャラのバリエーションの1つになっていきましたが
最近では妹キャラは立派な(笑)属性の一つですが、始まりはこれだったんですかね。
私の知る限り妹キャラで古くからいる人気キャラは唯(同級生2)なのですが。しかし
乃絵美の人気は異常ですし、今の妹キャラの原点はこれなのかも。
ちなみに私の知る範囲で、歴代人気キャラ投票で必ず上位に顔を出すのが、マルチ、
乃絵美、雪希ですね。私のストライクゾーンから外れたキャラばかりですが。(笑)
>私は宣言通り1つだけですが、これも着手するのはもうちょい先になります。
レビュー、首を長〜〜〜〜〜くしてお待ちしております。(笑)
・FreshDollさん:
>6月投入は現時点で「朱」「Angel Crown」「After・・・」「3LDK」の4本。
私は『朱』、『さよなら。』の2本です。どちらも外れではなく、ホッとしています。
(笑) ちなみに今年発売の作品は5本、外れは『青い涙』しかなかったです。まぁこれ
は覚悟しての突撃でしたけど。
『After…』の出来が良かったら教えてくださいね。(笑)
服のストックを整理して収納スペースを作り、クローゼットに棚を入れました。これで
スペースが確保でき、モノを動かさずに掃除機をかけられるようになりましたが……家族
と同居してるんですけどね、私(^^;
・FreshDollさん:
>6月投入は現時点で「朱」「Angel Crown」「After・・・」「3LDK」の4本。
かなり突っ込まれましたね。私は宣言通り1つだけですが、これも着手するのはもう
ちょい先になります。
>当時の新作紹介の主なものは、「With You」を筆頭に、
ずいぶん懐かしいラインナップですね。ユーザーインタフェースが大幅に改善される
ようになったのがこの年でしたし、ゲームデザインなどはこの時期に固まったものも
けっこうありますね。
完全に私事ですが、私が通信を始めたのもこの1998年からだったりします。
>広告中の文章
>「遊戯(ゲーム)は少女の戯れから、深層(テーマ)に還る物語へ。」
>とは、その後の流れを見ると、的を得たキャッチコピーかもしれません。
深層に潜ってそのまま眠ってしまったよーな面もなきにしもあらずかと(爆
それでは(^^)/
こんばんは。FreshDollです。
6月投入は現時点で「朱」「Angel Crown」「After・・・」「3LDK」の4本。
このうち「朱」「3LDK」は急遽投入。
当然ながら消化は難しい状況。
cianさまのシリーズが終了したと思ったらEP-ROMさまの新シリーズがスタートのようで、
当分ネタが尽きることはなさそうな感じですね。
ところで、EP-ROMさまが「With You」について書かれているので、この当時の雑誌を引っ張り出してきました。
当時の新作紹介の主なものは、「With You」を筆頭に、
「Castle Fantasia〜聖魔大戦」
「Fifteen」
「PALETTE」
「Septem Charm まじかるカナン」
などで、攻略は
「キミにSteady」
など。
広告では、
「下級生」
など。
1998年当時のF&Cは、「Piaキャロ2」「Natural」「PALETTE」「With You」など、影響を与えたゲームが
多数発売された頃で、F&C組織大改正後の元気のなさに比べると、まだまだ勢いがあったようです。
あと、特筆すべきものは、「KEY」ブランド設立に関する広告があることです。
「新作鋭意開発中」として、タイトルは未定ながら
「原画:樋上いたる・企画脚本:久弥直樹・脚本:麻枝准・CG:ミラクル☆みきぽん しのり〜 音楽:折戸伸治」
「KEY<キィ>は、ゲームの作品性を追及するために新設されたブランドです。」
「ストーリー、ビジュアル、サウンドの一体性から生まれる、本当の感動をお届けします。」
「もし受け取って頂けたなら、幸いです。」
と、謙虚な言葉が書いています。
その後、あれだけ影響を与えるメーカーになるとは、この当時想像もしなかったことでしょう。
広告中の文章
「遊戯(ゲーム)は少女の戯れから、深層(テーマ)に還る物語へ。」
とは、その後の流れを見ると、的を得たキャッチコピーかもしれません。
(でも私は未購入。)
その他の特集記事としては、Windows98がこの年の7/25に発売されたことを受けて、インストールに関する
記事などがあります。
Windows98の無償サポートが今月末で終わることを考えると、時代を感じさせます。
こんなところでしょうか?
レスなどは別途。では。
なんだかどうにも体調がすぐれないので、しばらく更新が止まりそうです。いや、すで
に止まっているというほうが適切かもしれませんが(^^;
・EP−ROMさん:
(With You)
懐かしいですね。私も周囲の熱気にあてられたかのように発売日に購入してしまい、
「なんじゃこりゃ」といった感想をNIFTYの特設会議室に書き込んだ記憶があります。
箸にも棒にもかからないしろもの以外で、ネットで辛辣に書いたのはこのゲームが最初
だったような気がします。
>このゲームを18禁で作ったこと自体が間違いだったのかもしれません。
Hシーンのタイミング自体が、最後にとってつけたようなものでしたし、「いつでも
取り外し可能」という位置づけが見え見えでしたからね。そういえば、「F&CはHが
薄い」といった俗説(?)が定着したのも、このゲームがきっかけのように思います。
> もっとも、コンプティークではこのゲームが年間18禁ゲームベストに選ばれて、なぜ
>なのか首をひねった覚えがあります。コンプティークの読者はCGだけで選んだのでし
>ょうか?
あとになってみれば、『ONE』や『とらいあんぐるハート』のほうがずっと影響を及ぼ
しているのは明白ですけどね。それだけ売れた、という面もあったのでしょうが、読者層
からして絵が受けた、と考えるのが自然でしょうね。
また、それまでは妹が出てくると“近親相姦=タブー”といった図式が必ずあったもの
ですが、このあたりをきっかけに、素直な萌えキャラのバリエーションの1つになっていき
ましたが、そういう面では『With You』は1つの流れを作ったのかな、という気もします。
それでは(^^)/
この下に書いてあるのはアップミスです。Kenさん、削除して下さい。さて、以前
に書いたゲームボーイネタの続きです。「痕」用のコンバータを配布しているサイトを
発見しました。
アドレスはこちら。
http://www.tennodai.com/~sakura/
ただし旧版の「痕」が必要です。(新版は不可)
しかし18禁ゲームをゲームボーイエミュ(または実機)でプレイするメリットという
のはいま1つ不明ですが、まあこういう世界もあるということで。また、ここでは現在
「アトラク=ナクア」をゲームボーイ用にコンバートするプログラムを作成中とのこと
ですが。
旧版の「痕」をお持ちで興味のある方はどうぞ。
ではまた。
タイトル:With You 〜みつめていたい〜
ブランド:カクテル・ソフト/F&C
対応機種:Windows95/98
発売日 :1998年9月11日
タイトルのゲーム「With You」はF&C内部では新人育成用のゲームとして企画され
たようです。が、そんなことは外部の人間にわかるはずはなく、公開された橋本タカシ
氏の原画が良かったこと、二人の幼なじみの間で揺れ動く主人公という設定、さらには
事前に公開されたデモの出来が良かったことなどがあって発売前の期待はかなりのもの
がありました。余談ながら、橋本タカシ氏が、「With Youの開発中であるにもかかわら
ずPia2が発売(1997年10月31日)されたら秋葉原に買いに走ってしまった」と書いている
のを見るとかなり以前から開発はされていたようではありますが。
ゲーム内容は結構知られているとは思いますが、主人公には真奈美と菜織という2人
の幼なじみがいますが、真奈美は主人公が小学校3年生の時に父親の仕事の関係でミャ
ンマーに引っ越してしまいます。それから7年、再び真奈美が日本に戻ってきて、この
3人の関係はどういった結末を迎えるのか、というゲームです。
設定からするといかにもシナリオに期待できそうではあります。ところが内容がファ
ンタジーになって面食らったり、真奈美が勝手に「あたしの居場所はもうなかった」と
か言って暴走したり、主人公が一方に走るともう片方は妙に物分りが良かったり、など
など、シナリオとしては実に中途半端なものでした。シナリオ重視にも萌えゲーにもど
っちにもなり切れていない、という印象で、NIFTYの会議室は非難の声で一杯になった
のでした。
私もその当時一緒になって非難していた記憶がありますが、落ち着いてから考えてみ
るとあそこまでボロクソに非難しなくても良かったかな、とも思うのですが。まあそれ
だけ事前の期待が大きかったゆえの反動でしょうが。
マニュアル等の情報から判断すると、このゲーム当初の予定では真奈美オンリーヒロ
インのラブコメだったようです。が、スタッフからダメが出て、どうするか会議の末、
それまでサブキャラだった菜織をヒロインの一人に格上げして現在の形になったのだと
か。しかしマニュアルにあるラブコメ路線のあらすじを見ると、こっちの方がよっぽど
面白そうに見えるのですが。
「もしこうだったら」というのは考えても仕方のないことですが、このゲームに関し
ては、「もし当初の予定通りのラブコメだったら」「もし乃絵美が義理の妹で乃絵美エ
ンドが存在していたら」など、1歩違っていたらこのゲームの評価は大きく変わってい
たかもしれない、とどうしても思ってしまいます。
その後このゲームはコンシューマーにも移植されましたが、私はセガサターン版をプ
レイしました。こちらではファンタジーの入らない真奈美シナリオが追加されたりして、
ゲームをプレイするという楽しみの面では良くなったのですが、そのせいでファンタジー
シナリオが完全に浮いてしまって一体このゲームのテーマは何だったのか余計にわかりに
くくなってしまいました。ただ、Hシーンがなくなってかえってスッキリした感はありま
す。このゲームを18禁で作ったこと自体が間違いだったのかもしれません。
他にも、マニュアルの地図のミャンマーの位置が違っていたとか、乃絵美役の藤咲かお
りさんのお名前をスタッフロールで“藤崎”と誤記するとか、色々話題には事欠かない
ゲームではありましたね。多分内部では相当ゴタゴタがあったのではないでしょうか?
スタッフが大量にLeafに移籍した後でもありますし。ついでながら、Leafに行ってしまっ
た人はスタッフロールでどうなるのか注目していたのですが、ちゃんと名前はありました
ね。
もっとも、コンプティークではこのゲームが年間18禁ゲームベストに選ばれて、なぜ
なのか首をひねった覚えがあります。コンプティークの読者はCGだけで選んだのでし
ょうか?
このゲームのころから2000年くらいにかけてF&Cは迷走を続けることになりますが、
それを端的に表している1つなのかもしれません。ただ、ちょっと非難されすぎな感が
ないわけではありませんが。ただ前述の通り、もし何かが1つ違っていたら、というこ
とをどうしても考えてしまう、そんな思い出を持ったゲームとなっています。
ではまた。
続きです。
・cianさん:
(侠客)
>文天祥の降伏拒否も本質的には同じでしょう。
宋時代の場合は朱子学の影響が非常に濃くなり、いわば“男気”を表現する論理の中に
個人と個人との間で結ばれる信頼関係だけでなく、儒教精神が多分に入っていることを
考えると、「同じ」と言い切っていいものかどうか。気概の背景にあった人的ネットワー
クと(儒教的な)忠義との差はかなり大きいと思います。
> 私はアイヤールのエピソードは詳しくないのですが、【古代中国の侠客が集団化したも
>の】として、組織としてまとまりますか?
イスラーム世界のアイヤールは、おおむねそれぞれが基盤とする都市に根付いていまし
た。このため、古代中国の侠客のように、共感を持つ有力者や資産家がスポンサーにつく
よりは、都市の住民たちからの上納金などで集団を維持していました。この面に注目すれ
ば、ヤクザ的な雰囲気がかなり強くなっています。
さらに、有力者から、直接人脈のある別の有力者へと権力が委譲されていったという
点で、古代中国の侠客とは大きく異なります。個人のカリスマ性への依存度がそれほど
大きくはなく、むしろ“都市の顔役を務めるグループ”としてまとまっていた、といえ
ます。中国の侠客は、むしろ“親分に惹かれた子分がいっぱい集まる”ことが先だった
といえましょう(孟嘗君から郭解にいたるまで)。
そういった背景もあり、厳格な組織になっていたわけではありませんが、反体制組織に
して治安維持組織でもあった、といったイメージでおおむね問題ありません(後世のイ
ランなどでは大きく変容していますが)。
ご興味があれば、佐藤・清水・八尾師・三浦『イスラム社会のヤクザ』(第三書館)
あたりをご参照ください。
(WindowsMeのインストール)
> 私は1台しかHDD持ってませんし、パーティーションがどうとか、デュアルブートがどう
>とか、そんなこと出来ません。外付けHDDを1台買っても良いのですが――どぎゃんしたら
>よかとですかね?(^^;
現在WindowsXPをお使いなら、無理やりWindowsMeを入れてしまうことは不可能ではあり
ませんが、「Program Files」フォルダ以下がごちゃごちゃになってしまうためお勧めで
きません。そこで、WindowsXPとは別の領域にWindowsMeを入れる必要があります。
まず、パソコンがデスクトップである場合について。
ハードディスクを増設してからWindowsMeをインストールすれば、必要に応じてXPと切
り替えて使うことができます。ただしWindowsXPでは、32GBを超えるHDD(正確にはパー
ティション)をフォーマットすると、Windows95/98/Meでは使えなくなってしまいます
(これはWindowsXPの仕様なので、どうしようもありません)。今さら32GB以下のHDDを
買うというのも、コストパフォーマンスを考えるとどうもよろしくありません。
これらを解決する方法としては、データをほかのメディア(CD-R/RW、DVD±R/RWなど)
にバックアップしたうえで、WindowsMeのCD-ROMから起動し、ハードディスクを2つに切り
分け、このうちの一方にWindowsMeをインストールし、その後にもう1つのほうにWindowsXP
をインストールします。この方法は確実ですが、OSをゼロから再インストールする必要が
あり、手間と時間が非常にかかるのが難点。
続いて、ノートブックである場合。
パソコンの仕様によって大きく話が違ってくるので、何ともいえません。例えばマシン
がSCSIブートに対応していれば、SCSIカードにSCSI外付けディスクを接続して起動という
技が使えますが、BIOSのメニューを変更する必要がありますし、ある程度のパワーユー
ザーでないと無理でしょう。次善の策としては、前述の「HDD分割&OS再インストール」
があります。
3番目の策として、パーティション分割ツールを導入する方法があります。ただし
「パーティションって何?」という状態でこの種のツールを使うのはかなり危険なので
お勧めしません。
もっと具体的な説明がほしい、という場合は、私あてにメールをください。その場合、
メーカー名と機種名を書いていただけると助かります。
それでは(^^)/
現在、『ツインズストーリー』(富士通)の残存目標を処理中です。不意を衝かれて
へこんだエンディングなどもあったのですが、ようやく残り4人にまでこぎつけました
(泉→理奈→紗弥佳→もみじ→瑞穂→華乃とクリア)。今のところ華乃がいちばんのお気
に入りキャラになっていますが、残りの中では訳ありっぽい真美に注目しているのだ(笑)
ところで、瑞穂先輩を進めながら%タイトル%みたいなことを考えた私って、やっぱり
終わってますか?(^^;
・秋葉さん:
どうもはじめまして。
私がFCGAMEXに参加したのは1998年初めでしたから、あまり古いことはわかりませんが
当時から『逆玉王』は話題になっていたんでしょうかね。
・EP−ROMさん:
(逆玉王)
> ありゃ、そうなんですか。Kenさんの書いたのを読みたいという方もいらっしゃる
>と思うのですけれど。少なくとも評価がどのくらいかは知りたいと思うのではないでし
>ょうか?
うーん。今手を着けているゲームを終えてから終盤をリプレイして、それから書いて
みます。終盤の展開にはとにかく勢いがありましたが、その根っこに何があったのか、
ちょっと気になっていますので。
エンディングについてですが、私も特に不安になるものではないと思います。むしろ、
いろんなタイプのライバルたちがみな主人公に一目置いていること、そして主人公自身が
王女への対応に関して“政治的な配慮で”対処していること(日記を封印したこと)など
を考えれば、何だかんだいってうまくやっていけるのでは、という希望を持てますね。
ところで、
> それに、私が書いたものよりKenさんが書いた方が内容の信頼性ありそう
>だし。
これはないかと思いますけれど(^^;
いったん切ります。
・Kenさん:
> ほかに“連載”される方がはたしているのかどうか(^^;
色仕掛けで頼んでみますか。(ぉぃ
(朱)
> 1,000年前の砂漠地帯といっても広すぎてピンときませんが、中央アジアかメソポタミ
>ア、あるいは北アフリカあたりなのでしょう。
これらの土地は、その頃にはイスラームに改宗してますね。(中央アジアは途中かな)
しかしプレイした限りではイスラームの雰囲気は感じませんでした。せいぜいが「商品
に定価がない」ことですが、これは当時はどこでも同じことですし。
> 念のために付け加えておきますと、11世紀初頭の都市部では、“ヘソ出しルック”自体
>はありました。(中略)
それは知りませんでした。しかし、時代考証はあまりされていない――という感じでし
たね。と言いますのも、ストーリーそのものは11世紀初頭である必然性がないんです。紀
元前でも問題ないはずなのですが、1,000年前にした理由を推測すると……。
キャラの使用武器が剣ですので、火薬の発明以前でないとマズいでしょうから12世紀以
前にしたのでしょう。あと『銀色〜完全版〜』との関係から、平安(具体的には『銀色』
1章)以前には出来ませんし、となると1,000年前しかないんですね。
はっきり言って、当時のイスラームの社会事情、混乱の時代という観点での記述はあり
ませんので、念のため。
私個人としては過去の作品は忘れて完全な新しいシナリオにした方が、よっぽど面白い
作品になったと思うのですが。
>実際には古代中国の侠客が集団化したもの、といった感じですね。
侠客といってもいろいろありますね。史記に列伝のある刺客から、食客、遊説の士、劉
邦も侠客と言えるでしょう。(あれはヤクザか)
他はともかく刺客の殉教精神は、イスラームのジハードと共通点がありますね。刺客で
はありませんが、文天祥の降伏拒否も本質的には同じでしょう。……すいません、こっち
方面は私もつい話が濃くなってしまうので程々にしておきますが(笑)、一つ質問。
私はアイヤールのエピソードは詳しくないのですが、【古代中国の侠客が集団化したも
の】として、組織としてまとまりますか?
(逆玉王)
>いろいろ複雑な気持ちにさせられるものなので、cianさんに向いていると思いますし。
いや、私は複雑な気持ちになりたくてゲームしてるわけではないのですが。……説得力
ありませんかね?(笑)
『水月』より私向きのようですし、Meは持っていますので機会があればプレイします。
けど、HDDがない……。
私は1台しかHDD持ってませんし、パーティーションがどうとか、デュアルブートがどう
とか、そんなこと出来ません。外付けHDDを1台買っても良いのですが――どぎゃんしたら
よかとですかね?(^^;
秋葉さん:
どうもお久しぶりであります。私もFCGAMEXに行かなくなって2年くらいになりますが、
こういう形で再開できるのは嬉しいです。ところで、
>『竜機伝承』の音楽ローダーは当時私が無理いって作ってもらったような記憶が・・・
>あるような^^;
これは確か、最初に私が自分用にFM音源用のプレイヤーを作って、それを見たまさ坊
さんからMIDIにも対応してくれと要望が来て、私はその当時MIDI音源を持っていなかっ
たから秋葉さんにも動作確認に協力して頂いたのだったと思います。あのゲーム、ラス
ト直前までは良かったんですけどねぇ。クライマックスシーンでポッキリ折れてしまっ
たのが何とも残念なゲームでした。マニュアルを見るとタイムオーバーで完全に仕上げ
きれなかったらしい雰囲気がうかがえますが。
ではまたよろしくお願い致します。
Kenさん:
(逆玉王)
> ただし、EP−ROMさんの「昔話」を先に見てしまうと、特に付け加えることはない
>ので、あらためてレビューを書く気にはいまのところなれません(^^;
ありゃ、そうなんですか。Kenさんの書いたのを読みたいという方もいらっしゃる
と思うのですけれど。少なくとも評価がどのくらいかは知りたいと思うのではないでし
ょうか? それに、私が書いたものよりKenさんが書いた方が内容の信頼性ありそう
だし。
ところで、
>ハッピーエンド後も、主人公がまじめな意味で前途多難であることも含めて、いろいろ
>複雑な気持ちにさせられるものなので
確かにあの後は色々なことがあるでしょうけれど、あの主人公ならきっと大丈夫だろ
う、と思わせるものにはなっているのではないでしょうか? 不安な感じが残るエンデ
ィングではないように思えますけれどね。
ではまた。
はじめまして秋葉と申します。
EP−ROMさんの昔話、懐かしく読ませていただきました。
私自身はFCGAMEXへの発言はRPG会議室に少し書いていたぐらいでは
ありましたけどあの頃のPCからX会議室が出来た頃の事は今のようにネットが普及する前の作品に対しての大切な情報元として活用させてもらっていました。(当時のハンドルは秋でしたが覚えていらっしゃるでしょうか?)
『逆玉王』楽しかったですねぇ・・・。『竜機伝承』の音楽ローダーは当時私が無理いって作ってもらったような記憶が・・・あるような^^;
では、突然の書き込みで失礼しました。
急に暑くなってきたため、ケース内のHDDを1つ外しました(笑) 10,000回転以上のHDD
には、それぞれに個別のファンを設置しないと怖くて稼働させることはできません。
現在、断続的に中断と再開とを繰り返している、某双子物語をのんびりプレイしていま
す(まだ4人しかクリアしていなかったので)。いつになったら全部終わることやら。
・cianさん:
『朱』終了おめでとうございます。
> んじゃ、誰かに勧めてみますか。連載終えたら指名権がある、という方向で。(マテ)
ほかに“連載”される方がはたしているのかどうか(^^;
(水月)
>BGMが良くてCD-DAかサントラ付きなら検討しますが、そうでないなら……\2,000以下
>なら、ということで。
BGMはやや良ですが、形式はWMAです。サントラも特に付いていません。
2,000円以下というのはさすがにきついと思いますし、これでは事実上の見送りかな。
(朱)
1,000年前の砂漠地帯といっても広すぎてピンときませんが、中央アジアかメソポタミ
ア、あるいは北アフリカあたりなのでしょう。まさか南北アメリカとかいうことはないで
しょうし(←史料ないって)。
>最近はヘソ出しルックで砂漠の夜を越すことを「シリアス」と言うのか?
賊に襲われても奪われるものを少なくするための知恵なのでしょう(違
あるいは、最悪でも売り飛ばされず、手元に置いてもらうようにするための処世術かも
しれません(ぉぃ
念のために付け加えておきますと、11世紀初頭の都市部では、“ヘソ出しルック”自体
はありました。ブワイフ朝期のミニアチュールには、踊り子が胸元と下腹部のみを覆って
いるというファッションを描いたものがあります。
もっとも、11世紀初頭の砂漠地帯(での移動)といえば、すでに文化の爛熟期にあった
バグダード、あるいは成長著しいブハーラー(かのイブン=シーナーの出生地)などの都
市に隣接した地域であればともかく、一般的には非常に危険を伴うものでした。当時の中
央アジアがイラン系・トルコ系民族の大移動期にあったこと、あるいは北サハラがファ
ティマ朝の勃興期にあったこと、北ガーナが大混乱期であったことを思えば、治安の悪さ
がいわばピークに達していた時期というのがよくわかるかと。
また当時は占星術が非常に発達しており、最近注目されることが多いクーシュヤールも
同時代人です。当時の風俗事情を知るうえでは、この背景を外すことはできないでしょう。
……すいません、こっち方面(謎)になるとつい話が濃くなってしまいますね(^^;
>見つかりそうになっておろおろするのは非常識(笑)でしょう
何ですかそれは(^^; 押し込みをするのであれば即断即決が必要であり、あたふたして
いれば死を待つのみなのでしょうに。
ちょっと余談。
11世紀初頭にはアイヤールという任侠集団があり、大規模な隊商をしばしば襲撃する
一方で弱者救済や(末端の)治安維持などにあたっていました。彼らの行動や存在は、
政治権力者に近い立場のウラマー(イスラーム指導者)からしばしば指弾されていまし
たが、民衆レベルでの支持が根強く、こういった無頼の輩がかなり幅をきかせていまし
た。現在の(いわゆる)イスラーム原理主義組織の行動を想像しますが、実際には古代
中国の侠客が集団化したもの、といった感じですね。
一般的にこの時代の治安が悪いとされるのは、こういった連中の行動が背景にありま
す。しかしその一方で、アイヤールの存在は、アラブ社会において認識されていた相互
扶助の理念がイスラームの定着とともに変形をとげ、それが非アラブ社会との接触の中
で形成されていったものの一類型と見ることが可能です。アイヤールたちの自己正当化
理念も、地域によってかなり違うので、一括りにはできませんが、彼らの行動の中には
さまざまなドラマが読み取れます。
(逆玉王)
> 『逆玉王』はXPでも動きますか?
WindowsXP Professional SP1(SP1は事後適用)では動きませんでした。互換モード
でも無理です。
Windows98では問題ありませんし、メーカーサイトによるとWindows2000/Meでも一応
動くそうです(動作保証はなし)ので、旧OS環境でないと無理のようです。
個人的には、旧OSを用意してでもプレイするだけの価値は十分にあると思います。
ハッピーエンド後も、主人公がまじめな意味で前途多難であることも含めて、いろいろ
複雑な気持ちにさせられるものなので、cianさんに向いていると思いますし。
それでは(^^)/
『朱』終了しました。おまけシナリオは未だですが、こちらは「いつもどおり」だと
思いますので(笑)、インプレを掲載したいと思います。
まず最初に、『朱』はシリアスノベルとのことですが、制作者に一つ問いたい。
最近はヘソ出しルックで砂漠の夜を越すことを「シリアス」と言うのか?
まあこれはエロゲーとしてお約束なんでしょうけどね。一応「1,000年前の砂漠地帯を
モチーフにした」とのことですが、「1,000年前の技術水準」で「舞台が砂地」というだ
けのゲームだと思った方が良いでしょう。キャラは……ねこねこキャラですね。(笑)
ゲームは【1章→2章→3章→朱(インタールード)→4章→終章】と進みます。完全な
一本道で、難易度はいつもどおりです。構成は『銀色』と同じと考えてよいでしょう。
私のゲームへの感想は「『銀色』と『みずいろ』の不幸な結婚」ですね。
『朱』はシリアスノベルなのですが、そこに『みずいろ』的キャラを入れるのはどう
か、と。具体的にはチュチュ(2章ヒロイン)ですが、仮にも盗みに入ったのに、衛兵に
見つかりそうになっておろおろするのは非常識(笑)でしょう。多分声優も日和と同じ
方だと思いますが、「1,000年前の砂漠地帯」にポンコツが存在するか、個人的には疑問
です。
他のキャラも大なり小なり萌え要素を含んでいます。それが悪いとは言いませんが、
このゲームのシナリオの場合それがゲームの魅力に繋がるか、疑問に感じました。
シナリオ構成は『銀色』を意識しています、というか『銀色』そのもの。その中で1章
について。
『銀色』1章では主人公が何度となく
【…弱い奴が死ぬ…ただそれだけのことだ。】
と自分に言い聞かせています。私はヒロインや主人公がこういったフレーズを繰り返す
ことによって、この二人の「生きている実感のない」状態と、「社会」の構成員になれ
ない(極端に言えば「社会」の存在そのものを知らない)状態を、状況説明するより遙
かに的確に描写していたと思います。
『朱』にも幾度となく“同じフレーズ”が繰り返し出てきます。しかし『銀色』とは
違って、私はそのフレーズが出る度に(主人公に)「お前は馬鹿だ、大馬鹿者だ」と唸
ってしまいました。(主人公の立場も解らないではないですけど)
他にも
【〜〜のこと。そんな〜〜のこと。】
というフレーズが幾度か出てきます(『銀色』ほどではありませんが)。『銀色』1章は
チャプターの最後に必ず出てきて、それが「哀しさ」をより一層感じさせたのですが、
『朱』の場合はどうも……。そういうテキストを使う必然性がないと思います。
物語の核心に入ってくると、ユーザーは一つの命題を意識せざるを得ない作りになっ
ています。それは、(ネタバレ反転)
【「哀しみ」に疲れた人間にとって、“全てを忘れる”ことが幸せか、“傷つきながら
もその想い出を残す”ことが幸せか】
というものです。これは明確な答えを出せる命題ではありません。幾人ものキャラがそ
れぞれの答えを出していますが、私の意見は後者ですかね。前者を否定する気は毛頭あ
りませんし、そちらを選ぶ方が相応しいと思えるキャラがいたことも事実ですが。
結論としては、値段分は楽しめますので買って損のするソフトではありません。『銀
色』3章のように浮いたシナリオがあるわけでなく、そういう意味ではバランスは良いと
思います。BGMも良い出来ですし。(趣味丸出し)
が、お勧めはしにくいです。私は(ネタバレ)
『銀色』と関連づけず、独立した物語にした方が良かった
と思いますので。
・Kenさん:
前回のカキコは入れ違いでしたので一つ質問ですが、『逆玉王』はXPでも動きますか?
%タイトル%なんか、“青年の主張”みたい。(笑)
のんびりと『朱』プレイしています。今2章の途中。(遅い)
この『朱』のBGMに水月陵さんが参加されています。ちょっと驚きです。
水月陵さんといえば『こもれびに揺れる魂のこえ』のボーカルですね。『こもれび〜』
のシナリオは期待してないんですが、そのためだけに逝こうか、と思ったり思わなかっ
たり。
でも音源がPCMでサントラCDが付いてないんじゃ意味がない、と思ったり思わなかった
り。
フルバージョンがDL出来るようになるまで待とうか、と思ったり思わなかったり。(ヤ
なユーザーだな、おい)
・EP−ROMさん:
(Kanon)
> 私は舞と真琴はあゆとは無関係、という解釈なのですが。この2人のシナリオではあゆ
>は全く関係してきませんし。
栞にしても、あゆが奇跡を起こす理由が薄いと思うのです。ですから、あゆの奇跡は
「祐一の彼女だから」という理由で、全員に関わっている――というのが私の解釈なん
ですけど、それは私だけのようですね。(^^;
> 実は私がcianさんに書くように勧めたの
>は、自分一人で騒いでいるだけでは寂しいから仲間が欲しかった、ということもあるの
>ですが。(^^;)
んじゃ、誰かに勧めてみますか。連載終えたら指名権がある、という方向で。(マテ)
・Kenさん:
(水月)
>さあ、どうします?(^^)
とりあえず保留ですね。『朱』プレイ中ですし、『さよなら。』購入予定ですから。
BGMが良くてCD-DAかサントラ付きなら検討しますが、そうでないなら……\2,000以下
なら、ということで。
> やらないんですか? ……ちっ(ぉ
子供が出来て孫が出来て、日向ぼっこしかする事がなくなったら、「ホモゲー100本
斬り」の連載を考慮することを検討することを自分に相談しないでもないかな、と。
つか、マジ堪忍してください。(T T)
・KO-1さん:
> 私の場合、メイドはロングスカート萌えの一オプションにすぎませんから(爆)
やっぱ露出の少ない方がスケベ心をくすぐられる、と?(笑)
・EP−ROMさん:
(逆玉王)
> あ、やっぱり。「昔話」の中でも書きましたけど、このゲームはスタート直後が難関
>なんですよね。あることに気が付けば簡単なんですが、それに気が付かないとイヤにな
>って放り出しちゃうかも。
この部分は本当に手を焼きました。なまじRPGをプレイしたことがあると、その常識と
いうか作法というか、そういうものに従ってプレイしてしまいがちなので、コツに気が
つかないと最初でいきなりハマりますからね。そこさえクリアしてしまえば、フィール
ドもさほど広くはないので、イベントの発生などは非常にわかりやすく、シナリオを
十分に楽しめるのですが。
> エンディングは切ないですが、このシナリオならこうなるしかない、という終わり方
>になっているだけに、納得もできるんですが。このゲームもマイナーなまま埋もれてい
>くのでしょうかねぇ?
マニュアルには
「18才以上なら当然これくらいはご理解していただけるだろうということを前提で作ら
れています」(日本語がヘンですがそのまま)
とありますが、まさにそのとおりなんですね。シナリオを作るプロットの配置はそう複雑
なものではないのですが、そこで動いているそれぞれの人物の“人間くささ”が非常によ
く出ているうえ、そのように動くしかないという、いわば運命的な悲哀が感じられます。
これだけ微妙なシナリオを持ったゲームがなかなか出ないのは残念なことですが、やは
りこのゲームも埋もれてしまうとしたら、ずいぶん残念なことだと思います。
「逆玉王」は、グローサーのサイトから現在も通販で入手可能なので、興味が出てきた
という方はどうぞ。Windows3.1/95版が1,000円です(送料・税込)。
ただし、EP−ROMさんの「昔話」を先に見てしまうと、特に付け加えることはない
ので、あらためてレビューを書く気にはいまのところなれません(^^;
cianさん:
「追想」シリーズお疲れ様でした。
>とても楽しく、得難い経験をさせていただきました。
とお感じになられたのなら良かったですね。実は私がcianさんに書くように勧めたの
は、自分一人で騒いでいるだけでは寂しいから仲間が欲しかった、ということもあるの
ですが。(^^;) しかし「昔話」を書き始めた時点ではまさかこのサイトのコンテンツの
1つになるとは思ってもいませんでした。私の方は第2回を書き始めた所で、数日中に
アップします。
Kenさん:
(逆玉王)
まずは終了おめでとうございます。さて、
>最初の雑魚キャラを倒すのに8回連続でゲームオーバーとなって
あ、やっぱり。「昔話」の中でも書きましたけど、このゲームはスタート直後が難関
なんですよね。あることに気が付けば簡単なんですが、それに気が付かないとイヤにな
って放り出しちゃうかも。
エンディングは切ないですが、このシナリオならこうなるしかない、という終わり方
になっているだけに、納得もできるんですが。このゲームもマイナーなまま埋もれてい
くのでしょうかねぇ?
ではまた。
%タイトル%は某ゲームをプレイして思ったことですが、その娘じたいはどーでもいいの
で念のため(苦笑)
・KO-1さん:
(PNG)
>(展開にも時間が掛かるような気が)
時間かかりますね(^^; Photoshopで同一のBMPファイルからTIFF、JPEG、PSDなどの別
フォーマットにいったん保存し、再度開くと、PNGが明らかにいちばん遅いのがなんとも。
Web上の画像であれば別のところがボトルネックとなるので無視できるのですが、スタン
ドアロン環境の場合はここが弱点ですね。
・cianさん:
「追想」シリーズ、お疲れ様でした。
>ホモゲー100本斬り
やらないんですか? ……ちっ(ぉ
> しかし逆に言えばプレイ当時の自分だけの感想を書けるということでもあり、「むし
>ろその方が良いか」と自分を納得させました。(苦笑)
楽しんだ、あるいは楽しめなかったことを残しておくことは、ゲーム以外でもきっと
いろいろな形で生きてくると思います。
自分の考えや行動を単純に正当化しておしまい、というのでは、もったいないしつまら
ないことですから。
それでは(^^)/
約2ヶ月半連載させていただいた「追想」シリーズですが、『僕と、僕らの夏』を最終
回として終了させていただきます。再開の予定はありません。
私が「追想」シリーズを書くようになったのは、KenさんやEP−ROMさんから
勧められたからなんですが、冗談だと思って本気にしていませんでした。(特にKen
さんは「ホモゲー100本斬り」を期待されていたようですが(笑))
本気にはしませんでしたが、私は元来思考遊びが好きな方で、「もし自分が書くなら」
と、内容は別として自分なりにどのゲームを取り上げるか考えてみました。
12〜13本ピックアップしましたが、その中に『僕と、僕らの夏』があったことが目に
留まりました。本文にも書いたことですが、このゲームを追究していないことが気がか
りだったのです。
もう一つ気になったのは病弱シナリオのこと。病弱シナリオは扱いが難しく、人によ
っては反感を持つ方もいらっしゃるでしょう。私は好きなのですが、お涙頂戴のために
安易に使うことは好きではありません。
そのあたりのことを書くことも悪いことではないな、と考えました。
そういう理由があって書く気になったのですが、問題は私が取り扱うゲームのリプレ
イを出来る環境ではなかったことです。
一部のゲームは所持していますが大半は手放しておりますし、何よりそのためだけに
リプレイする時間がなかったのです。
また、発売当時の状況が全く判らないこともありました。
しかし逆に言えばプレイ当時の自分だけの感想を書けるということでもあり、「むし
ろその方が良いか」と自分を納得させました。(苦笑)
ですからツッコミどころは多々あるかとは思います。勝手ではありますが、寛大に読
んでいただければ幸いかと存じます。
最後になりますが、このような拙い感想を掲載する場を提供してくださったKenさ
んと、お読みくださった皆さんに感謝して、終了のご挨拶とさせていただきます。
とても楽しく、得難い経験をさせていただきました。
続きです。
●裏シナリオ
表ルートをクリアすると、裏ルート(冬子の視点から見た『僕夏』)に入れます。裏ル
ートには2つのシナリオがあり、冬子の視点から見た貴理・冬子シナリオです。(有夏は
ありません)
冬子というキャラも「ムラ」の中では微妙な存在で、「ムラ」の出身者でありながら
「ムラ」の構成員ではありません。(冬子の村に対する複雑な感情はゲーム中で描かれて
います)
恭生にしろ貴理にしろ、村の愛着を持っています。そして互いを憎からず想っています。
純粋すぎるこの二人が結ばれていく過程は“美しい”のですが、村の住人全てが村に愛着
を持っているわけではありません。
冬子は村を憎悪し、ダムの建設を内心で歓迎しています。冬子から見た貴理シナリオの
詳細は割愛しますが、冬子視点での貴理シナリオがあるからこそ、表ルートでの貴理シナ
リオが、つまりは『僕夏』がさらに魅力的になっていると思います。
ただし、冬子の心理描写それ自体はかなり「痛い」です。キャラクターの設定上やむを
得ないのですが、『僕夏』がさらに魅力的になると同時にいたたまれなくなる――複雑な
気分ではあります。
●まとめ――というより、ふと思ったこと
『僕夏』の長所と欠点を個々に述べることは、(個人的意見としては)あまり意味をな
さないと思います。
人はそれぞれ性格が違いますし、ゲームから受ける印象もまた人によって違います。し
かし制作者側の意図は、ある程度プレイヤー側も共有できるのではないでしょうか。(そ
れが制作者側の意図とイコールかどうかはともかく)
ファンタジーとしてのゲームならば、単に制作者の意図を推測するだけでも楽しい作業
でしょう。(面白いと感じた作品に限りますが)
しかしリアルなゲームの場合、それだけでは済まないような気がします。現実にある問
題ということは、個人差はありますが「身近」な問題だということです。
「身近」である以上、その問題を抉ることはプレイヤーに愉しみのみを与えるものでは
ないでしょう。程度にもよりますが、人は「身近」な問題には平静でいられません。
しかし、この程度のことは今更私が指摘しなくても、制作者側も重々承知していると思
います。
難しいのは制作者側がどういう視点で描くか、だと思います。リアルな問題を扱うこと
は、特にその問題を平静でいられない人がいる以上、中途半端な制作は出来ません。
また、立場が違えば受ける印象や自分の主張が違ってくるのは当然ですから、万人受け
するエンディングを提示することが、良い評価につながるとは言えないと思います。
結局はその問題を“誠実”に扱うことが一番重要でしょう。勿論どんなゲームでも“真
面目”に制作することが大事なのですが。
ただリアルな問題を扱う場合は“誠実”に扱うことそれ自体が、いや、“誠実”に扱う
ほどに雰囲気を重くするのではないか――そのように考えています。
続きです。
●環境とは無縁でいられない人間
その一方で恭生と貴理を主役に据えたことで、「ムラの人間」と「よそもの」の溝をは
っきりと浮かび上がらせてしまったことも指摘できるでしょう。恭生も貴理もこの「ムラ
の構成員」に違いはありませんが、「ムラの人間」とは言い切れません。この微妙な構図
は、特にこのゲーム――ダムに沈む村の最後の夏物語――では良かれ悪しかれインパクト
を持っています。
このプレイヤーにとって居心地の悪くなる“溝”を描くことは諸刃の剣と言えるでしょ
う。『僕夏』の村は「幻想としての田舎」ではありません。現実にあってもおかしくない
村です。
「故郷を失う」ということは人間にとってもっとも直面したくない事柄の一つでしょう。
それをテーマに扱う際下手にデフォルメすることは、ただでさえ感傷的になりやすい問題
を演出過剰にし、かえって軽薄なものにさせると思います。一言でいえば逆効果である、
と。
しかし扱いの難しい問題でリアルさを追求したことが、ユーザーに「生々しさ」を感じ
させた点も否定できません。
どちらの印象をより強く持つか、それはそのプレイヤーにとって変わってくると思いま
すし、一概に結論づけることは無理でしょう。私個人の意見としては肯定派なのですが、
だからといって手放しで賞賛できるものではない、とも思います。
●現実では必ずしもハッピーエンドとはならない
もう一つの問題として、「故郷を失う」という人間としてはもっとも避けたい事態に、
個人の力が無力であるという現実を際立たせる結果になった点も指摘できます。
恭生や貴理の今後がどうなろうと、村が沈む現実は変わりません。そうなると登場人物
たちが、その限られた時間の中で何を求め、何を成し遂げたかが重要になってきます。ま
だ若く人生経験の少ない(それ故に感情的になりやすい)主人公たちの中に、村での生活
に人生のすべてがあった人物(本庄の爺さん)を据えたことは、上手なキャラクター配置
だと思います。
このように主人公たちに限らず、登場人物たちが良い味を出していたことは、主人公た
ちの心情を演出するにあたり、優れた効果を発揮していると思います。
と同時に、主人公たちがどのような行動をとろうと、村は沈むのです。その現実の前に
主人公たちは無力であり、それをプレイヤーに痛感させるのは娯楽メディアとして適切で
あるか、疑問は残ります。
●マルチエンドの問題点
『僕夏』には3人の攻略対象キャラがいます。(貴理、有夏、冬子)
貴理はともかくとして、有夏ルート・冬子ルートはそれぞれ、貴理ふられルート・恭生
ふられルートという方が適切でしょう。
これは『僕夏』が、貴理と恭生の物語と思うからそう感じるのだと思います。
逆の例として『Kanon』。『Kanon』では個別ルートに入ると、他のキャラは忘れ去られ
ます。忘れられたキャラは描写されませんが、それまでの経緯から考えて不幸になったの
でしょうね。(名雪除く)
そのことにとやかく言うつもりはありません。ゲームとはそういうものですし、個別ル
ートに入って他キャラの不幸を描くのもどうかと思いますし。
しかし『僕夏』では同じように出来ません。ゲームが貴理と恭生の視点で交互に描かれ
ていますし、ゲームの内容が普通の恋愛ものと違い「ヒロインと結ばれてハッピーエンド」
ではない以上、描写しないわけにはいきません。そしてそれこそが問題なのです。
私は貴理シナリオこそがトゥルーシナリオだと思っていますが、それ故に他ルートが感
情的に納得できるものではありませんでした。
ライターの力量とは別次元で、貴理シナリオに感情移入するほどに他ルートが白けてし
まうのは、マルチエンドのゲームとして良いことかどうか……。
もう一度切ります。
現実にある問題をゲームに取り入れる難しさ
昨年末のことですが、“現実にある問題をゲームに取り入れる難しさ”というテーマで
Kenさんにメールを送ったところ、一定以上の評価していただき、「私の一言」に掲載
していただきました。そのこと自体は私にとってたいへん嬉しいことなのですが、掲載し
ていただいたことに内心驚いていました。
と言いますのも、読んでいただいた方はお気付きでしょうが、これは未完成です。“現
実にある問題をゲームに取り入れる難しさ”を考えるにあたり、『ONE』、『僕夏』、『夏
日』を題材にしながら『夏日』しか述べておりません。『ONE』はともかく、最低限『僕
夏』に触れるべきではなかったか――内心忸怩たる思いを抱いておりました。
幸いにして「敵を作る掲示板」にて追想シリーズを掲載させていただいておりますので、
これを機に「私の一言」では言及しなかった『僕夏』が内包する問題を、私なりに感じた
ことを述べたいと思います。
発売は2002年2月、lightより。
●登場人物
『夏日』ではメインヒロインに知的障害者という、それ自体が扱いの難しい問題である
ことを述べました。
『僕夏』ではそのようなキャラは登場しません。多少のデフォルメはありますが、極端
にデフォルメしていない、現実にいてもおかしくない人間たちです。
登場人物については後でもう一度言及するとして、先にテーマ面を。
●ダムに沈む村とその住人
『僕夏』の舞台はダムに沈む村です。ダム建設の問題は深く追究するには難しい問題で
あります。
ダム建設問題の難しさでまず思い浮かぶのは政治的なものです。自然破壊と取るか災害
防止と取るか……。そのような二元論だけでなく、経済効果や利権などの要素もあり、一
概に結論を求めるのは不可能でしょう。
しかしゲームはあくまでゲームであり、ドキュメンタリーではありません。ゲームでこ
の問題を深く抉ることがゲームの魅力を際立たせるとは思えません。
また主人公たちが未成年という、経験が少なく政治的に何の力を持たない少年達を配置
している以上、この面から深く追究することには違和感を感じます。ゲーム中でも政治的
側面からは深く追究していませんが、これは妥当なものであると思います。
その一方で、ダム建設問題には「故郷を失う人々」がいることを指摘できるでしょう。
これは老若男女に関係なく、その地に住まう人々全てが直面する問題です。そして政治的
配慮を顧慮する必要のない主人公たちにとって、それこそが一番の問題であることは充分
に説得力があります。
ゲーム中でもそのことが前面に押し出されており、来るべき別れを拒否する少年達の心
の叫びを見事に描ききっています。
その際主人公である恭生の微妙な立場を見逃せません。村に愛着を持ちダム建設には反
対の姿勢を持ちながら、「よそもの」に過ぎない恭生。自分が「よそもの」に過ぎないこ
とを自覚し、「よそもの」であるが故にダム建設に明確な自己主張を出来ないでいます。
さらにもう一人の主人公である貴理。貴理はメインヒロインとも言えますが、このゲー
ムでは二人の視点から交互に描かれており、また話の内容からもこの二人が主人公である
と思います。
貴理は紛れもなくこの「ムラ」の人間ですが、父親がダム建設の責任者であるという、
本人は内心ダム建設に反対でも決してそれを口に出来ない立場にあります。
この「内心はダム建設反対だが明確にそれを主張できない」二人を主役に据えたことが、
「故郷を失う」という感情論のみに走りがちな問題に、抑えを効かせる効果があったと思
います。
一旦切ります。
"祝!ゲーム今昔記スタート(笑)" cian さん wrote:
> 各ヒロインの結末が「あゆの起こした奇跡」という解釈ならば、現実と考える方が自
> 然だと思いますけど。
EP−ROMさんも言っておられるように、あゆの起こした奇跡はあゆと栞と名雪だけだっ
たと思います。各ヒロインで最後にあゆによるモノローグがあるのはこの三人だけで、真琴と
舞のシナリオではこういった下りがありませんから。
"Kanonの話" EP−ROM さん wrote:
> ありゃま、そうでしたか。ただ、はっきり「復活した」とは取れないエンディングで
> あるだけに、「プレイヤーに答えを委ねた」という感じが強いのですけれどね。
「プレイヤーに答えを委ねた」というのはまさにその通りでしょう。
あんまり敵を作らないいい方法ですから。
まあ裏設定としてそーいうのがあるという程度のことだと思ってます。
"修羅場脱出(^^;" Ken さん wrote:
> メイドさんとなれば、鷹月ぐみなさんやKO-1さんがお詳しいと思うのですが、それはさ
> ておき。
いえいえ詳しくないです(苦笑)
私の場合、メイドはロングスカート萌えの一オプションにすぎませんから(爆)
> あ、先越された(^^; さすがにZDNetなどは、会社でもしょっちゅう見ているので「あ、
> この話使おっかな」なんて思っていたもので。
そうこうしている間に日経BizTechでも記事が出てきましたね。
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/gen/251739
ただおいらの計算だとアメリカは去年で日本が今年切れると思ったけど違ったかなあ。
> PNGは可逆圧縮フォーマットとしてはかなり優秀で、普及しそうな気配がないJPEG2000
> などに比べるとかなりいいと思うのですが、圧縮にかなり時間がかかるのが難点ですね。
私も画像の保存にはPNGを使ってます。可逆圧縮でありなおかつ今のメジャーなビューワー
だとまずサポートされているというのはやはり便利です。確かに圧縮に時間が掛かるのはデメ
リットですが(展開にも時間が掛かるような気が)、この辺は今後のPCの進歩でカバーできる
でしょう。
久々にサイトを更新しました。掲示板だけが活況、というのもカッコ悪いですし(^^;
・cianさん:
(ELYSION)
メイドさんとなれば、鷹月ぐみなさんやKO-1さんがお詳しいと思うのですが、それはさ
ておき。
>無論知識がなくても充分に楽しめる内容ではありますが、日本人的な価値観のみでは
>“異文化間の衝突”を読みとることは難しいでしょう。
なるほど、各キャラクターの背景として措定されているわけですね。もっとも、日本人
の価値観(というより、日本社会で当然とされている“個人”観、か)じたい、対−外的
なものになると途端にフィルタリングされてしまう傾向があるのが実情ですけれど。
> ところで『水月』にもそういう描写があるのは以外でした。Kenさんも8点つけてお
>いでですし、お薦めですか?(笑)
かなり微妙なところですね。それぞれのシナリオごとに方向性が微妙に違いながら、全
体として1つの宇宙を作りあげているのですが、トータルとなる基盤を受容(理解、かな)
できるかどうかが大きなカギとなります。ここを乗り越えればツボにはまるとは思います
が、ここで引っかかれば単なる萌えゲーになること必定。さあ、どうします?(^^)
> 当時の状況は知りませんが、OSの進化が要因でしょうか。それともソフトハウスが乱
>立して、安定したシステムを作るプログラマーが不足しているのでしょうか。
一応、DOSゲームでもバグゲームはありました(『瑠璃色の雪』などはけっこうひどかっ
た)が、「ネットにつないでパッチを落とせる用意をしないと買えない」ようになったの
は1998年以降だと思います。従来はハードがPC-98という「NEC仕様」に沿っていたため
問題の解決が容易だったのに対し、AT互換機ではユーザー環境が多様化しているので問題
解決が難しい、というのが原因の1つでしょう。ただし、これだけでは説明できないと思い
ますが。
・EP−ROMさん:
新シリーズおめでとうございます。
(Kanon)
>「アクを取ったらうまみまで無くなった」という感じでしょうか。すでに「Kanon」が
>発売になってから何年も経過していますが、「ONE」と「Kanon」のどこに違いがあるの
>か、今でも良くわからなかったりします。単に第一印象の強烈さなのかもしれません。
このゲームが出たのも、もう4年も前なんですねぇ。発売当時、NIFTYの会議室にあれこ
れ書き込んだことものですが、何を書いたのかもうさっぱり覚えていません(^^; 少なくと
も、『ONE』に比べるとムキになってまであれこれ語らせ、考えさせるパワーは弱かったと
いう点では間違いないと思います。評価の上下は別として。
で、あゆについてですが、もう細部をまったく覚えていません。最後にプレイしてから
かなり時間がたっていることもありますが、最後に回したために疲れてしまったという面
もあったと記憶しています(^^;
真琴は、やはり願望説を採りたいと思いますが、これも根拠が薄弱(だって覚えていま
せん)。
> 「ONE」はもっとひどくて、「えいえんの世界」への理解の仕方がシナリオごとに違っ
>ているとしか思えず、おかげで余計にわかりにくくなっているようにも思えます。
理解以前に、ストーリーの中で「えいえんのせかい」をどう使うのかが統一されていな
いために、解消できない矛盾が残ってしまったような気がします。まあ、矛盾があること
を前提として受け入れることができるかどうか、となると、どうしてもそこで拒絶してし
まう方が増えてしまったわけですけれど。
・KO-1さん:
どうもお久しぶりです。
(GIFの特許消滅)
あ、先越された(^^; さすがにZDNetなどは、会社でもしょっちゅう見ているので「あ、
この話使おっかな」なんて思っていたもので。
PNGは可逆圧縮フォーマットとしてはかなり優秀で、普及しそうな気配がないJPEG2000
などに比べるとかなりいいと思うのですが、圧縮にかなり時間がかかるのが難点ですね。
私はデジカメで撮影したデータ(生データがJPEGの場合)をいったんPNGで保存し、これを
Photoshopでレタッチしています。
それでは(^^)/
KO-1さん:
(Kanon)
> 結論だけ言ってしまうと「現実であり真琴は生きている」と制作サイドは考
>えいていたようです。ピロの失踪が真琴を助けるための行動だったということらしいです。
ありゃま、そうでしたか。ただ、はっきり「復活した」とは取れないエンディングで
あるだけに、「プレイヤーに答えを委ねた」という感じが強いのですけれどね。
cian さん:
(Kanon)
>>「ONE」と「Kanon」のどこに違いがあるのか、今でも良くわからなかったりします。
> 単に「えいえんのせかい」という理解不能な世界と、「小さな奇跡」という解りやす
>いテーマの違いだけだと思います。
これは私の書き方が悪かったですね。『「ONE」で感じられたパワーが「Kanon」で感
じられなかったのはなぜなのか』という意味だったんですけどね。
> しかしえっちシーンへの導入という意味では名雪シナリオの方が良かったのでは?
> 後の展開はともかくとして、えっちの必然性という点では名雪シナリオに軍配が上が
>ると思います。
う〜ん、そうなのかな。私は名雪シナリオは「まだ早い」と思ったんですけどね。そ
の後の展開を考えればHなしの方が筋が通ると思ったので。
> 各ヒロインの結末が「あゆの起こした奇跡」という解釈ならば、現実と考える方が自
>然だと思いますけど。
私は舞と真琴はあゆとは無関係、という解釈なのですが。この2人のシナリオではあゆ
は全く関係してきませんし。
まあ、あゆとの絡みがないのは単純に「シナリオライターが別」ということなのでし
ょうけれど。
どうも内部ではシナリオライターが話のすりあわせ作業をやってないのではないか、
と思えてならないのですが、世界観の理解の仕方がシナリオライターによって異なって
いるようにも思えます。
「ONE」はもっとひどくて、「えいえんの世界」への理解の仕方がシナリオごとに違っ
ているとしか思えず、おかげで余計にわかりにくくなっているようにも思えます。まあ、
久弥直樹氏はもうKEYにいなくなっちゃったみたいだけど、今何をしているのでしょうね。
ではまた。
・EP−ROMさん:
新シリーズはじまりましたね。また楽しませていただきます。
(Kanon)
> 私個人としては後者の意見で、「ONE」は色々問題点はあったものの、プレイヤーを
>作品世界に引きずり込むようなパワーが感じられました。それと比較すると「Kanon」
>は完成度は上がったものの、そういったパワーがどうにも感じられなかったのです。
そのご意見には同感ですが、『ONE』のパワーは“ある程度ゲームに慣れた人間”でな
いと感じられないものではないでしょうか。『ONE』はゲーム初心者がプレイしても、
「わけわからん」で投げ出すような気がしますが。
>「ONE」と「Kanon」のどこに違いがあるのか、今でも良くわからなかったりします。
単に「えいえんのせかい」という理解不能な世界と、「小さな奇跡」という解りやす
いテーマの違いだけだと思います。
ただ私は最近、KEY作品は“理解不能な世界”である方が魅力的ではないか――と考え
ています。
私はKEY作品のはシナリオは、整合性を求めるだけ無駄で、「泣き」という感動を演出
するためだけに存在すると考えています。(ちょっと極端か?)
キャラクターもそれに合わせて設定されていますので、より不合理な世界の方がその
持ち味を存分に生かせるのではないか? と思います。
>実は私が一番好きなのは栞シナリオだったりします。
(^^; 私の栞シナリオの評価は以前述べたとおりですが、一番ラブストーリーらしいシ
ナリオと言えばそうですね。というか、唯一のような気もしますが。(笑)
しかしえっちシーンへの導入という意味では名雪シナリオの方が良かったのでは?
後の展開はともかくとして、えっちの必然性という点では名雪シナリオに軍配が上が
ると思います。
>18禁ゲームの歴史においてはどんな位置付けがなされるゲームなのだろうか
ゲームとしては『ONE』の方が遺るでしょう。ただ、KEYというブランドが存続する限
り「名作」として評価され続けるのではないか、と。
・KO-1さん:
> ただ私はそれでも願望派ですけど^^;
各ヒロインの結末が「あゆの起こした奇跡」という解釈ならば、現実と考える方が自
然だと思いますけど。
ただそれでも、私も願望派ですねぇ。(^^;
ご無沙汰しております。KO-1です。
日々の生活に追われて、気が付いたらもう六月。
ZD-NETに
「GIFの特許消滅で、PNGの意義も消える?」http://www.zdnet.co.jp/news/0306/10/ne00
_patent.html
などという記事が載っているのを見て、ああそんなこともあったなあ、と思ってしまいまし
た。いろいろありましたがようやっと消えるんですねえ。
ただこの記事はZD-NETらしいというかネットらしいというか。視点が「フリーウェア v.s.
知的財産権」に偏っているので、フリーであることのアドバンテージがなくなったPNGの価値
がどうなるかということがメインになっていますね。圧縮形式の特徴から考えたら特にPNGの
価値は変わらないように思うんですけれども^^;
"ゲーム今昔記第1回 Kanon" EP−ROM さん wrote:
新シリーズの投稿楽しみにしてます。さて、
> 「真琴シナリオのラストは主人公の願望か現実か?」
>
> というものでした。これはおそらく製作者サイドとしてはどちらとも取れるエンディ
> ングにしたのでしょうからこれまた結論の出る話ではないのでしょうが、
これは本編だけでは分かりませんが、エンターブレインから出版された『Kanonビジュアル
ファンブック』ゲーム・システムp.02において、伏せ字で書かれている部分を解読すること
で推測できます。結論だけ言ってしまうと「現実であり真琴は生きている」と制作サイドは考
えいていたようです。ピロの失踪が真琴を助けるための行動だったということらしいです。
ただ私はそれでも願望派ですけど^^;
「昔話」が終了後、あとネタがどのくらい残っているだろうか、と色々考えたりもし
ていたのですが、20や30くらいなら大丈夫そうだ、という感触を得ましたので新シリー
ズを開始することに致しました。タイトル通りで、比較的最近のゲームから「昔話」で
取り上げなかった古いものまで幅広く扱う予定です。ですから年代はバラバラになると
思います。
「昔話」が「ONE」で終わったので最初は「Kanon」にすると前から決めていましたの
で第1回はKanonです。ただ振り返ってみるとこのゲームへの思いは複雑で、うまくま
とまらなくてちょっと苦労しましたが。
気力が無くなるかネタが尽きるかするまでは続けるつもりですのでまたよろしくお願
い致します。
ではまた。