cianの追想・その1

野々村病院の人々

2003年3月27日

 私が初めてプレイした18禁として、今でも覚えているゲームです。Silky'sより1994年6月発売。しかし私は当時PCを持っておらず、セガサターン(以降SSと略記)でプレイしました。SS版は1996年4月発売。なお、Win版はelfより1996年9月発売。

 ゲームは典型的なコマンド総当たりADVで、ストーリーは――悪名高き天才探偵・海原琢麻呂(主人公)はひょんなこと(自業自得)から足を骨折し、野々村病院に運ばれる。その病院は評判が良くなく、数日前に病院長が死亡したばかり。そして院長夫人から「主人が自殺ではないことを証明して欲しい」と依頼を受ける。琢麻呂は事件を解決できるだろうか?――というものです。

 こう言ってはなんですが、特筆すべき点はないですね。しかし、無理のないストーリー、先を知りたくなるシナリオ構成、魅力的な女のコ等々、良作と判断してよいと思います。

 ちなみにSS版は18禁ですが、えっちシーンはありません。PC版は美保と千里にあるようですが。主人公の性格を考えると食べる方が自然だとは思いますが、SS版では食べなかったが故に主人公に“漢”を感じたことも事実です。もっとも、これは単にコンシューマの制約の問題でしょうが。

 ところで私は原画家には拘らないのですが、絵そのものは好きでデスクトップはギャルゲーのCGを使用しています。『野々村〜』の原画担当は横田守氏。このゲームでファンになりました。(笑)

 あと印象に残っているのはクリア後のこと。このゲームではクリアするとCGモードに入れます。それは普通の機能でしょうが、問題は入る時に野々村ぢぢいが登場することです。それだけならまだしも、

君はまだ○枚のラブリーなCGを見逃しておるぞ
なんぞとぬかしやがります。確かにCGはラブリーですが、ぢぢいは最低です。というか、このぢぢいに猫撫で声で囁くように言われると、鳥肌が立つというものです。CGを全て集めないとネチネチ言われますが、コンプするとこのぢぢいから“野々村マスター”の称号を貰えます。……この辺はシャレのセンスなのでしょうが、どうでしょうかね? 私は肯定派ですけど。

 にしても野々村ぢぢいは薄汚い。このぢぢいに限らず『野々村〜』登場のおやぢはみんな薄汚い。こういうキャラを描かせたら横田氏が一番でしょうね。いや、それが理由でファンになったわけではありませんが。(笑)

 ゲームとしては今ではお薦めするほどではないのですが(XP非対応ですし)、プレイして損をする内容ではなかったですね。私はこのゲームで18禁にあらためて興味を持ったわけですし。また、内容以外の点でも記憶に残るゲームでした。

written by cian