追想シリーズを書くにあたり、何故このソフトをチョイスしたのか自分でも謎なんですが、「私が踏んだはぢめての地雷」ということで記憶に残っています。発売は2000年12月、パンプキンソフトウェアより。
私が病弱シナリオ好きなのは以前に述べたとおりです。しかしヒロインが病弱なのはいくつかプレイ済みでしたが、主人公が病弱なのは経験がありませんでした。それが理由で『ひなたのおか』に興味を持ったのです。
あらすじは――新種の病気である、通称“優しき死の病”。この病気は長く辛い闘病生活のあと、苦痛のない安定期を迎え、その一ヶ月後に100%の確率で死亡する。“優しき死の病”に罹った主人公が安定期に入り、故郷に帰ってどう一ヶ月を過ごすか?――というものです。
病状があまりにも都合がよいのですが、「新種」であることがメーカー最後の良心か。ともあれどう評価されるのか、毎日レビューサイトリンク集をチェックしていました。しかし待てど暮らせど何処もレビューを書かない。仕方がないので購入しました。
このゲームの酷さはご存じの方もいらっしゃるでしょうが、改めて指摘しておきます。
・パッケージに5人の女のコが描かれているが、攻略できるのは3人だけ。
・パッケージ裏のCGがゲーム中に使われていない。
・マニュアルとゲームの内容が違う、しかもマニュアルが薄い。
・無限ループしてまともに攻略できない。(あとでサポートされた)
・移動場所選択型だが、女のコのいる場所しか行けないので、実質2カ所。
他にもあったような気がしますが、流石に忘れました。ここまでくると不自然なテキストとか不整合なシナリオなど、些細な欠点のような気がしてくるから不思議です。
とにかくプレイしてみたものの、まともに攻略できない。いえ、それ以前にまともに動かないのです。メーカーHPに行ってみても……ドメイン取得していませんでした。しばらく放置しておいてからメーカーHPに行くと、いつの間にかサイトが完成していました。しかしやる気があるのかわからない状態。殆どのコンテンツが工事中でした。(今でも……というか解散したんですかね?)
こんなゲームですが、それでも私はフルコンプしました。ちょっと自分を尊敬しています。(マテ)
このゲームの敗因を考えるのは馬鹿馬鹿しいので、自分の敗因を少々。
この当時私はPC歴数ヶ月で、「PCゲームはバグがあって当たり前」というのは知識で知っていても実感が湧いていませんでした。ゲームというものは(面白いかどうか別として)普通にプレイできるものである、と。(それが当たり前なんですが)
また、レビューサイトをチェックしていましたが、掲示板はノーチェックでした。そういったところからも情報は入手できるのですが、あくまで管理人さんのレビューしか見ていませんでした。他にもあるかと思いますが、要するにネットを上手に活用していなかった――ということでしょうね。
高い授業料を払ってしまいましたが、一つ教訓を得ました。それは「誰もレビューを書かないのは、それなりに理由がある」ということです。そして「また一つ賢くなってしまった。このままいけば天才になれるかもしれない☆」と、後ろ向きに自分を慰めていました。(シアワセな奴、とか言わないよーに)
余談ですが、後日『ひなたのおか』完全版ともいうべき『ひなたのおか〜記憶のかけら』がリリースされました。その後にはDVD-PG……。なんでそこまで拘るのでしょうね?