「カスタムメイト」シリーズでは女の子を色々とカスタマイズできるという野心的な試みがされていたわけですが、初代と2は基本的に「Hするだけ」のゲームでした。それに対してこの「カスタムメイト3」では、一人の奥さんと1年間の同居生活を送る、という大幅なコンセプトの変更がなされたのでした。さてその内容はいかに。カクテル・ソフトより1995年12月発売です。
ゲーム内容は、クリスマスイブに彼女もなく一人寂しく過ごしていた主人公がふと立ち寄った結婚相談所「カスタムメイト」。そこで理想の彼女を紹介され、即座に結婚してしまった主人公が1年間の結婚生活を送る、というものです。
奥さんのデータはかなり細かく設定でき、名前が任意に決められるのはもちろんのこと、外見は髪の毛が3通り、胸の大きさが3通り、お尻の大きさが2通り。性格も3通り。性格を変えると目元が変わります。「明るい」がノーマルで、「キツい」にするとツリ目に、「おとなしい」にするとタレ目になります。性格を変えると当然セリフも変わります。朝起こす時に、キツい性格だと、「○○、起きて、朝よ」。おとなしい性格だと、「○○さん、起きて下さい、朝ですよ」。このあたり、奥さんにどのように接して欲しいのかによって変えられるのはいいですね。他に血液型なども設定できますが、これはあまり意味はないようです。
それで面白いのは主人公と奥さんの結婚前の性体験も設定できることで、奥さんはやっぱり初々しい方がいいのだろうと思っていたら奥さんが体験豊富で主人公が未経験、という設定でプレイを始めた方もいらしたそうで。人の好みはそれこそ千差万別なのだなあ、と改めて思いました。
奥さんの年齢は16〜18歳から設定できますが、奥さんの落ち着きぶりからすると若すぎるように思います。まあ、このゲームは18禁ですから誰がプレイしても年下の奥さんが設定できるように、ということなのかもしれません。
ちなみに私は、
髪の毛=セミロング 胸=Aカップ おしり=小さい 性格=おとなしい 体験=未経験
で始めました。私はゲームに出てくる女の子の胸は大きすぎると常々思っていたので、胸の小さい女の子を設定できるカスタムメイトシリーズはありがたかったですね。まあ最近は胸の小さい女の子もざらに見かけるようにはなりましたけど。
ゲームとしては昼間は会社に行き、夜は家に帰って奥さんと過ごすことになります。まあ家では「Hするだけ」なんですけど。(^^;) 奥さんには「淫乱度」というパラメータがあり、これが上がるにつれてHのバリエーションが増えてきます。しかし前述の通り奥さんの外見には「髪の毛」(3通り)×「胸の大きさ」(3通り)×「おしりの大きさ」(2通り)=18通りの外見があり、さらに奥さんの付けている下着も何通りかあって、1つのシーンでもバリエーションは膨大なものになります。これだけの画像を管理するのは相当大変だったであろうと思われますが、F&Cでも今ではもう無理と思っているみたいですねぇ。
ただこのゲームの問題点は1日単位でコマンドを入力しないといけないことで、毎日の生活がそんなに代わり映えするはずはありませんからはっきり言って飽きてきます。おまけに奥さんの淫乱度が上がると一晩に3回イかせてやらないといけないので、いいかげんHのお付き合いが面倒になってきます。面倒だという方のためには日にちを自動で進めたり、Hだけ自動にすることもできるのですが、コマンドの入力方法があんまり頭が良くないようなので、あまり使える感じはしなかったですねぇ。私自身は途中まではせっせと毎日コマンドを入力していたのですが10月半ばあたりでついに気力が尽きてHだけ自動にしてエンディングまで進めました。
ゲームを12月24日まで進めるとエンディングになりますが、ハッピーエンドとバッドエンドに分かれます。ただこのバッドエンド、内容的にはトゥルーエンドと言っても良いもので、こちらを見ないと結婚相談所「カスタムメイト」の正体がわかりませんから。この当時の私の感想を見たら、
本当にこれはそうだと思います。私としてはエンディングはハッピーとバッドの中間くらいにしてくれたら良かったのにと思いました。
具体的には、12月24日に奥さんが『1年間ありがとう。これでお別れだけれどきっとまた会えるわ』と言って消えてしまって、久和に、『きっとあなたには素晴らしい出会いが待っているでしょう』と言われて外に出ると例の女の子にぶつかり、喫茶店かどこかにいる2人をバックにスタッフロールが流れるなんていうのだったら良かったな〜、と思ってます。
などと書いてありました。(プレイしてない方、何のことかわからないでしょうね。すいません)
ただ、前日の12月23日は祝日で休みですが、この日一日奥さんと一緒に家にいるとハッピーエンドに、外出するとバッドエンドになるという妙な現象に遭遇しています。バグとしか思えないのですが、もし仕様だったらとんでもない仕様ですね。もっとも、これのおかげで同じセーブデータでハッピーとバッドの両方を見ることができましたから、単純に悪いとは言えないのですけれど。
私としては「自分の好みのタイプの女の子と結婚生活を送る」という観点でプレイしたのですが、ゲームやアニメなどのヒロインを投影してプレイされた方も結構いらしたようですね。本当に色々なプレイの仕方があるものだなあ、と思ったものですが。
この「カスタムメイト3」以後も各社から一人の女の子と同居生活を送る、というタイプのゲームが出ていますが、「結婚生活」を扱ったものは1つもないようです。これは考えてみれば当たり前のことで、同棲ならばラストで「幸せな結婚」をエンディングに持ってくることができますから。そういった意味ではこの「カスタムメイト3」というゲームはかなり特異なゲームであるのかもしれませんね。あ、それからこのゲームはPC-98版のベタ移植としてWindows3.1版が出ていますね。ゲームとしてはかなり面倒なので今からお勧めは特にしませんけど。
ゲームとしては非常に楽しませてもらったのですが、とにもかくにも日常が面倒過ぎるのがこのゲームの問題点で、私も2回目は途中で挫折しました。ただ、このゲームの持つ魅力自体は今でも色褪せていないと思います。プレイアビリティを向上させ、このゲームの持つエッセンスを抽出した形で「カスタムメイト4」を作って欲しいとF&Cには切に願っています。