アルジェリア拘束:日本人7人の死亡確認 3人安否不明
毎日新聞 2013年01月21日 23時15分(最終更新 01月22日 10時07分)
アルジェリア南部イナメナス近郊の天然ガス関連施設でプラント大手「日揮」(横浜市西区)の日本人社員らがイスラム武装勢力に拘束された事件で、安倍晋三首相は21日夜、政府対策本部を開き、現地の城内実外務政務官から「病院で遺体と対面した結果、安否確認中の日揮社員のうち(日本人)7人である」と報告を受けたと明らかにした。残る日本人3人の安否は確認されていない。一方、アルジェリアのセラル首相は21日、記者会見し、外国人の人質の死者が計8カ国37人(日本人含む)に上ったと発表した。
城内氏と同社の川名浩一社長らは21日午後(現地時間同日午前)、死傷者が搬送された現地の病院に安否確認のため入っていた。
首相は対策本部で「世界の最前線で活躍する日本人が、何の罪もない人々が犠牲となり痛恨の極みだ。残されたご家族のお気持ちを思うと、言葉がない」と無念の意を表明。残る3人の安否確認に全力を尽くすよう関係閣僚に指示した。
菅義偉官房長官は対策本部後の午後11時半過ぎから記者会見。菅氏によると、城内氏から連絡があったのは午後8時20分ごろ。城内氏は顔写真から5人の遺体を確認し、その後、第2陣としてイナメナスに到着した警察関係者がさらに2人を確認した。菅氏は、19日の段階でアルジェリア政府から伝えられた「厳しい情報」の内容は「5人死亡」だったと明らかにした。
死者7人はいずれも男性。菅氏は「ご家族はたいへん悲しみ、動揺している。日揮と相談し、氏名公表は避けてほしいということだったので、政府としても発表しない」と氏名は公表しなかった。残る3人が「1人負傷、2人不明」との現地報道については「確認していない」と述べた。
菅氏はまた、「政府としては人命の安全確保が第一だという観点に立ち、安倍首相がアルジェリア首相に要請するなど、あらゆる努力をしてきた。それにもかかわらずこのような結果になり、尊い命が奪われたことは誠に残念だ」と述べた。
政府は22日夜、救出された日本人7人の帰国と犠牲者の遺体の搬送のため、政府専用機をアルジェリアに派遣する。在外邦人の輸送に政府専用機を使うのは初めて。鈴木俊一副外相や日揮関係者らが政府専用機で現地入りする。【鈴木美穂】